紙の本
面白かった!
2015/11/29 08:45
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投稿者:ぴーた - この投稿者のレビュー一覧を見る
専門的な内容だと思うのだけれど、書き方が分かりやすく、文系の私にも、楽しんで読むことができました。この本のお陰で、脳について興味が湧きました。
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人生の3分の1もの時間を費やしてまで、ヒトはなぜ眠らなければならないのか。未だ答えが出ないこの究極の問いに、睡眠研究をリードする著者が迫る。睡眠の正体に迫る最新研究を追う。
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寝むる仕組みを解明すると共にその意味も考察している点が面白い。脳の活動を止めてメンテするなんて、コンピューターのデフラグやガベージコレクションとそっくり!睡眠を大切にしよう。
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短眠法など、睡眠に関する書籍はかなりの数があるかと思うが、本書は睡眠と覚醒のメカニズムの説明に焦点が当てられている。本書の”はじめに”での記述にもあるが、
”現時点で確実と思われる知見で最先端の睡眠科学を述べたつもりである”
とのことである。
なので、具体的にどのような睡眠をとれば良いかという事についてはほとんど言及されてはいない。
睡眠を論じるためには、脳についてもある程度の知識を有している必要があるが、本書ではコラムでこれを補っている。
個人的に最も面白かったのは、4章『睡眠障害の研究から生まれた大発見』であった。
覚醒状態を保つのに影響があり、本書でもキーワードとなるオレキシンという物質の発見に至る経緯について書かれているが、その発見に著者が関わっているため、内容にも熱がこもったのだろう。
本書では、睡眠と覚醒の状態を扱うのにあたり、シーソーの例えが用いられる。この例えは、個人的に分かりやすいものだったが、驚いたのはこのシーソー、通常は睡眠側に優位らしいのだ。覚醒の必要があるとき、例えば食料を確保しなければならないときなどに、オレキシンが作用することで、シーソーが覚醒側に下がるそうである。
体の仕組み上、睡眠に優位にできているのだから、会議中に眠たくなっても仕方ないかと居眠りの言い訳を思いついたりもした。
なお、オレキシンは食欲にも関係があるらしく、食後に眠たくなる理由についても見解が述べられている。
別の睡眠関係の書籍で久保田競京大名誉教授の『あなたの脳が9割変わる!超「朝活」法』を先日読んだ。この書籍の中で、6時間半~7時間半の睡眠時間をとっている人が最も死亡率が低いというアメリカの研究成果が紹介されており、7時間睡眠が奨励されていた。『睡眠の科学』でも同研究についての言及がなされていたが、懐疑的な視点が取られていた。
というのも、睡眠時間というのは年齢を重ねることで短くなっていくわけで、となれば長寿の方は睡眠時間が少ないと考えられるが、その点が考慮されていないというのである。
睡眠に関してはまだ未解明の部分が多いので、一つの意見に固執しないほうが良さそうである。
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多くの動物が様々な方法で危険を犯してでもとる睡眠。謎が多いところではあるが、徐々に解明されてきており注目の分野である。
第1章 なぜ眠るのか?
第2章 最新技術で探る「睡眠の正体」
第3章 睡眠と覚醒を切り替える脳のしくみ
第4章 睡眠障害の研究から生まれた大発見
第5章 オレキシンが明かした「覚醒」の意味
第6章 ヒトはどこまで睡眠をあやつれるか
第7章 睡眠に関する日常の疑問と、これからのテーマ
終章 なぜ眠るのか—私の仮設
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夢ってなんだろう?
眠るっとどういうことだろう?
なんてことを少しでも考えたことがある人に是非読んで欲しい本です。
かなり分かりやすく書かれているので予備知識がなくても問題ありません。
ただ専門的な内容に踏み込んでいくのでそういったものが苦手な人は、とりあえず1章2章7章終章を読んでみてください。
きっと眠ることに対する意識が変わると思います。
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睡眠/覚醒という現象を脳の働きに還元し、「なぜ睡眠が必要なのか?」という問いに、機能主義的な観点から答えを出す。
面白いのは、生命活動においては、覚醒している状態より、睡眠している状態の方がデフォルトであるとの説明。
覚醒している時、オレキシンという物質が分泌されるのであるが、これは大脳辺縁系から出力される。大脳辺縁系は情動を司る脳の部位で、感覚系からの刺激に対して、それが「好ましいものか、具合が悪いものか」判断する。これは理性的な判断ではなく、感情的な判断。そして、その判断から行動を起こすために、オレキシンが交感神経を刺激する。「気持ちが昂る」のである。覚醒度はこうして高められる。「食っていくため」「食われないため」に必要な機能である。いわば覚醒とは、緊急事態なのである。
一方で、満腹で安全な時、オレキシンは分泌されない。交感神経は休息し、睡眠に入る。
睡眠はレム睡眠とノンレム睡眠があるが、面白いことに、レム睡眠においては情動を司る大脳辺縁系は活発に働いている。ノンレム睡眠においてはそのような働きは見られない。脳はスリープモードなのである。
このスリープモード中に、覚醒時に膨大な処理をしていた脳が、一旦整理される。そして、レム睡眠に入ると、それらの情報が必要なものかどうかを仕分けする作業に入る。大脳辺縁系が働くのである。夢はレム睡眠中に見るのであるが、この作業の副産物とされる。
睡眠の機能を以上のように説明している。もちろん本書では、様々な実験結果による裏付けがなされている。
脳科学の本を読むのは始めてだったので、見知らぬタームを読むのが辛かった。途中、眠くなったが、情報処理に難儀した私の脳が音をあげて、スリープモードに入ったのか。
