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紙の本
僕が大人になったら 若き指揮者のヨーロッパ孤軍奮闘記 (PHP文庫)
著者 佐渡 裕 (著)
「大人になったらベルリン・フィルの指揮者になりたい」▼小学校の卒業文集に書いたその夢を叶え、2011年5月、ついに世界最高峰の指揮台に立った著書。本書は、いまや『題名のな...
僕が大人になったら 若き指揮者のヨーロッパ孤軍奮闘記 (PHP文庫)
僕が大人になったら
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商品説明
「大人になったらベルリン・フィルの指揮者になりたい」▼小学校の卒業文集に書いたその夢を叶え、2011年5月、ついに世界最高峰の指揮台に立った著書。本書は、いまや『題名のない音楽会』などでもおなじみの著者が、若き日に欧州の名門オーケストラに単身挑み、世界的指揮者へと成長していくまでの記録。▼突然の曲目変更で徹夜、ひと癖もふた癖もある天才演奏家に苦悩、プレッシャーで眠れぬ夜……さまざまな壁にぶつかりながらも、夢に向けて努力を続ける姿がみずみずしく描かれており、ファンならずとも大きな勇気をもらえる1冊。文庫オリジナル。▼「このエッセイを書いていた時代というのは、いよいよ僕がヨーロッパというクラシック音楽の本場を舞台に、さまざまな世界中のオーケストラと出会い、時には肩肘張ってでも、『なんとか指揮者としての仕事をやっていけるぞ!』と、自分に言い聞かせていた時だったように思います。数々のヨーロッパのオーケストラを相手に、無我夢中で頑張っていたこの数年間がなければ、今の自分はなかったでしょう」(「まえがき」より抜粋)【商品解説】
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紙の本
コンサート鑑賞の参考になりました
2024/03/08 11:45
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:本屋ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
指揮者の人がどういう思いで演奏に臨んでいるか?、クラシックの著名な作曲家やウィーンのオーケストラホールの歴史・裏話、バーンスタインや小澤征爾さんの考え方など、今まで知らなかったことを知ること頑張れでき、これからのコンサート鑑賞が楽しみになりました。文章もとても読みやすかったです。
電子書籍
佐渡裕が、好き
2023/04/26 20:16
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぼちゅ - この投稿者のレビュー一覧を見る
クラシックファンですが、佐渡裕は好きな指揮者の一人です。
この本は一気に読みました。
佐渡裕の内面を知ることの出きる本だと思います。音楽ファンでなくても、読んでみて欲しいと思います。
紙の本
様々な示唆に富んだ一冊
2015/03/22 22:23
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:おるふぇ291 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「僕いか」(「僕はいかにして指揮者になったのか」)よりも日記帳的な記述で、音楽雑誌への連載を取り纏めた一冊。
ブザンソン国際指揮者コンクールで優勝してから、フランスを皮切りに、ヨーロッパ各地での指揮者活動を進める中でのエピソードが数多く盛り込まれている。
佐渡さんとは奇しくも同い年であるが、私がバブル期とそれに続く苦難のサラリーマン生活を送っていた時期と、世界的指揮者への挑戦を積み重ね、子どもの頃からの夢であった「ベルリン・フィルを振る」を実現する直前までのことが、時にユーモアたっぷりに描かれている。勿論全く異なる世界であるが、そのいずれもが今の私には堪らなく愛おしい。
最終章で「大事な才能」として挙げている3項目は将にその通りと思うし、「自信とは」の定義付けにも甚く感心した。
