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サッカースカウティングで名を馳せた小野 剛がスカウティングのイロハを教えてくれる本。読みすすめると、サッカーの見方が深く広がっていくのが気持ちいい!!
現場の人が書かれた本なので、リアリティがあるし、そうなってたんだ~っのが分かる。例えば、ハーフタイムのミーティングで修正点を伝え方として、最初に選手たちが考えていることを言葉にさせ、気持ちを発散させてから修正点を伝えるとうまくいくとかが、説明ベタな自分としては、そうやり方があるんだと納得できたりとか。(後、オシムや岡ちゃんもそんな感じでミーティングするらしい)
他にも、スカウティングする上でのチェック項目を惜しげもなく書いてくれている所も勉強になっていて、サッカーを見る時の考え方が広がったと思った。
目次
1. サッカーにおけるスカウティングとは?
2. スカウティング術のノウハウ
3. サッカーを”観る眼”を鍛えよ
4. 格上チームの弱点を見抜く アトランタ五輪編
5. 世界での戦いにかつために フランスW杯編
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この本はしっかりとした内容がある本だった。良書である。一見、単に基本的な要素を羅列しただけといった本にもみえるが、読み手の経験(サッカー知識)によって書き手の言葉から想像できる情報量が異なる、本質をついた本である。
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今回のワールドカップをきっかけに、サッカーを勉強したいと思って買った本の中の一冊。
『サッカーの見方は1日で変えられる』(木崎 伸也)も同時並行して読んでいたが、木崎さんの本がよりサッカーのプラクティカルな戦術面に注目して、見方をわかりやすく説明しているのに比べ、この本はサッカーがいかに深遠なスポーツかを、しっかり味あわせてくれる本だった。
サッカーが、ただスポーツではなくて、そこには当たり前だけれど生身の人間が深くかかわっていて、サッカーというのはそういう人と人とのつながりの有機的な部分を理解してはじめて、サッカーの本当の面白さに気づくのだ、ということを気づかせてくれた。
1章から、スカウティングのノウハウを通した戦術、選手の能力の見分け方など、かなりテクニカルで初心者には少し難しいことを含め、たくさんの見方を提示してくれる。
そしてクライマックスは最終章である5章で、ここでは世界での戦いに勝つために、ということでフランスワールドカップの実録が載っているのだけれど、この章があったことで、今まで読んできたことが一気に収斂された気がした。
わたしたちはいつも結果だけを観てしまうし、結果だけを見ることで生まれること、わかることももちろんあるけれど、プレーしている選手や監督やチーム全体が抱えているのは、やっぱりわたしたちには抱えきれない、聖域なんだな、ということが分かった。
それを応援するってことは、勝ってるときだけ盛り上がって、負けると非難して、結果だけを見ることじゃない。
正しい戦術がいつもいい戦術とは限らないこと、国家代表としてのサッカーとは何なのか、そしてそれが持つ吸引力は何か、今回日本代表が「ひとつになった」「いいチームだった」っていっていたことが、いかに意味深いものだったかを知らされた。
そしてサッカーが反映しているものは、そのマクロではその選手たちの出身国社会の問題だったり、ミクロでは人と人とのインターアクションをどう構築するか、自分自身をどう表現するか、ってこと。
そういう意味で、誰かの関係とか、この世の中のまわり方とかを考えるときに、サッカーが共通しているものって意外と多いなと思った。
サッカーはもちろん答えをくれるわけではないけど、サッカーを見ることで、自分が生きていてぶつかる色んな問題がどこかで何かとつながっていること、を教えてくれる。
そういう意味で、サッカーを見ることは非常に教育的だ。
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この本の中では、ほとんど具体的には出てきませんが、
サンフレッチェ広島監督時代の
J2における、第一クールの快進撃と夏以降の失速そして最終クールでのギリギリの復調。
J1で、そこそこの順位をキープした3年間の成功と、しかし若手育成を含め躍動感に欠けるとのサポーターからの不満の声。
新しいシステムに挑んだもののうまくいかず、チームを去ることになった最終年。
などを知っていると、小野剛がサッカー監督としていずれリベンジしたいと思っていることが、行間から透けて見えてくるようで、その視点からも興味深かった。
