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真珠湾攻撃総隊長の回想 淵田美津雄自叙伝 (講談社文庫)
『永遠の0』百田尚樹氏激賞! 感動の書である。戦争の持つ勇壮さと哀しみを知る戦士こそが、慈愛の真の意味を悟るのかもしれない。海軍機動部隊の精鋭360機を率いハワイ奇襲作戦...
真珠湾攻撃総隊長の回想 淵田美津雄自叙伝 (講談社文庫)
真珠湾攻撃総隊長の回想 淵田美津雄自叙伝
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商品説明
『永遠の0』百田尚樹氏激賞! 感動の書である。
戦争の持つ勇壮さと哀しみを知る戦士こそが、慈愛の真の意味を悟るのかもしれない。
海軍機動部隊の精鋭360機を率いハワイ奇襲作戦を陣頭指揮し、ミッドウェー海戦で重傷を負い、原爆投下直後の広島で被害調査に従事し、厚木基地にマッカーサーを迎え、ミズーリ号での降伏調印式に立ち会った淵田美津雄は、戦後キリスト教に回心し仇敵アメリカへ伝道の旅に出る。激動の時代を生き抜いた男の真実とは。
<オアフ平原を通して、真珠湾が見えて来た。「隊長、真珠湾が見えます」と松崎大尉は、息をはずませて報告して来た。「ウン、見える。松崎大尉、針を南に変えて、バーバース岬にもって行け」この指示を与えると、私は双眼鏡をとって真珠湾を注視した。いる、いる、三脚マスト、籠マストの戦艦どもである。私は1つ、2つ、3つ……と、目で追って胸で数える>――<本文より>【商品解説】
目次
- はじめに
- 第一部 その一日のために
- 第二部 トラトラトラ
- 第三部 暗転
- 第四部 帝国の落日
- 第五部 占領の名の下で
- 第六部 回心
- あとがきにかえて
- 主要参考文献
- 淵田美津雄関連年表
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"神のサムライ” 淵田美津雄
2010/12/26 11:00
6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:CAM - この投稿者のレビュー一覧を見る
淵田美津雄氏は、真珠湾攻撃総隊長として日米開戦に参画、その後もミッドウェー海戦での負傷、原爆投下直後の広島、長崎の視察など劇的な体験を重ねた。そして、ミズーリ号艦上における降伏調印式にも立会っている。 すなわち、開戦の幕を自らの手で開け、日本軍の終末をも見届けるという稀有な経験をしている。さらに、戦後は日米両国などでキリスト教伝道者として活動するという経歴をたどった人物である。 映画『トラ・トラ・トラ』において田村高広がその配役を演じていることによって、その名は一般的にも周知されてはいたものの、その詳しい経歴については、2007年12月に本書が講談社から刊行されるまでは、必ずしも十分に知られていなかったのではないだろうか。
かく言う評者も、かねてからミッドウェー海戦についての有名な著作(下記A.)を読んではいたものの、本書によって氏の詳しい経歴を初めて知った。そして、本書によって、淵田氏と自分とが多少の私的縁があることを発見したこともあり、その後、淵田氏についての著作については出来る限り入手して読了した。
淵田氏に関する主な著作としては、本書のほかに下記のようなものが挙げられる。
A. 『ミッドウェー』淵田美津雄他 (学研M文庫)
B. 『機動部隊』淵田美津雄他 (学研M文庫)
C. 『真珠湾攻撃』淵田美津雄 (PHP文庫)
D. 『真珠湾のサムライ 淵田美津雄』甲斐克彦(光人文庫)
E. 『真珠湾攻撃隊総隊長 淵田美津雄の戦争と平和』生出寿(徳間文庫)
F. 『淵田美津雄 真珠湾攻撃を成功させた名指揮官』星亮一(PHP文庫)
G. “GOD’S SAMURAI” Gordon Prange
G.は、プランゲ博士による関係者への周到なインタビューに基づくもので、淵田氏についての書物の決定版と言えるものであるが、翻訳はなされていない。プランゲ博士が、多くの軍人の中であえて淵田美津雄氏についてだけ独立した著作を行ったという事実だけでも、淵田美津雄氏が探求に価する人物だということを示していると思う。
