- 出版社:成文堂
- サイズ:21cm/306p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-7923-1880-2
基本判例に学ぶ刑法総論
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- 税込価格:2,625円(75pt)
- 発行年月:2010.6
- 発送可能日:1~3日
- 本
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商品説明- 「基本判例に学ぶ刑法総論」
因果関係、不作為犯、正当防衛、過失犯、責任論の諸問題、未遂犯、罪数などの基本判例を素材にし、それを理論的に位置づけながら刑法総論を学ぶテキスト。各項目は事案、判決理由、解説で構成。【「TRC MARC」の商品解説】
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ユーザーレビュー- 「基本判例に学ぶ刑法総論」
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2011/10/08 03:28
「この本は山口説押しじゃない、中立だよ」という誤り
投稿者:佐伯洋一(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書が、司法試験の受験生の間でもてはやされているという。その理由を聞いてみると、同一の著者が書いているので体系的にまとまりがあり、安心して使用できること、事案がそれなりに細かく載っており、これだけで判例を勉強することができるというあたりに理由があるようだ。
実際に読んでみると、確かに百選よりかなり詳しく事案が載っている。しかし、随所に山口説的な判例の「読み方」がなされているところが結構ある。普通に読んでいれば気付かないのだが、よくよく見てみると、例えば誤想過剰防衛のあたりが想起される。誤想過剰防衛の場合に、過剰防衛の任意的減軽の規定が適用・準用されるかの問題について、少なくとも石人間小説等の対立に関係するという見解が、有力である。これは、学説の話ではなく、判例が「当然にこうだ」と言い切るような言い方をしているのはどうかと思う。
これを信じ、そのまま書けば受かるんだからいいじゃん、と思うかもしれない。しかし、そういう者はいずれどこかで必ずぼろがでるものだ。試験や議論では、「山口に書いてある」では、なんの説明にもならない。トラの威を借る狐になるだけのことである。
判例はこう考えている、ということについては、いくら時間をかけても徹底的に行わなければならない。くれぐれも、これは学説を検討するとかいう話では決してない。判例の分析を自分でできるくらいの実力があればいいが、そんな者は学者を含めても全国で数えるほどしかいない。有力な学者の考えを参考に分析するのである。特に刑法と憲法はそうである。
つまり、本書一冊でどうにかなるというものではない。まず、決定的に解説が緩いことは、上述の例のほかに枚挙に暇がない。また、百選というのは、受験生や若手にとっての最低の了解事項である。本書の権威がいかに高まろうと、百選を凌駕するものではない。つまり、まず百選である。で、百選をマスターしたうえで、さらに本書を読む必要があるかといわれれば、疑問符を付けざるをえない。
ただし、どうしても百選が肌に合わないという人、山口先生の考え方をちゃんと知っている人ならいい参考書になる。山口先生の考え方を、他の教科書でちゃんと勉強しているという前提ならば、「ああ、山口説ならそりゃそう考えるな。」というように先ほどの例も納得がいくのである。
結局、本書をこれ一冊で試験に臨むための武器に据えるのは、多くの人にとって無理があると言わざるを得ない。あくまで参考書なのではないかと思う。




