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ママの友達 長編心理サスペンス(光文社文庫)

  • 出版社:光文社
  • レーベル:光文社文庫
  • サイズ:16cm/300p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-334-74733-6

ママの友達 長編心理サスペンス (光文社文庫)

新津 きよみ (著)

  • 全体の評価 41件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:58016pt
  • 発行年月:2010.2
  • 発送可能日:1~3日
  • 文庫

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商品説明- 「ママの友達 長編心理サスペンス」

主婦の典子のもとに、差出人不明のまま突然届いた中学時代の「交換日記」。その直後、メンバー4人の中でリーダー格だった長谷川淳子が殺されたというニュースが入る。彼女に何があったのか。音信不通だった残りのメンバーの人生も、事件をきっかけに大きく動き出す。40代女性の人生に起こるさまざまな事件をサスペンスタッチで描き出した感動の長編推理小説。【「BOOK」データベースの商品解説】

ユーザーレビュー- 「ママの友達 長編心理サスペンス」

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1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2012/02/08 19:22

凄く重要ではないことかもしれませんが、でも伏線がみごとに生きて、ああ、上手いなって思いました。これなら、もう一冊手を伸ばしてもいいかな、新津きよみ・・・

投稿者:みーちゃん(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

相性が悪い作家がいます。あるいは、なかなか〈これは!〉という作品にぶつからない作家が。私にとっての新津きよみがそういう存在で、もし彼女が折原一の奥様でなかったら、とっくに見限っていただろうって思います。それほどに折原作品は読む、新作が出ればとりあえず手を出す。そのたびに新津きよみのことを思うわけです。

で、本当に久しぶりに、っていうか二冊か三冊目なんですが、読むことにしました。理由の一つにカバー写真があります。これで外したらダメじゃん、っていうくらい美しい写真。Christopher Gruver、ネット検索するときちんと出てくる花の写真を得意にする人。このカバーににた作品もありますが、もっと幾何学然としたものもたくさんあります。写真の勉強をしていないのでよくわかりませんが、メープルソープ作品ほどは衝撃力はありません。でも、逆に使いやすい。勿論、美しいです。本には
       *
カバーデザイン 片岡忠彦
カバー写真 (C)Christopher Gruver/Masterfile/amanaimages
カバー印刷 慶昌堂印刷
       *
とあります。単行本と文庫本でここまでデザインを変えるというのも珍しいかも。ま、らしさでいえば、単行本のほうかな、とは思いますけど。で、お話は学校時代の友人の訃報から始まります。いや、順番でいえばそのまえに、中学時代の交換日記が45歳の主婦・野島典子の元に届きます。差出人は不明ですが、その日記自体も中学の時に行方不明になっていたものです。

ざっと言って30年ぶりに、もう当人も忘れていたような日記が届く。その直後に、その交換日記仲間のうちでも中心的存在であったハセジュンこと長谷川順子が殺されたというニュースが入ります。一体誰が日記を送ってきたのか、なぜ野島典子なのか、そしてそれはハセジュンの死とは関係するのか、というのがミステリとしての核になります。

中学生時代の友だち、私の場合は殆ど付き合いがありません。看護学校に行き始めた時に家を出て学生寮に入ってしまいましたし、働き始めてからは病院の独身寮で過ごしました。そして働き始めて二年目に結婚して、アパート暮らしを始めて、子供が生まれて千葉に引っ越し、そこでも民間のマンションから近くの公団の賃貸に入居と、移動に次ぐ移動でした。

結婚式には高校時代や看護学校の友人を招いたし、家にも招待しましたが、行き来があったのは彼女たちが結婚するまでの話。結局、一番ながくおつきあいしたのは娘が保育園に入った時から小学校を卒業するまで、子供たちと一緒に泣いたり笑ったりしたお母さん同士。でも、彼女たちも子供が中学に行くのを機に公団を出て行ってしまい、お付き合いも切れてしまう。それが普通でしょう。

