- 出版社:朝日新聞出版
- サイズ:15cm/350p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-02-264554-8
メタボラ 上 (朝日文庫)
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- 税込価格:609円(17pt)
- 発行年月:2010.7
- 発送可能日:7~21日
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商品説明- 「メタボラ 上」
記憶を失った“僕”は、沖縄の密林で職業訓練所から脱走してきた昭光と出会う。二人はギンジとジェイクに名を替え、新たに生き直す旅に出た。だが、「ココニイテハイケナイ」という過去からの声が、ギンジの人格を揺るがし始める—。社会から零れ落ちていく若者のリアルを描く傑作長編。【「BOOK」データベースの商品解説】
ユーザーレビュー- 「メタボラ 上」
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2012/01/14 08:25
沖縄で記憶喪失になった男
投稿者:kumataro(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
メタボラ 上・下 桐野夏生(なつお) 朝日文庫
上巻を読み終えたところで感想を書き始めます。意味を理解できない方言のような言葉が出てきます。舞台は沖縄本島です。「オゴエッ」驚いたときのうめき声、「ズミ」上等という意味のようです。「ちゃみた」盗んだ。「ボラバイト」まだその意味はわかりません。「メタボラ」なんのことやら。メタボではありません。以前読んだ同作者の「東京島」と雰囲気は似ています。
記憶喪失者のお話です。沖縄で記憶を失った仮名「磯村ギンジ」の物語です。「ココニイテハイケナイ」、「お前、仕事だろう!」この2語の記憶しかない。山の中で伊良部昭光という男と知り合って交流をもち始める。若い女性たちもからんで、ギンジは自分が何者なのかをわからずさまよう。自分の存在を嘘で固めて働く。自分は性的に男性愛好家かもしれないと思い始める。不安定で不気味です。
生まれ変わるためのマニュアル本です。周囲の人たちと「関係」を築いて、就労によって「収入」を得て、生きるための手順を踏んでいく。ギンジは、記憶を失う直前の自分の行動を思い出して絶望します。
第7章「スイート・ホーム」はつまらなかった。第8章「デストロイ」描写は秀逸です。この章だけで単体の作品として完成しています。
「ボラバイト」はボランティアバイトでした。「メタボラ」は、巻末の解説に「新陳代謝」とありました。社会での労働体制の変化を表しているようです。終身雇用の制度を始め戦後形成された日本の会社・家族のありようが崩壊したとなっています。この物語では生まれ変わることを示唆しています。
ふわふわと浮遊している若者男女たちにはルーツ(根っこ)がありません。義務を果たさず権利だけを行使しているようにも見えます。書中に「放浪は死の状態を意味する」というような記述があります。