上記の内、現在において(BK1で)入手できるのは、(Gを除けば)A.B.D.だけである。D.は相当程度G.に依拠している。
本書では、山本大将凡将論も興味深いが、トルーマン元米国大統領が、淵田氏に対して「真珠湾事件は両者有罪だよ」「いまに史実として両者有罪であることが明らかになるだろう」と、米国についても“guilty”という表現を用いて語ったということも注目するべきであろう。
本書は本人自身の手になる手記という意味で貴重なものであるが、編者によると、本書に収められたのは原稿の7割程度であるとのことである。全体を公開するべきであったのではないだろうか。
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数奇な人生
2016/09/01 01:18
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:親譲りの無鉄砲 - この投稿者のレビュー一覧を見る
何という劇的で数奇な人生であろう。太平洋戦争時の日本にあって劈頭の真珠湾攻撃の飛行隊長を任され、歴史的打電「トラ・トラ・トラ」(ワレ奇襲ニ成功セリ)を行った人が、戦後キリスト教に入信、その上、渡米して伝道活動を長期にわたって行った。本書はその淵田氏による戦前戦後の個人史である。本書が良質であるのは、氏の「夏は近い」と題した未完の草稿を編集した中田整一氏の功績も大きいといえる。章末ごとに付け加えられた中田氏の解説文は、自伝とより一般的な戦中戦後史の橋渡しとして、読者の理解を助けるものである。
歴史には、教科書的な記述で構成されるマクロな視点と実際に歴史事実に関わった人々の記憶・証言に基づくミクロな視点からのものがある。本書は後者に属す文献だが、著者が、当時の日本の置かれた国際的な状況等を調べなおしている努力の跡がしっかり見られ、バランスのとれた記述となっている。
海軍高級将校としては、真珠湾攻撃以後も、ミッドウェイ海戦で負傷、レイテ戦での小沢艦隊囮作戦の実質的立案、原爆投下直後の調査団参加による広島・長崎入市、終戦直後の厚木航空基地反乱、戦艦ミズーリにおける降伏調印、東京裁判への出廷など、数々の重要な場面に直接立ち会っている氏の証言はそのまま歴史の一級資料になっている。だが、キリスト教伝道者として渡米したときに出会った、アイゼンハワー、トルーマン、ニクソン、ニミッツ、マッカーサー、ドゥリトル、ビリー・グラハムなど綺羅星のごときアメリカの著名人との交遊はさらに圧巻である。立派な民間外交大使である。なお、淵田氏に劣らず、彼らも一様に、戦争時の恩讐をあっさり超えて、フランクに淵田氏を遇し得た場面では、彼らの精神空間の自由度の高さに感心した。ただ、氏の生来の心根の明るさに起因するものなのであろうか。「回心」に至る心の葛藤については、本人の筆になると意外とさらりと書かれてしまっており、読者には今一伝わりにくい感じがする。が、それは氏が文章稼業を生業としていない分、割り引く必要がある。確かに、関東学院等で英語教師兼チャプレンだった宣教師コヴェル夫妻が、フィリピンで日本兵により惨殺されたにもかかわらず、その娘マーガレットが、アメリカの日系人収容所で献身的ボランティア活動を行ったということを聞き知り感動した事、ドゥリトル隊の爆撃手だったディシェイザー氏との邂逅を果たしたことが如何に宗教的に重い事実だったかについては、説得力がある気もする。公言はしていないが、例えば、戦時中のこととはいえ、真珠湾攻撃では約三千人のアメリカ人の命を奪ったという歴史事実があるわけで、これについて個人の人間が如何に対峙できるか、という精神的危機が、恐らくは淵田氏を苛んだことは間違いないからである。
淵田氏は、パウロ的「回心」を果たしたにもかかわらず、海軍将校だった自分の「輝かしい」キャリアを全否定しているわけではない。だから、渡米伝道は、アメリカ人に対する謝罪の旅ではなかった。日米両国民とも、ルカ書「父よ、彼らを許し給え。その為す処を知らざればなり。」の「彼ら」に他ならず、お互いに神に許しを請わなければならない、という存在だから、という信念によるものであろう。つまり、氏は、密かにキリスト信仰という精神的武装をしての第二のアメリカ奇襲を敢行したともいえる。まことに、本書が次世代につなぐ平和啓蒙の書として広く読まれることを希望する。
