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2011/5/13 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
2014/2/10〜2/16
芸術探偵シリーズ第一弾。エコール・ド・パリの作家達とその歴史的意義を述べながら、密室殺人の謎を解いていく。探偵役の神泉時瞬一郎のキャラも良く、読者への挑戦状もあるなど、古き良き時代の探偵小説の趣きもある。犯人は当たったけど、動機、方法は全然違った。シリーズ続編も楽しみである。
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メフィスト賞受賞作家のシリーズ作、芸術探偵シリーズの
第一弾作品。1920年代、フランスのパリで悲劇的な生涯を
送った画家達...エコール・ド・パリを主軸にしながら、その
画家達の生き様と作品を、単純に知的好奇心を満足させる
作品としての側面と、その作中作とも言える、「呪われた
芸儒家たち」の章を伏線にしつつ、ミステリとしての好奇心を
満たす本格推理小説という、別の側面も待つ、実験的で
アクロバチックな作品。
その割には、案外、どちらの読み物としても
読み易く、しかも面白いというのは、なかなかの
力作ではないでしょうか? 基本的に全く興味の無い
絵画...しかも、どちらかというと超マイナーな画家たちの
作品や生涯にも充分面白く、興味深く読めます。
今作ではさほどメインとなって事件を解決するような
活躍を見せなかった探偵役の「瞬一郎」にやや肩透かしを
食った感があるのと、メインとなる画商の殺人事件が
繋がった形で露になる他の事件との関連が、どうもイマイチ
不自然に見えてしまった...というミステリ面での満足度が
個人的には...あと一歩っス。贅沢かしら?
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う~ん…はっきり言って面白いとは思わなかった。登場人物のキャラクターというか、発言があまりうまくないと思う。
というか、大癋見警部のキャラが嫌いすぎる
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読者への挑戦状も付いてて、久しぶりに血がたぎったんですが、うーん…これはちょっとアンフェアくさいぞ(笑)。
肝心のミステリーも「芸術蘊蓄」に比べると、地味さが際立って消化不良。脇役な筈の警部の灰汁が強すぎて、キャラは弱くない筈の主人公が霞んでしまったのも残念。
メフィスト作家の描く主人公って、どことなくステレオタイプだよなあ…。
ただ、各章の冒頭に差し込まれた《被害者が書いた評論》は面白かった。絵画に全く興味のない私でも、思わずネットで絵を検索しましたからね^^本編よりもこっち推しな作風で書けば、更に面白くなったかも。
※以下は《被害者が書いた評論》の要約・抜粋なので信憑性は保証できません^^;
※私が超気になったのでまとめてるだけですよ〜
●エコール・ド・パリ(1910〜20年代)
一人一派の絵画/明確な定義は不可能/蜂の巣《ラ・ルッシュ》という長屋に住み着いた外国人中心(キスリングはモンマルトル)/芸術家の実人生と芸術作品に対する評価の相関関係の考察
●アメディオ・モディリアーニ
不遇の天才(線の単純化・構図の不安定さのバランス)/詩人・画商の友人ズボロウスキーの援助/一度だけ開催された個展では一枚も売れず裸婦像が押収されただけ/最晩年に得た名声/貧窮の中で病に倒れる(享年35)/画商達は絵の高騰を見越して援助しなかったという説/絵のモデルで妻になったジャンヌは夫の死の二日後に自殺
●ハイム・スーチン
モディリアーニが認めた才能/毀誉褒貶が二分/不快感を与える作風/極貧/成功後も先鋭化する作風/ナチスから逃げ回り胃潰瘍で死亡
●ジュール・パスキン
乱痴気騒ぎを好むプレイボーイ/遊興費を稼ぐ為に画商好みの作品を濫作/個展前日に自殺
●キスリング
社交的な成功者
●モーリス・ユトリロ
幼少からの飲酒癖/治療の一環として絵筆を取る/詩的な街並みを切り取る天才/結婚後は周囲に言われるまま若い頃の作品を模写〜晩年の作品の評価低落
●藤田嗣治
おかっぱ頭にロイド眼鏡/隠れた努力家/乳白色の肌の色の秘密/戦意高揚の絵を手掛け、戦争責任を仲間達に追及されそうになり、画壇に失望した藤田はフランスに帰化
悲劇的な生涯を送った画家たちの絵に心を奪われ続けた有名画商が、密室で殺された。死の謎を解く鍵は、被害者の遺した美術書の中に潜んでいる!?
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神泉寺瞬一郎シリーズ
密室で殺害された画商・暁宏之。被害者の血が塗りつけられた閂の謎。殺された番犬のドーベルマン。被害者の人間関係の捜査。隊長の不良を訴えていた宏之。彼がコレクションしていたエコール・ド・パリの画家たちの絵画に隠された秘密。使用されたカドミウム入りの絵具。暁宏之の夫人でありかつての天才少女画家・小笠原龍子。庭師であり知能の障害のある勘平の自殺。捜査主人の海埜刑事の甥・神泉寺瞬一郎の推理。
2011年9月19日読了
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物語に美術史論が差し込まれて交錯する。
美術史論部分と物語の雰囲気のギャップ
に感じた違和感は、最後まで拭えず…。
ですが、中盤以降は面白く読めました。
世界を股にかけるフリーター素人探偵が
活躍する別の話の方に興味が湧きました。
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「トスカの・・・」より後に読んだ。多少地味ではあったかもしれないが、内容的にはこちらのほうがもしかしたら納得できたかも。ただ上司の寒いギャグには、主人公同様に読者も辟易しているので、もう少し後ろに下がっていただければ、と思う。
「BOOK」データベースより
エコール・ド・パリ―第二次大戦前のパリで、悲劇的な生涯を送った画家たち。彼らの絵に心を奪われ続けた有名画商が、密室で殺された。死の謎を解く鍵は、被害者の遺した美術書の中に潜んでいる!?
