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関連キーワード- 「美の幾何学 天のたくらみ、人のたくみ」
ユーザーレビュー- 「美の幾何学 天のたくらみ、人のたくみ」
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2010/10/25 21:13
よくわからなくても楽しい1冊
投稿者:拾得(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、知っている人ならば、泣いて喜びそうな名著の復刊だそうだ(早川文庫のこの「数理を愉しむ」シリーズはやけに気合いが入ってます)。それぞれ著名な、物理学者、画家、数学者による鼎談である。これだけ聞くとなんだか難しそうだが(いや、実際に頭で考えだそうとすると難しい・・・)、図版を眺めるだけでも楽しい本である。
折り紙、タイル、寄木細工、(日本の)紋所・家紋のデザイン、・・・これらに共通する幾何学的な美について、それはそれは楽しく語り合っている一書である。おそらくこの3人は幾何学図形をめでながら、酒のサカナにできるのではないだろうか。「もっと図版を中心にした本があっても」と思って見たら、「そういえば安野さんの本があったか」と思い出した次第(『ふしぎなえ』ですね)。
実用性等からはほど遠い、美と面白さの語り合いに見えて、「幾何学」とは直観や創造性の涵養と密接な関係がありそうなことが示唆される。小学校の教師をしていた安野氏が「算術を幾何学的に解くことを一所懸命教えましたね」といえば、伏見氏は「挿絵のない数学の本なんて考えられない」と断言。幾何学(もしくは図形)とは、理詰めの思考とは違ったかたちで、人の思考を助けるものになるのだろうか。前者が知識の蓄積を前提としたものとするならば、後者は人の思考をそうした蓄積から自由にしてくれるのではないか。そうした視点からの一書が、同じ著者で書かれてもよかったのではないかと感じる。
ところで、この鼎談では「石垣」は話題になっていない。なんらかの規則性を見出すのが難しいから、幾何学の範疇外ということなのだろうか。個人的にときどき不思議に感じるのは、現物の石垣を見て「美しい」と思うことはあっても、絵画等で再現されたものには、ほとんどその美しさを感じないことである。なぜだろう。