それでも仲間内から有名人が出てしまえば、事情は変わるかもしれません。面白い話が聴けるかもしれない、家族に自慢できるかもしれない、サインだって貰っちゃおう、そんな気持ちでクラス会を開いたりもする。でも、そうでもなければ年賀状のやり取りがあればいいほうです。その距離が、友人の死と日記を切っ掛けに、変化します。まず、プロローグから三章までのタイトルになっている交換日記仲間、ハセジュン、ノリ、アケ、クミを紹介しましょう。

ハセジュンこと長谷川淳子は、中学生のころ、リーダーシップがあり、活発で成績がよく、人望も厚い生徒でした。新聞部の部長で、合唱コンクールの指揮者にも選ばれています。そんなハセジュンは45歳になって、身元不明の遺体として発見されることになります。

ノリこと野島典子、旧姓、杉崎典子は転勤族の親の娘で、そのせいか中学時代も友達といえるような相手がいませんでした。ハセジュンに交換日記に誘われ、アケやクミと知り合うになります。都内の女子高を卒業後、短大に進んで、食品メーカーに就職し、職場結婚して寿退社。夫は転勤族で、現在、松戸市のマンションに暮らし。転勤が多かったせいけ、友人ができない娘・美咲は学校になじめず、不登校になっています。タイトルは美咲が典子に投げかけた言葉から来ています。

アケこと藍川明美は、化粧品会社でパッケージデザインの仕事をしていましたが、現在、引き抜かれた形でデザイン事務所に勤務。未婚の母です。未婚で、しかも高齢で出産することを父親・今朝夫から反対され、実家とは絶縁状態ですが、周囲の理解もあって、なんとか一人で子育てをしています。高齢出産だったため、同じ年頃の子供をもつ親たちに溶け込めず、公園デビューに失敗しています。

クミこと等々力久美子、旧姓、吉永久美子はピアノが弾けるため、合唱コンクールなどでは決まって伴奏をしていました。音大に進みたかったものの、家庭の事情で短大に進み、卒業してすぐに結婚、家庭に入っていますが、理由があって、ピアノが弾けなくなっている。21歳で産んだ娘・桃子は、結婚して家を出、25歳になる夫・哲治とのあいだに一歳半になる辰彦という息子がいます。哲治は外面はいいのですが、その性格は邪悪としか言いようがありません。

ハセジュン殺しの犯人は勿論、最後に逮捕されますが、それに向けて伏線が張られて、ああ、そうだったのか、と読者が感心するという話では全くありません。この話の謎は、交換日記を典子に送ってきたのは誰か、その理由は、となりますが、それを当てて終わりというものでもありません。むしろ、そんなことは些末なことです。

四人の女性、というかハシジュンはあまり重要ではないので外してしまえば、三人の女性、ノリ、アケ、クミが現在抱える問題こそが話の中心にあるのです。子どもの不登校、母子家庭、そしてDV、どれも私たち自身におきてもおかしくないことばかりです。といって、ただそれを描き出しておしまい、とは新津はしませんでした。三人にそれなりの希望を残したのです。

そして、日記が送られたいきさつも、最後に解き明かされます。それはスマートといってもいい解決です。ミステリとして、殺人犯のことを別にすれば、きれいに解決され、そして三人の女性たちの未来にも明るさが見える。派手なハッピーエンドではありませんが、読んだ人はだれもが肯く、そういう終わり方をします。野球でいえば、適時打でしょうか。これなら、もう一冊、手を伸ばしてもいいかな、新津きよみ・・・

ちなみに目次は

プロローグ ハセジュン
第一章 ノリ
第二章 アケ
第三章 クミ
第四章 閉じたノート
第五章 ページをめくって
第六章 歩き始めた道
第七章 書き留めた真実
エピローグ ノリ
  解説 吉田伸子

カバー後の内容案内は以下の通りです。

ママの友達*新津きよみ

主婦の典子のもとに、差出人不明のまま突然届
いた中学時代の「交換日記」。その直後、メンバ
ー4人の中でリーダー格だった長谷川淳子が殺
されたというニュースが入る。彼女に何があっ
たのか。音信不通だった残りのメンバーの人生
も、事件をきっかけに大きく動き出す。40代女
性の人生に起こるさまざまな事件をサスペンス
タッチで描き出した感動の長編推理小説。

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