「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
- カテゴリ:一般
- 発売日:2010/12/01
- 出版社: メディアファクトリー
- レーベル: メディアファクトリー新書
- サイズ:18cm/189p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-8401-3661-7
紙の本
働かないアリに意義がある (メディアファクトリー新書)
著者 長谷川 英祐 (著)
働きアリの7割は休んでいて、1割は一生働かない。しかし、働かないアリがいるからこそ、組織は存続できるという。これらの事実を発見した生物学者が、社会性昆虫に関する最新の研究...
働かないアリに意義がある (メディアファクトリー新書)
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
働きアリの7割は休んでいて、1割は一生働かない。しかし、働かないアリがいるからこそ、組織は存続できるという。これらの事実を発見した生物学者が、社会性昆虫に関する最新の研究成果を、人間社会に例えながら解説する。【「TRC MARC」の商品解説】
関連キーワード
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
著者/著名人のレビュー
働きアリの7割は休ん...
ジュンク堂
働きアリの7割は休んでいて、1割は一生働かない。
アリの生態を巧みに経済問題へ結び付けた生物学。
書店員レビュー
本書は、アリやハチ...
ジュンク堂書店福岡店さん
本書は、アリやハチなどの真社会生物の世界について人間社会で例えながら書かれていました。
アリというとすべて勤勉に働いているイメージがあります。しかし、アリの中にもちゃんと個性があり、働かない不真面目なアリが存在するというから驚きました。
働かないアリの中でも、他のアリより反応が鈍いために上手く働けないなんとも可哀想なアリと一生働かないとんでもないアリがいるそうです。上手く働けないアリでも、内勤(巣の中の仕事)や外勤(エサ探し)の人員欠如など不測の事態が発生した時、コロニー(アリ社会)がうまくまわるために存在意義があるそうです。
かわいいイラストが時々あり、面白おかしく書かれていたので読みやすかったです。私も誰かの役に立てるように人間社会で(!)頑張ろうと勇気をいただいた本でした。
担当 キン
紙の本
社会システムが複雑になると「ただ乗り」も増えるなんて・・・。身につまされる話です。
2011/01/14 17:02
19人中、17人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
誰にでもちょっと魅力があるタイトルではないでしょうか。「働かないでいい」という言い訳にも使えそう、とか。帯には「7割は休んでいて、1割は一生働かない」とあり、さらに「身につまされる最新生物学」。「身につまされる」というところが気になります。
主にアリの社会性行動の話なのですが、人の社会現象にもつなげてあるので身近に感じられ、ひきつけられてしまいます。といって「面白おかしい」書き方ではありません。平易ですが誠実で好感の持てる文章なので、結構真面目に考えさせられてしまいました。昆虫の行動の研究がかなりヒトの行動を説明できるところに来ていると感じます。
アリの場合、普段休んでいる「7割」も結果的には「いざと言うときに働く力になる」という形で集団が長く存続する力となると考えられるそうです。その説明に使われている「反応閾値モデル」という言葉は、説明を読むととても納得できるものでした。例に使われているのは人間集団の掃除の話です。「掃除しなくちゃ」と思う程度(閾値)には人により差がある。普段は一番綺麗好きな(閾値が低い)人ばかりが掃除することになるが、その人がいなくなってしまう(例えば卒業してしまうとか)とその次に我慢できない人が始める・・・。結局最後まで掃除しない(閾値が極度に高い)人もいるわけですが、「人により差がある」ことで全体が上手く機能する(この場合は「どんな集団でも誰かが掃除してきれいにする」)という結果がおきる、というのです。これは、私自身の実体験にもとても符合しています。
でもこれ、その集団としては上手く機能するかもしれませんが、「割りを食う個体はいつも先に割りを食う」。働いている個体の立場からみたらちっとも「上手い」とはいえないですよね。やっぱり身につまされます。
こういった身近な行動の中にも、ヒトにも昆虫にも共通する原理があるというのは、わかってみるとやっぱり感動でした。
もちろん、アリでは説明できるけれどヒトにはそのまま適用できない話もあります。アリはハチなどと同じく、女王アリが産んだ子供で構成され、しかもオスは「染色体がメスの半分」という社会。働きアリ(メス)にとっては姉妹と兄弟の価値が違ってしまうというところがある。そんな話も、わかりやすいので「じゃあ、人間だったらどうだろう」と考える材料提供に充分なってくれます。
集団で生きて行く事が有利だったから集団を維持する様々な行動システムが生まれてきた。本書の最後に近づくにつれ、そのことが良くわかってきます。
しかし「メリットあればデメリットあり」。システムができると、うまく「ただ乗り」をするものが入り込む隙間も多くなる。実際のアリの社会にもある、というのは驚きです。人間社会の複雑化したシステムは、人間社会を広げたけれど「ただ乗り」も増やした、ということは考えれば思いつくことがたくさんあるところ。ほんとに「身につまされる」話です。規則をつくればつくるほど・・、という苦労はほんとにたくさんころがっていますもの。
アリの社会の研究から、著者はいろんなことを人間社会に引き寄せて考えさせてくれました。それでもまだまだ「理論」の矛盾はあるし、わからないこともたくさんある。理論にあてはめるだけでなく、説明できないことがあれば理論自身も再考していく。「まだみつかっていないこと」を示すのが学者、と書く著者の姿勢に誠実さを感じます。
表題に戻ります。「働かないアリに意義がある」は確かに正しいのでしょうが、これを「働かない言い訳」に使っては「複雑化したシステムのただ乗り」でしょう。今の人間社会を考えると、「働きたいけど仕事がない」といったケースもある。「働かない」と「働けない」とはまた違う・・・。なんだかやっぱり「身につまされる」話です。
紙の本
働かないアリになれたらいいな?
