- 出版社:ランダムハウス講談社
- サイズ:20cm/519p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-270-00562-0
古書の来歴
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- 税込価格:2,415円(69pt)
- 発行年月:2010.1
- 発送可能日:購入できません
- 本
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商品説明- 「古書の来歴」
【翻訳ミステリー大賞(第2回)】100年ものあいだ行方が知れなかった「サラエボ・ハガダー」が発見された。連絡を受けた古書鑑定家のハンナは、すぐさまサラエボに向かうが…。実在する稀覯本と、それにまつわる人々を描いた歴史ミステリ。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介- 「古書の来歴」
ジェラルディン・ブルックス
- 略歴
- 〈ジェラルディン・ブルックス〉オーストラリア生まれ。シドニー大学卒業。シドニー・モーニング・ヘラルド紙で環境問題などを担当した。オルコットの「若草物語」の父親に焦点をあてた小説でピューリッツァー賞を受賞。
ユーザーレビュー- 「古書の来歴」
10人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2010/03/28 12:07
古書にまつわるミステリーと、書物に関わる人々の時空を超えた物語
投稿者:うみひこ(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
古書の保存修復の専門家の、オーストラリア人ハンナが、
ある1冊の本を調査保存するために、
ボスニアのサラエボに降り立つ。
その本は「サラエボ・ハガター」と呼ばれ、
中世のスペインでつくられた。
ユダヤ教では禁じられていた筈の
彩色された宗教画の挿絵入りのヘブライ語の書物。
国立博物館の学芸員オズレンが、
戦火の中保存した奇跡の書物。
彼と共に、国連職員や、国連平和軍の兵士、
ボスニアの警察官、銀行の警備員に囲まれて、
銀行の会議室で、ハンナは仕事を始める。
彼女に与えられた時間は1時間のみ。
その間に彼女がするのは、本をすっかり綺麗にすることではなく、
与えられた本の損傷はそのままに、
その本を研究できる程度に修復すること。
その見事な絵で彩色された書物から見つかる様々な疑問点や、
書物が辿ってきた歴史を調査できる様々な品や謎を
ハンナは見つけ出す。
それは、古書の最後に書き込まれたラテン語。
羊皮紙の損傷の中に現れた一粒の塩の結晶。
挿絵の中に描かれた、
ユダヤ教の祭りに参加している一人のアフリカ系女性の絵。
半透明の昆虫の羽。
綴じ糸に染みついた白い毛。
ワインの染み。
失われた銀細工の留め金。
世界各地に散らばる研究者と出会いながら、
ハンナは様々な謎を調査していく。
と、平行して、書物に関わってきた全ての過去の人々の物語が、
語られていく。
ウィーンで、ヴェネチアで、スペインのタラゴナで、セビリアで、
エルサレムで、そして、また、このサラエボで…。
書物が通り抜けてきた、危機、数々のユダヤ人迫害、
異端審問、ナチスによる焚書、革命。
その中で、書物を作り上げ、描き、守り続けた様々な人々が、
ハンナが見いだした謎の奥底に存在してきたのだ。
ハンナ自身の物語も同じように現在の時の中で、展開していく。
超一流の脳外科医の母との関係、
語られなかった父親の謎、
そして、恋。
やがて、この希少な古書が何度も何度も失われそうになる物語が、
再び、現在のハンナ自身の物語と絡み合っていく。
最後に、書物が救われるとき、
一つの謎を解き明かす新しい発見が、
書物の中から、美しく立ち現れてくる…。
ここにあるのは、一つの書物の中にある物語だけではなく、
その書物が辿ってきた時代を読むこと。
そんな古書への愛着を促す物語だ。
書物を愛する人にはたまらない謎解きの物語であると共に、
人を愛することを知る女性たちの物語でもあり、
戦争や暴力や、開発という名の下に、
失われていく文化への警告に満ちた書でもある。
けれども、とにかくメリハリのついた
一流のミステリーであることが、何よりもたまらない。
ページをめくる指が止められなくなる。
そして、読後、ピューリッツアー賞受賞者の
もとジャーナリストである作者の生き生きとした筆遣いに、
次回作への期待を感じずには居られなくなるだろう。