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各賞で大注目
本格ミステリ界期待の新鋭による
芸術探偵シリーズ第一弾!
呪われた画家たちの作品が、不可解な密室殺人事件を引き起こす――。
「エコール・ド・パリ」というのは定義することのできない、第二次世界大戦前にパリで活躍した「一人一派」の画家たちの総称を示す。
彼らの残した絵に魅せられた有名画商が密室で殺害された。
事件にあたるのは海埜刑事と、彼の甥・神泉寺瞬一郎。
めちゃ面白い傑作です。
それは「あとがき」でも触れられているように、作中作が美術評論として優れているだけにとどまらず、
事件の謎を解く重要な手掛かりにもなっていることや、
二重に塗りこまれた絵画の手法、また事件も二重の構造になっていることが、
それ自体も巧妙に書かれている「読者への挑戦状」などに見出せるものと思います。
そして何よりも本書のテーマが「人間を単純に善と悪に割り切ることはできない」という本質を持っているからではないでしょうか。
ミステリ:☆☆☆☆☆
ストーリー:☆☆☆☆☆
人物:☆☆☆☆☆
読みやすさ:☆☆☆☆
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登場人物の大げさな言動がちょいちょい鼻につくけど、マニアでもなんでもない自分的には、ミステリとしてはとても楽しめた。だんだん毒漬けにして、みたいな手法とか、火サスか昼ドラみたいな感じするけど、絵画とか芸術を絡めることによって、チープさからは逸脱してると思うし、人間関係の描写についてもよくできていると思いました。
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おもしろかった~。
作中作含めて楽しめた。作中作単体でも充分おもしろいのに、それがまたミステリ的なネタにつながってくる辺り二度美味しいです。親子とはまた違う伯父である海埜と甥の瞬一郎のやりとりもよかった。
本格ミステリとしては話の展開やトリック等がやや小粒な感じがするけど、芸術ミステリとしてみれば文句なしにおもしろかったです。
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『エコール・ド・パリ殺人事件』を読了。
エコール・ド・パリに魅了され続けたある有名な画商が密室で死んでいるのが発見された…窓には被害者の血が…。自殺なのか、それとも他殺なのかーー。
メフィスト賞受賞作家、深水黎一郎の芸術ミステリシリーズ第一作。
エコール・ド・パリとは、第二次大戦前のパリで、悲劇的な生涯を送った画家達のこと。
本作はそのエコール・ド・パリを題材にしてはいるが、それらについての知識が全くない人が読んでも大丈夫。何故なら、各章の最初にエコール・ド・パリについて書かれた作中作が数ページ載っているからだ。
そして、その数ページの中に事件の重要な手掛かりまでが載っている。
エコール・ド・パリについて学べると同時に、事件の手掛かりまで探ることができる……これはいいアイディアだったんじゃないかと思いました。
前述の作中作には手掛かりのほぼ全てがあると言ってもいいかも知れない。
もちろんそれらを読み解いただけでは解決には至らない。密室の謎なんかは全然解らなかった。
芸術ミステリシリーズ第一作は絵画の勉強も多少できて得した気分になった(読んだのはしばらく前になるので結構忘れてしまったが)。このシリーズ、機会があれば続きも読んでみたい。
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「芸術探偵シリーズ」第1弾。
印象派やフォービズムのように、流派の名を挙げることで
絵画作品の特徴が分かるようなものではない、エコール・ド・パリ。
画家ひとりひとりに特徴があり、同じエコール・ド・パリに分類される
画家同士でも全く意趣の異なる絵を描いていることも。
そんなエコール・ド・パリの画家及び彼らの作品にスポットを当て、
その特徴を紹介しつつ殺人事件とその解決の至るまでの経緯を
うまく絡めながら展開させたミステリ。
犯人は、、、まぁ分かりやすいでしょうか。
ミステリ好きな人にとっては。
謎の部分もどこかにあったものの組合せだしね。
ただ、2人目も死者の方は全く分からなかったなぁ~
芸術(絵画)に全く興味が無い人には、各章の冒頭部分など
読むのが辛い部分もあるだろうし、明かされる動機についても
しっくりこないこともあるだろう。
だけど、そのあたりを差し引いても良質なミステリだと思いました。
ひさびさにページをめくる手を止められなかった。
シリーズ続編も読むつもり!
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設定や密室トリックに既視感がありますが、作中の美術評論「呪われた芸術家たち」が解り易くて面白いですし、謎を解く鍵として役割をしっかり果たしているところが秀逸です。凶器の意外性や犯行動機の特異性など、著者のセンスを感じさせる作品でした。
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エコール・ド・パリのことなんか、何も知らなかったけれど、興味深く読めた。
本当の凶器が分かった時、怖いな、と思った。
何か悲しい話だった。
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エコール・ド・パリという言葉は初めて聞いた。アンリ・ルソーもそうだったのか。個性的すぎて、彼らの絵は好みじゃないな…。
ちゃんとした推理小説。謎を解く人の印象はうすかったけど。何故密室を作るのか、それにも応えてくれている。