宵山に啼く恋し鳥 (ガッシュ文庫)
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- 税込価格:610円(17pt)
- 発行年月:2010.1
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商品説明- 「宵山に啼く恋し鳥」
昭和7年—京都。父亡きあと家業の旅館の主であった双児の兄・芳彦が不幸な事故で命を落とした時から、芳彦として生きている敦彦。旅館と家族を守るため、死んだのは敦彦とし、偽りの人生を選ぶしかなかった。そんな折、ある男の来訪に敦彦は戸惑う。彼・鴻野倫太郎は、かつて心を通わせながらも訳あって縁を切った相手。敦彦を今も愛していると言う倫太郎と想いは同じだが、恋の成就は叶わない。敦彦の死を悼んで逗留を決めた彼と時間を重ねるほど、心は痛み…。【「BOOK」データベースの商品解説】
ユーザーレビュー- 「宵山に啼く恋し鳥」
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2010/01/20 23:25
言葉の妙
投稿者:はぴえだ(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
一途で、せつなく、ひたむきで、不器用な恋。
恋に落ちる過程、ストーリー展開はごくありふれたものなのだけれども、舞台装置が秀逸で、物語を風情あるものとしている。
昭和初期の京都が舞台。それに沿った文章がきちんと使われている。
京言葉に、時代に合った言葉使い。懐古的なものというと、堅苦しいイメージがあるのだか、分かりやすい言葉選びがされているので、世界にも入りやすく、寧ろ目新しさを感じさせる。
物語の設定に影が持ち込まれていて、話がせつない展開で進んでいく。影と古い言葉(漢字言葉)の多用が、雰囲気にあった文章を生み出し、見事融合させ、しっとりと趣のある世界にしているのだ。
それらが恋を、情熱を引き立てて、読者の心を掴み、揺さぶる。
落ち着いた、和風な世界。
静かなのだけれど熱い恋。
世界に浸って、心を焦がしてみるのも、いいだろう。




