「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
- カテゴリ:一般
- 発行年月:2011.5
- 出版社: 講談社
- サイズ:20cm/218p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-06-216977-6
読割 50
紙の本
半島へ
著者 稲葉 真弓 (著)
その春、「私」は半島に来た。森と海のそば、美しい「休暇」を過ごすつもりで—。たったひとりで、もう一度、人生を始めるために—。川端賞受賞の名作「海松」を超えた、究極の「半島...
半島へ
半島へ
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
その春、「私」は半島に来た。森と海のそば、美しい「休暇」を過ごすつもりで—。たったひとりで、もう一度、人生を始めるために—。川端賞受賞の名作「海松」を超えた、究極の「半島小説」。【「BOOK」データベースの商品解説】
【谷崎潤一郎賞(第47回)】【親鸞賞(第7回)】その春、「私」は半島に来た。たったひとりで、もう一度、人生を始めるために−。東京を離れ、志摩半島を望む町で暮らし始めた中年女性が、孤独な暮らしのなかで見つめたものは?【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
稲葉 真弓
- 略歴
- 〈稲葉真弓〉1950年愛知県生まれ。「エンドレス・ワルツ」で女流文学賞、「声の娼婦」で平林たい子文学賞、「海松」で川端康成文学賞、芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
書店員レビュー
『半島の生活』。
ジュンク堂書店三宮店さん
半ばは思いつきで、半ばは説明できない確信に導かれて、「私」は半島での暮らしを始める。これまで定期的には訪れていた。半島に土地を購入し、自分の家を建てたからだ。
風光明媚な半島の自然とすぐ近くにある森の神秘に囲まれて、日々の生活が淡々と、簡潔な文章で綴られる。時には家のそばの沼で埋められたボートの舳先に「舟の来歴」を思ってみたり、年老いた母を招待して、一緒にホタルの群れを見たり。
小説の中ほどから、重点は「私」の内面へと移る。不法投棄のごみの山とそこで起こった悲惨な事件への思いをきっかけに、若くして自ら死を選んだ親友のこと、肉体の老いに対してそれを認めようとしない精神とのギャップや、いくら住んでいるとはいっても、「地元」の人たちとは心底打ちとけ合えない「よそもの」の感覚、どんどんとネガティブな感覚が「私」を埋め尽くしてゆく。
でもこれは最初から分かっていたことではないか、それをこれまでは隠しておこう、若いつもりでいよう、などと無理をしてきたのではないか、どこにも落ち着けない、さまよう魂の行き場はどこにあるのだろう。
最後に「私」はある決断をするが、それを導いてくれたのは「半島」の自然であり、「森」の生活だったのだと思う。二十四節気の暦に彩られた季節の移り変わりと、それぞれの事情で移り住んできた「ご近所」の人たちとのふれあいの賜物だと。
紙の本
身近
2018/05/07 22:42
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:テラちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
東京で暮らしていた「私」が、三重県の志摩半島に居を移す。その最初の一年を、古くからの住人、あるいは同じように新しく移住してきた人々との交流を中心に描く。著者自身、愛知県の津島に生まれ育ち、上京したのち志摩半島に終の棲家を求めた人だけに、本書は私小説ともいえるし、文体がやや硬いながらエッセイとも受け取れる。一年間の季節の移ろいを、二十四節季に合わせて描くアイデアは面白いが、温暖化の昨今、志摩半島といえど、実際の季節とのズレは踏まえるべきだろう。