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人は人生の1/3を眠って過ごす。日本人男性の平均寿命は79歳だから、約26年間も睡眠に費やす。その睡眠について「オレキシン」を発見した医学博士が科学的に解明する。
ノンレム睡眠とレム睡眠を規則正しく繰り返しており、そのときの脳は全く異なった状態となっている。
【レム睡眠とは】
PCでゆうオフライン状態。
ノンレム睡眠のあと(睡眠後60分~90分程度)おとづれる、脳が活発に活動している状態。しかし、感覚系、運動系が遮断されているため、身体は眠った状態にある。よって、夢は複雑、奇妙でストーリー性のある夢をみることが多い。睡眠8時間のうち、4回程度この状態になる。
【ノンレム睡眠とは】
PCでゆう休止モード
脳の休息時間だと考えられており、消費エネルギーも一日のうち最低となる。
睡眠負債は睡眠によってのみ返済される。よって寝だめはできない。
【睡眠の正体】
1.睡眠を奪うと精神の変調がみられる
2.睡眠を奪うと視床下部の恒常性維持機能の失調がみられる
3.睡眠は記憶を強化する
4.睡眠は絶対にとらなくてはいけないものだが、柔軟性がある
5.ノンレム睡眠とレム睡眠では大脳皮質の活動パターンが異なる
6.レム睡眠では大脳辺緑の強い活動がみられる
7.ノンレム睡眠の深さと長さは、覚醒時の脳活動に影響をうける
脳のメンテナンス
オレキシンによって覚醒状態を安定化しておりデフォルトでは睡眠
血糖値が高いとき(食事後)ではオレキシン作用が抑制され、低いときはオレキシンの作用が活発になる。
オレキシンは「ハングリーな精神を担う物質」
睡眠は労働なくしても神々が与えてくれる。
だが労働すれば三倍も甘味になる。(ウェーベル)
生きることは病気である。
眠りが16時間ごとにその苦しみを軽減してくれる。(シャンフォール)
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睡眠で大きな役割を果たす 脳内ペプチド・オレキシンの発見(1998年)で世界的に有名な櫻井さんの書。
1部では、睡眠のノンレム睡眠と、レム睡眠が交互に訪れ、それが質的に全く異なることを示している(深い、浅い眠りではない)
その上で、2部に偶然発見されたオレキシンの果たす役割、それがないマウスの研究から睡眠の研究が進んだことの報告、3部は睡眠についての問答集(Q&A)の後に、著者の眠りについての個人的な見解を述べている。
出版年も含めて、睡眠の最新研究がわかるので、★5つとした。
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不眠症の私に知人が薦めてくれた、睡眠メカニズムについての解説書。医学博士である著者が、専門家ではない一般の人の為に、これまでの睡眠研究の歴史をかいつまみながら分かりやすく説明してくれる。…はずなのだが、「一般向け」とうたっているわりには正直やや不親切で偏っている気がする。例えば、文中で色々な研究者の名前を挙げる時に全て苗字でしか書いてくれていなかったり(私の尊敬するミッシェル・ジュヴェ氏がただ「ジュヴェ」となっていたり)、本の中で、「レム睡眠の発見」のような睡眠研究史上明らかな大発見についてはほんの数行分くらいしか言及されていない一方で、著者自身がその発見と研究に携わった「オレキシンの発見」については丸々1章分以上のページが費やされていたり。それでも、そういうことを全部含めても、脳の生理的な状態と人間の意識の状態との関係についての理解が深まって、興味深い本だった。
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脳の機能について興味があり、その観点で本書を読みました。睡眠していても脳は活動している。たくさんの知識が得られました。15個のコラムは、基礎的な事から説明してあり、とても参考になりました。
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レム睡眠とノンレム睡眠の違いという基本的なところから、夢の研究、ナルコレプシー、オレキシンによる睡眠を操る試みまで、最新の睡眠科学の状況を知ることができる。
ノンレム状態でも夢を見ているとか、レムが浅い睡眠扱いされるのは間違いなど、今まで知っていたことと違うことも数多く載っており、最後まで興味深く読めた。
メカニズムの説明では、脳科学の難しい用語が沢山載っているけれど、前頭葉のどこかが作用していろんなことが起きていることさえ分かればすらすら読み込んでいけます。
一番大事なレムとノンレムについては何度も説明されるので、わからない人でもついていきやすい。とても書き方が上手い人だなと感じました。
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睡眠に関する内容がほぼ網羅されている.
基本的な事柄から比較的最近の研究内容にまで触れられている良書
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日々のたゆまぬ努力とよい睡眠。脳を成長させ有効につかうための鍵はこの二つであると、あとがきにあります(p.228)。この本を通読すると、睡眠への理解が深まります。この本を通読すると、なんとなくよい睡眠がとれるような気になります。さらに、この本を通読すると、日々のたゆまぬ努力、というありきたりな言葉が、新鮮な輝きをはなつようになります。
全体の構成もよく、図解、コラムも親切。気の利いたエピグラフで小休止。専門用語で一般読者を路頭に迷わせないような工夫が随所にちりばめられているところなど、品の良さを感じます。
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「寝るだけで夢がかなう仕事術」を読んで、そもそも睡眠ってなんだったんだっけ?と思い、Amazon探したらヒットしたので買って読んでみた。
これ読んでも、睡眠とは何か?という疑問に決着がついているわけではないんだけど、「高度な脳を持つ生物は必ず眠る」「睡眠は省略できない重要な機能」らしい。記憶の整理や脳の環境整備(シナプスの最適化)やらをやっているらしいんだけど、まだはっきりとはわかってないらしい。
ノンレム睡眠(脳も活動休止)とレム睡眠(脳は活動)とは全く異なる性質の睡眠。漠然と、レム睡眠は浅い眠り、位に思っていたから、へぇーと思うことが多かった。