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投稿者：ＤＳＫ　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

冒頭から余談で恐縮だが、もしかしたらこの作者は海辺のホテル勤務を本業とする兼業作家なのだろうか。本作の他に前作『義母と隣の未亡人親娘』にも、前々作にしてデビュー作『オフィスの甘い蜜－女上司の贈り物』にも海辺が舞台として出てくることと、ホテルマンを主人公にした作品が２作あることからの推測だが、本作もまた東北の海辺、島を舞台にした風情豊かな作品である。作品を重ねるに連れて質が向上していると思った。

読んでいる時に感じたのが、その熟女度の高さ。ヒロインの年齢が高いのではない。２５歳の主人公に対してメインヒロイン３５歳は決して高くない。しかし、１０年前の主人公中学生時代に交わした先生との秘めた約束にまで遡る設定、逆に１０年間の想いをずっと忍ばせていた同級生の存在、また、主人公とヒロインの当時の関係を後追いするかのような同僚先生の存在。こうした人間模様が折り重なる奥深さと濃密さがぐっと凝縮された熟女感とでも言おうか。しっとりした情感に教師らしくない大胆な言動が時折交錯する物語である。また、情交描写においては、これまた熟女の交わりがてんこ盛りではある。人妻との不倫や職場での情事が本編に入り込むので、実に６人もの女性と関係を持つ主人公だが、しかし、これにより１人１人との関係性が薄まってしまうことは否めず、何よりメインの先生との関係が割を喰っている。さすがにホテルの女将とまではヤり過ぎに感じたので、この部分を先生の方面にまわせば、少々駆け足でやや消化不良に感じたラストの説得力が増したと思う。

実は主人公の他に男、というか少年が１人、少しだけ出てくる。最後には交姦も瞬間的に行われるが、読み手の心情を鑑みた演出になっているので、さほど神経質にはならないと思う。岬ゆきひろ氏の挿絵も作品の熟女度ＵＰに貢献しているが、最後の１点が本編と合っていなかったのが少し残念だった。