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名将を愚将と言った攻撃指揮官
2022/08/28 16:34
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かずさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「トラ・トラ・トラ」と発信した真珠湾攻撃飛行隊の総隊長であった淵田中佐の自伝。死去後30年を経て世に出た2,000枚の原稿を基に編じられている。真珠湾、ミッドウェー、被爆後の広島・長崎調査。生き残った者の書いた手記は読み手を魅了する。前半と戦後の後半では書き方が変わってくるのは著者の心境の変化を表しているのではないか。名将と言われた山本長官を機動部隊の運用では愚将と称しているし、レイテ沖海戦での栗田艦隊の反転も的確に理由を述べている。戦後、キリスト教の洗礼を受けアメリカに渡り宣教活動を行った行動を批判した兵学校同期。しかし自分を曲げず耐えながら活動したキャプテン淵田。戦争を体験した本当の軍人だったからこそ書けた自叙伝ではないだろうか。
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一人の男の真摯に生きた記録
2010/12/02 21:12
6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:k-kana - この投稿者のレビュー一覧を見る
真珠湾攻撃の英雄が、戦後には一変してキリスト教に回心し、アメリカをはじめ世界中を飛び回り伝道の日々を過ごす。本書は、真珠湾攻撃の総隊長・淵田美津雄の自叙伝を、中田整一が編集し解説を加えたものである。大きな曲折があるが、一人の男の真摯に生きた記録であることは間違いない。
ルカ伝の一節、「父よ、彼らを赦し給へ。その為す処を知らざればなり」に触れたとき、淵田は突然の啓示をうけたという。アメリカ人女性マーガレット・コヴェルの両親(宣教師)が日本軍に殺されたときの、その最後の祈りが分かったのである。「彼らを赦し給へという彼らの中に、お前も含まれているのだぞ」と。
戦後間もなくの、マーガレット・コヴェルやドゥーリトル東京爆撃隊の一員であったジェイコブ・ディシェイザーとの偶然の出会い。これらをとおして、淵田は憎悪と復讐の連鎖を断ち切ることの啓示をうけたのだろう。
軍人にとって最高のバイブルであった「軍人勅諭」の価値観も、それによって支えられた軍隊という組織も、根本から否定されてしまった。茫然自失のなかで、しかも多くの戦友や部下が死んでいったのに自分だけが生き残ったことへの慚愧の念。戦後の荒波のなかで、何を精神的な支えとして生きていけばよいのか。こういった心の悩みを掘り下げ、思索し続けていたのだ。
本書の主人公・淵田美津雄は奈良県の四方を深い山に囲まれた小さな村に育った。閉鎖的な山村を脱出して洋々たる海へ、東郷平八郎に続こうと海軍へとすすむ。幹部への登竜門である海軍大学校甲種学生の超難関試験を突破する。
当時、航空機は飛躍的な威力躍進の時代をむかえていたが、日本海軍は日本海海戦の呪縛からぬけきれず、大艦巨砲の夢を追いつづけていた。そんなとき淵田は突然に真珠湾攻撃――山本五十六のアイデア――の総指揮官の命をうける。2カ月前のことだ。
真珠湾攻撃では独立した6隻による空母艦隊を編成した。旗艦赤城や加賀など航空母艦6隻を一つの艦隊に集中し、空母と航空機の数を増すことにより集中運用の柔軟性と打撃力、防御力の強化をはかったのだ。着想は世界を一歩ぬきんでていた。
続くマレー沖海戦では、プリンス・オブ・ウェールズを撃沈する。航空威力の前には戦艦はもはや沈むだけの存在でしかなかった。真珠湾とマレー沖の戦訓は、いち早くアメリカを目覚めさせて、空母主力の大機動艦隊創建へと、アメリカ海軍の建て直しにとりかからせた。しかし日本海軍は、かえって航空威力に反目し依然として戦艦主力の艦隊決戦の夢を追っていた。これは、やがてミッドウェーの壊滅的敗退へとつながる。
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