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ロードムービー(講談社ノベルス)

ロードムービー (講談社ノベルス)

辻村 深月 (著)

  • 全体の評価 4.51件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:94527pt
  • 発行年月:2010.9
  • 発送可能日:24時間
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商品説明- 「ロードムービー」

運動も勉強も得意な、学年の人気者トシと、万引きをしたという噂を持つ、気の弱いワタル。親しくなった二人に対して、クラスの雰囲気は冷たくなるばかり。トシまで周囲から孤立してしまい、ワタルも予期せぬ問題に直面する。ワタルを助けたい—トシは、二人で街を出る計画を立てて…。表題作「ロードムービー」他二編に加え、短編「トーキョー語り」と特別書き下ろし「街灯」を収録。【「BOOK」データベースの商品解説】

運動も勉強も得意な、学年の人気者トシと、万引きをしたという噂を持つ気の弱いワタル。親しくなった2人に対して、クラスの雰囲気は冷たくなるばかり。トシは2人で街を出る計画を立てて…。表題作ほか全5編を収録。〔2008年刊の改訂増補〕【「TRC MARC」の商品解説】

収録作品一覧- 「ロードムービー」

ロードムービー 7−92
道の先 93−159
トーキョー語り 161−213

著者紹介- 「ロードムービー」

辻村 深月

略歴
〈辻村深月〉1980年生まれ。千葉大学教育学部卒業。「冷たい校舎の時は止まる」でメフィスト賞を受賞しデビュー。ほかの著書に「スロウハイツの神様」「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」など。

ユーザーレビュー- 「ロードムービー」

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1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2012/02/03 15:20

まだ歩いていける、たとえ道が崩れても。

投稿者:空蝉(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

子供は大人の思っているほど子供ではない。
そんな言葉は今やありふれているし、もちろんそれは一理ある。いや、大いにあることだと思う。
ただ子供を一人の人間として扱うべきだとか、人権・人格の尊重だとか、そういう見方を「してあげられる理解のある大人」とやらがやたら増えていく中で、当の子供はそれについていっているだろうか?と読了後にしみじみ感じてしまった。
子供はいつだって背伸びをしたがる。大人の期待に応え、周りに褒められることに必死になる、自分の弱みを見せずに窮屈そうに平気を装う子供たち・・・彼らは本当に大人が思うほど「子供ではない」のだろうか。
きっと彼らは大人が思うほど子供ではないけれど、自分で思うほど大人でもないのだ。

本編は3つの「道」を表題に冠した短編集だが、道そのものというよりは通過儀礼とでも言うべきだろうか、一つのターニングポイントとなる出奔とその短い旅と、旅の終わりと新たな旅路の物語といえる。
誰かに相談したり頼ったり、教えてもらったり手を引いてもらったり・・・そうした素直さやはけ口をついついなくしてしまいがちな少し大人びた彼ら(彼女ら)は、ここではないどこかに助けを求めて逃避する。
それは実際に家出という逃避行であったり、諦めという自分からの逃げだったり、八つ当たりという投げ捨てだったり、その逃げ方は様々だ。けれど彼らはいつだって助けを求めて叫んでいる。

こと、他より少し頭の良い子なんていうのは特に孤独を感じてしまうものだ。
弁が立つから人の意見を踏み倒してしまうし、頭が良くて何でも出来るからたいてい羨望と妬みの両方の目を向けられる。大人からは過剰な期待をされやすいし、手の掛からない子だと安易な放置をされることも。
けれどそうした全てが彼らを孤独にしていることに、私たちは気がついているだろうか。
だから、この3つの物語に小さな光と道しるべを見つけて欲しい。

ソレは友達かもしれないし、親かもしれない。恋人かもしれないし兄弟や先生、先輩や、時には人間じゃないかもしれないけれど、そんなことはどうでもいい。肝心なのは彼らが互いに全てをかけて全力で駆けつけてくれるかどうかだ。
自分のために泣いてくれた親友、いつか必ず平気になると安心を約束してくれた講師、自分の持っているもの全てを投げ出した友達、
「それが出来るような人間が、この中に何人いると思う?」
そう問いかけた先生の言葉が胸に染みる。これを読んでいる人の中に一体、何人いると思う?そう聞こえるから。

行く道は違うかもしれないし歩むペースもきっと遅かったり早かったり、歩調なんて合わないかもしれないけれど、彼らは同じ未来を目指し、いつか追いつき共に歩める日が来ると知っているから、今は一人で歩んで行ける。

自分ひとりで歩いていけるつもりの道が見えなくなってしまったとき、歩いてきた道が崩れてしまったとき、手を引いてくれる誰かが、道しるべを示してくれる光が有れば彼らも、私たちもまだ歩ける。
そう思わせてくれる作品だった。

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