2015/09/28 22:46
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タヌキネコ - この投稿者のレビュー一覧を見る
アリの研究者がみいたした「働かないアリに意義がある」。読み物としては大変面白いですが、人間社会で働く一個人としたら「頼むからもう少し働いて!」と具体的な身近な人のことを思い浮かべてしまったりして、いささかつらいです。
紙の本
組織の完成形のひとつ
2015/09/02 00:00
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:setsua - この投稿者のレビュー一覧を見る
単純な効率論から言えば働かないアリは確かに無駄である。しかしその場合不測の事態一つでそのアリの巣のアリは全滅である。
組織のあり方、ひいては政府のあり方までアリから学ぶことは多くあると感じました。
紙の本
働かないアリに乾杯!
2015/01/28 12:11
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:桑畑三十郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「働きアリの2割は働いていなくて、その働いていない2割を取り除くと、今まで働いていた8割のアリの2割がまた働かなくなる。」
そんな研究結果が、養老孟司氏の本や、マンガ「気まぐれコンセプト」に取り上げられた。なぜこんな奇妙なシステムが存在しているのだろうか。
一見無駄に思えるこのシステムを本書はわかりやすく面白く解説してくれる。それは実に理にかなったものであった。わかりやすくいえば働いていない働きアリはサッカーのサブのようなもので、働いていたアリが疲れた時の交代要員なのだ。全員が働いていると疲れた時に交代するアリがいなくなる。それを避けるための合理的なシステムだった。さすが社会性昆虫、無駄な進化はしていません。
今働きたくても働けない人たちも、世の中がピンチになったらあなたの出番だから、そのときを待とう!
紙の本
感想から言うと、働かない個体の存在意義は、理性的には理解できるけれども感情的には理解したくないということです。
2011/07/10 17:07
9人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:龍. - この投稿者のレビュー一覧を見る
感想から言うと、働かない個体の存在意義は、理性的には理解できるけれども感情的には理解したくないということです。
組織論などで「8:2」の法則というものがあります。すなわち組織では8割の人間が働き、それ以外の2割の人間は働かなくなるというものです。本書でもアリを使った実験で、それが実証されているそうです。
組織全体としての効率を考えると、働かないアリがいたほうがよいという結論です。組織全体が働き者ばかりであったら、組織として疲労がたまり反対に効率が悪くなるということで説明されています。
経営者の立場からすると、とてもそれを容認することは難しいのも事実です。全員が一生懸命働く組織が強くなるというごく当たり前の理由からです。しかし、長期的な視点から言うと、働かない人も必要だということなのです。
そのほか気になったところ・・・
「お利口な個体ばかりいるより、ある程度バカな個体がいる方が組織としてはうまくいくということです。」
アリの例では、エサへの道筋を間違った結果、偶然にもそれが最短ルートであることなど、偶然の成功をするのはバカな個体であり、結果として組織にとってよいこともあるのです。
優秀な人は間違いを犯さないけれども、偶然の成功ということも可能性が少ない。その偶然の成功をするのは、組織内で優秀ではない人であるということです。
どの議論を見ても、長期的な視点や組織としての考え方として、働かない個体・バカな個体の存在意義はあるというのは理解できます。
しかし一方で、そういう働く個体の組織への貢献にただ乗りする、働かない個体・バカな個体が組織内である一定割合を超えると、その組織自体が壊れてしまうという例も紹介されています。
会社の経営者が、優秀で働き者ばかりの組織にしたいと思いながら経営をするのは当たり前ですし、そうすべきです。しかし、その時に働かない社員がいたら、この本を読んでイライラを解消させるというのも一法だと思いました。
龍.