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スカウティングからサッカーの観方を育成する本。
実際にアトランタと仏W杯の実例をあげている。
ものすごくためになったと個人的には思う。
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スカウティングは相手を分析するだけだと思っていたが、もっと奥の深いもので、もっと難しいものだった。サッカーを指導する人は1回読んで損はしない。
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★サッカーの見方の基礎に★どういう選手交代をしてシステムをいじればどのような影響を与えられるのか――。サッカーの試合を見ていていつも全く見当がつかなかった(カズでさえどこかのインタビューで似たようなことを言っていた)。その点で、試合の意図を分析するめの本として参考になった。
FWの並び、どこで数の優位を作る(FKでの壁の数にも関係する)、カウンターの起点、横に網を張るネットディフェンスに対しあるサイドだけで縦に出させるシールディフェンス、などポイントとなる点を列挙する。細かくかつ具体的な事例で印象に残ったのは、DFの振り向く方向によるボールウォッチングの癖(例えば左側のFWは見失いやすい)を生かしたアトランタ五輪のブラジル戦、展開力の弱いDFにボールを持たせて前にドリブルをさせ縦パスを出したところをつぶすアトランタ五輪最終予選のサウジアラビア戦。正しい全体像を数多く見ておかしな点を感じられるようにする、という手法には納得した。そのためにはテレビではなく全体像が見渡せるスタジアムでやはり見る必要があるのだろう。
ただしやや不満だったのは、失敗事例の提示が欠けていたこと。また、試合の狙いは良かったが「不運な失点だった」との表現も気にかかった。もちろん運は左右するが、ここでそれを言ってはおしまいでは。選手に対する指導方法も、全体としては雰囲気の話にとどまるように感じた。
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#貯めたものを更新
2月、3月のサッカー関係の仕事のため、業務と平行しながら読了。スカウティングの時代がよく分かる良書でした。
驚いたのは本格的にスカウティングが始まったのが、ドーハの予選(93年)からということ。それまでは「相手の分析をするなんて、邪道」という世の中だったらしい。日本の競技力の向上は、このスカウティング技術の伝播と、ライセンス制度なんだろうなと想像したりできました。
一方で、日本のトップがこういうレベルということは、下に進めば進むほど、ある種むちゃくちゃな分析をしているわけで、ユースの現場などでみんなビデオを撮っていますが、まだまだ向上の余地はあるんだろうなと、伸びしろを感じられるものでもありました。そういう意味で、日本の未来を感じさせられる一冊でもあります
(2011.3.24読了)
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FIFAインストラクターの小野剛氏は、プロ選手としての経験はないが、その分本格的にコーチングを学んでおり、その経験値の高さはよく知られている。サンフレッチェ広島、アトランタ五輪代表、フランスW杯代表などでその力を発揮している。
そんな小野氏がスカウティングについて著わしたのがこの本。スカウティングという、コーチならでは視点は興味深い。
内容は、スカウティングにあたってチェックすべき点の基本的な事柄から書かれている。例えば、守備ならばフォアチェックなのかリトリートなのか、シールオフなのかネットディフェンスなのか、といった点である。また、メンタル面を含めたチームのまとめ方なども言及されている。
後半は、それらの理論をいかに応用すべきかについて、小野氏自身の経験を通して書かれている。
アマチュアでサッカーを楽しむ方にも、よりマニアックにサッカー観戦を楽しみたい方にも、おすすめの一冊。
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本書で何度もいっておられる、「スカウティングの目的は選手を堂々とピッチに送り出してあげること」というのが印象に残る本。
スカウティングが一人歩きしてしまえば躍動感がなくなってしまう、というのはなるほどと思いました。
サッカー経験者で、試合観戦もよくする方であっても読んでいて面白いと思う部分はいっぱいあると思います。
