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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2010.4
- 出版社: 早川書房
- レーベル: ハヤカワ・ミステリ文庫
- サイズ:16cm/345p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-15-176704-3
読割 50
紙の本
ラスト・チャイルド 下 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
「あの子を見つけた」大怪我を負った男はジョニーに告げた。「やつが戻ってくる。逃げろ」少年は全速力で駆けた。男の正体は分からない。だがきっと妹を発見したのだ。アリッサは生き...
ラスト・チャイルド 下 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
ラスト・チャイルド 下
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商品説明
「あの子を見つけた」大怪我を負った男はジョニーに告げた。「やつが戻ってくる。逃げろ」少年は全速力で駆けた。男の正体は分からない。だがきっと妹を発見したのだ。アリッサは生きているのだ。ジョニーはそう確信する。一方、刑事ハントは事件への関与が疑われる巨体の脱獄囚を追っていた。この巨人の周辺からは、数々の死体が…。ミステリ界の新帝王が放つ傑作長篇。早川書房創立65周年&ハヤカワ文庫40周年記念作品。【「BOOK」データベースの商品解説】
【英国推理作家協会(CWA)賞最優秀スリラー賞(2009年)】【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
ラスト・チャイルドという意味の恐ろしさ
2016/10/18 05:06
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る
結構前(発売当初)に買ってましたが・・・そして読んでる人はとっくに読んでいるので、すでに次のこのミス入選有力作品だと噂が伝わってきてます。
あまり先入観を持って読みたくはないのですが・・・はじめの20ページそこそこで主人公・ジョニーの置かれてしまっている境遇のひどさと同時に苦悩が伝わってきて、
泣きそうになってしまい、先入観を忘れた。
ポケミスバージョンもあるようですが、私は慣れ親しんだハヤカワミステリ文庫で購入。ラスト・チャイルドとは、最後まで生き残った子、という意味。
ジョニーは双子の妹・メリッサが何者かに連れ去られた一年前から、ずっと妹を探し続けている。 母親は悲しみのあまり酒と薬に溺れ、父親は失踪。 ジョニーはまだ13歳なのに、一人で全部を背負って町の異常者を探り出そうとしている。
まずそのあたりから読んでるこっちは苦しくなってくるのだが・・・自分の悲しみに沈んでいるジョニーの母親の気持ちもわかるけど、親としての義務が果たせるかどうかぐらいの判断はしてほしいと思うし、けれどこんな母親でもジョニーにとっては大事な母親だというのがなんとも・・・(社会福祉局や里親制度は機能していないのか。 なにが子供にとっていちばんいいのか判断するのは難しい)。
そしてもう一人の主要人物がハント刑事。 彼はメリッサの事件の担当で、解決できないことをずっと気に病み、それ故にジョニーに対して誰よりも気を配る。 ときに、自分の職務の範疇を超えるほどに。 この二人の関係が、最終的に物語の救いになっていくことになるのだけれど。
そんなある日、またもやメリッサと同じ年頃の女の子が行方不明になり、街は騒然となる。
多分、出来事としては一週間ぐらいの間の話なんだろうけど、あまりに濃度が強いためかもっと長い間の出来事のように思えてしまった。
子供を標的にする犯罪という意味では最近のミステリにはありがちではありますが、なにしろジョニーというキャラクターを描いたことがこの物語のすごさ! 多分そうなんだろうなぁと犯人はわりと前半でわかってしまうんだけど、それを補ってあまりあるリーダビリティ。 ただ、無宗教の私には「神はすべてご存知だ」的な啓示や奇跡といった描写にはつい、どうかな・・・?と首をかしげてしまいたくなりはするが。
ジョニー中心の物語であるがために、親友のジャックのことが最小限しか語られないのが物足りなくもあるけれど、仕方ないのかな・・・むしろ描かれていないことに言いようのないかなしさが詰まっている、ような気がする。
自分の子供に「ラスト・チャイルド」の冠をつけてしまうかどうかは親次第、ということなのかも・・・まさに、親の資格、だな(2010年9月読了)。