紙の本
世界を広げ、高みを目指し
2011/06/27 23:53
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:木の葉燃朗 - この投稿者のレビュー一覧を見る
佐渡裕氏が、1997年~2001年に雑誌『CDジャーナル』に連載したエッセイをまとめたもの。当時佐渡氏は30代後半から40歳になろうという年齢。パリを拠点としつつ、ヨーロッパ各地、日本と飛び回り、多くのオーケストラを指揮し、様々なコンサートを企画し開催していた、多忙な時期の記録(もちろん、佐渡氏は今はもっともっと多忙なのだけれど)。
その様子から感じることは大きくふたつ。ひとつは、なるべくたくさんの人にクラシック音楽の魅力を知って欲しいという思い。例えばこの本の中で紹介されている「ヤング・ピープルズ・コンサート」。佐渡氏の恩師であるレナード・バーンスタインがアメリカで放送し、多くの音楽家を生むきっかけになったという子ども向けテレビ番組を、佐渡氏流にアレンジしたコンサート。またこの本が書かれた後の現在のことだが、テレビ番組『題名のない音楽会』の司会を担当していることも、そうした思いの表われだろう。
ただ大切なのは、あくまで本物の音楽を多くの人に広めたいということ。佐渡氏はこれについて、「クラシック音楽はワインと似ていると思う」(p.29)という例えを挙げている。「評論家のような人たちが知識を誇示していて、しかも偉そうに威圧してくるあまり一般市民が敬遠しがちになってしまう」(p.30)状況があり、「思慮の足りない売り手やマネージャーたちが、『これは飲みやすい』『聴きやすい』『リーズナブルなお値段で』『肩のはらない』……やたら一般市民に受けようという姿勢が丸見えのコピーをつける」(p.30)という。佐渡氏は、このようにクラシック音楽に詳しくない人に啓蒙的であることも、迎合することも良しとしない。
その思いの原点のひとつと思われるエピソードが、この本の中で紹介されている。ファゴット奏者の九内秀樹氏との大学時代の思い出。ある日酒を飲みながら、吹奏楽出身で交響曲には明るくなかった九内氏は、佐渡氏に「チャイコフスキーの五番って知ってるか?」(p.76)と聞いたという。この曲を聴き飽きるほどに聴いてきた佐渡氏にとってはあたりまえの質問で、「バカにした意味も込めて『あったりまえやろ!』」(p.76)と答えたらしい。しかし佐渡氏は、チャイコフスキーの交響曲第五番の魅力を語る九内氏の言葉に感動し、自分は純粋に音楽を語ることが出来なくなっていたことに落ち込んだ。そしてどうしたか。音楽と関係ないアルバイトを始め、クラシック音楽に興味がない人たちに、音楽の魅力を伝えるようになったという。これは印象的な話だった。
そしてもうひとつは、自らの夢のため、絶え間なく研鑽を積み重ねる様子。まえがきで、佐渡氏が小学生の卒業文集に書いた将来の夢が紹介されている。「大人になったらベルリン・フィルの指揮者になりたい」(p.7)。このエッセイが書かれた当時、それはまだ実現していなかったが、佐渡氏は「僕は今もこの夢を追い続けています」(p.7)と書いている。それからおそよ10年が経った2011年5月、佐渡氏がついにベルリン・フィルを指揮したことは記憶に新しい。クラシック音楽の世界を広げる努力とともに、自らが認められる努力も怠らなかった証拠だろう。クラシック音楽の演奏家や指揮者の中には、クラシックを幅広い層の、多くの人に聴いてもらうことに熱心で、自らを高めることに甘くなっているように見える人もいる。現状を維持する方が安定しているし、楽だという面もあるのだろう。しかし、佐渡氏はあきらめずに新たな挑戦を続けていたことが、この本に残っている活動の記録から分かる。
玉木正之氏の解説に、次のようなエピソードが紹介されている。かつて、山本直純氏が小澤征爾氏に「自分は音楽の裾野を広げる。お前は世界を目指せ」(p.303)と言い、実際にふたりはそれぞれの方向で成功を収めた。それくらい、「裾野を広げる」ことと「世界を目指す」ことの両立は困難なのだろう。しかし、佐渡氏はその両立を実現している。そのすごさと素晴らしさを、改めて感じる。