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前日本サッカー協会技術委員長で、FIFAのインストラクターも務める小野剛氏が「サッカーの見方」について示した本。アトランタ五輪やフランスW杯でスカウティング担当を務めただけあって、サッカーを見る際の本質をわかりやすく示してくれている。ただ、著者自身は指導者ということもあり、スカウティングは「選手たちのパフォーマンスがよくなるためには」というツールのひとつに過ぎないとしている。そうしたスカウティングのあり方についても述べられている。
サッカーを戦術的に見ることに興味を持ち始めた方、指導者を始めたばかりで他チームの試合を見て研究を行いたい、という方におすすめ。
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相手チームの分析と対策について書かれた本
当時は代表メンバーに対して戦略の伝え方には苦心していた様子
アトランタ五輪ブラジル戦、フランスW杯の話などもあり面白かった
サッカー観戦が変わります
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日本代表でも、数々の試合でスカウティングをした小野剛氏のスカウティングのやりかた、実際の経験の本。
スカウティングは、試合等や相手を分析し、最後に勝利のためには集めた情報をどのように整理するかが鍵である。そのためには、集めた情報を取捨選択することの必要性をまとめている。また、スカウティングのポイント等もまとめている。
実際に、スカウティングをするような人にはよいが、他の人には若干ものたりないかもしれない。スカウティングではこのようなことをやっていると学には良い本だと思う。
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サッカーのスカウティングというのは、対戦相手(あるいは自チーム)の特徴を分析した上で、試合の戦略・戦術を練る、というくらいの意味に解釈すれば良いと思う。筆者の小野剛氏は、日本代表の元コーチで、アトランタオリンピックやフランスでのW杯の時に実際に日本代表のスカウティングを務めた人である。その際の実例などが豊富に紹介されていて、かなり面白い本だ。前掲書の「世界が指摘する岡田ジャパンの決定的戦術ミス」は、岡田監督になってからの日本代表の試合ビデオをイタリアの何人かのコーチ達に見せ、主として戦術面から代表の試合に対する批評を加えてもらう、という企画内容の本だ。題名が気に食わないこと以外("世界がうんぬん"という、"世界"を主語にした言い回しは、よく使われていると思うが、"世界"って一体だれのことだよ、って思ってしまう。抽象的に考えない方が良いだろうと思うのだ)は非常に面白く読んだ。ところで、去年くらいからだと思うが、サッカーの戦術書、それも結構マニアックなものが、数多く発行されるようになっていると思う。これだけ発行されているということは、かなり売れているということだと思う。そういう本を読みたいな、って思っていた人が多かったのだと思うが、私のようなサッカー好きにとっては、非常に嬉しいことだ。
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サッカー指導者
サッカープレーヤー
そして何よりサッカー観戦をより深く楽しめるための一冊となります
ゲーム分析と聞くとどうしても相手の長所を消して勝利を目指す
そんな勝利至上主義になりがちな話であるが本来のスカウティングとは分析し将来の成長に活かすためのツールでもあるのがわかる
日本代表というトップカテゴリーの現場から発する指導者向けのノウハウや注意点はそれだけで読む価値がおおいにある
そこは結果を見て選手に点数をつけて評価を下す雑誌と違い戦況、戦況で対応するライブ感があって面白い
印象的なのは初めてのW杯を終えたあとの
「Chapter5 世界での戦いに勝つために」 より
私を含めて、ワールドカップを経験するまでは多くの人が「基本の部分」では勝負できるけれど、世界との戦いでは「基本ではない部分」が勝敗を分けると思っていました。
しかし、現実は違っていました。基本というのは低いレベルではボロが出ないで済む。
だけどレベルが高くなればなるほど、基本の質の違いが否応なく現れてしまうのです。
成長に近道もマジックもトリックもない
小手先ではない本物のスカウティングを志す指導者が増えればそれが日本のレベルアップになるのでしょう
もうちょっと試合量などボリュームがあれば文句なしの5つ星ですが現場でスカウティングをするコーチの生の声は歴史的にも貴重なので5つ星をつけさせて頂きます