紙の本
面白い
2015/11/09 06:22
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:elfin - この投稿者のレビュー一覧を見る
蟻の生態についての本かと思っていたら、人間社会にも通じることがいろいろとあって、思わず頷きながら読んでしまった。
紙の本
科学っておもしろいね。科学者もおもしろい。
2011/06/14 08:03
9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:のちもち - この投稿者のレビュー一覧を見る
話題になっていたけれどもなかなか入手できなかった本。タイトルから(勝手に)創造して、「働かない」=効率を求めない働き方の意義、というビジネス寄りなものを期待しつつ...内容は、ほぼ「そのまんま」、アリの生態についての科学読み物でした。けれど、おもしろい。アリ=働き者のイメージがあるけれども(幼少時の刷り込みって恐ろしい)、実は働かない働きアリが存在するという。表面的な知識で、「そのような種は絶滅に至るのでは」と考えてしまうが、さにあらず。科学者は「反応閾値」という言葉を使っているが、刺激に対して反応する段階が異なる種が混在するコロニーは長く継続するそうである。つまり幼虫の世話など、すぐに対応しなければいけない行動を起こす者、それには刺激を感じずにコロニーの補修に行動を起こす者、それぞれが反応する場面が異なる、そしてそれゆえに、普段は「働かない」アリがいざという時の「リリーフ」として存在する。ハチが蜜を見つけた時に、そのターゲットの容量によって、動員する集団数が変わってくる。これにも「働かない」意義が見いだせる。獲物が少ない時は少ない集団で(その時は「働かない」部隊が存在する)、大量にあるときや、先鋭部隊が疲労している時は、「リリーフ」が投入される...一見「働かない」非効率がクローズアップされそうだが、この仕組みにより、「全体効率」が保たれるわけだね。すごいねー。生物学っておもしろい。
一時期著者たちの研究に対して、「この人たちってひまだよね」的なコメントがあったらしい。著者はそれを見て「笑ってしまった」ということだが、ひまそうに見えて、その実、結構大事なことをしているのかもしれないよ。「働かない」とは言わないけれど、「今」は無駄に思えるようなことでも、どこかで何かにつながっている可能性はある、というか少なくないんじゃないかな。つまりは「無駄なことはひとつもない」ということだよね。
意識的に行動しているわけでもないし、女王は存在しても、階層社会ではないアリ、ハチが、「社会」を構成して、そして維持し続けている、というのは、何かそこにあるんだと思う。人間のように「個」の意味合いは強くないのかもしれないけれど、コロニーあるいは種全体の最適化がなされてきているんだろう。「進化」しているわけだよね。生殖についても「遺伝子を次世代に残す」という原始的な(人間の見方ですけれど)意味合いが強く反映されているけれども、速度は別として、彼らも「強い」種を残そうとし、そのシステムが続いているわけなので、いつか遠い未来に、アリが進化しているのかもしれないね。
当初の目論見「ビジネスに活かす」は、読んでいくうちにどうでもよくなりました。生物学を真剣に熱く極めようとしている著者が、ある意味うらやましい。学者さんなのでもちろん文書は「先生」っぽいですけれど、少年のように「熱い」です。熱さを感じました。
【ことば】...人間が動物と異なる点は無駄に意味を見出し、それを楽しめるところにあるのではないでしょうか。
「ひまな人たち」とコメントされた科学者が言うことだけに重みがあります。無駄ってなんだろう。効率ってなんだろう。あまりにも「効率」重視の歩き方って、つかれるよね。余力のある進み方、これがポイントなんだろうと思う。
紙の本
働かないアリがいることが、合理的な仕組み。
2012/01/27 23:49
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:c-1 - この投稿者のレビュー一覧を見る
比喩ではなくて、純粋な、アリやハチの生態に関する内容でした。「普段働かないアリも、周囲の忙しさによって、働き始める。この仕組みで全体が効率よくなる」というお話。生物に興味がないと(読むのが)苦しいかも。