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消費税か貯蓄税か

  • 出版社:朝日新聞出版
  • サイズ:20cm/198p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-02-330945-6

消費税か貯蓄税か

白川 浩道 (著)

  • 全体の評価 51件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:1,68048pt
  • 発行年月:2011.9
  • 発送可能日:24時間

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商品説明- 「消費税か貯蓄税か」

消費税増税は百害あって一利なし。景気回復と財政再建の二兎を追う「貯蓄税」を導入せよ! 気鋭のエコノミストが、消費や所得(フロー)ではなく、余っている富裕層の貯蓄(ストック)に課税する税制を提案する。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介- 「消費税か貯蓄税か」

白川 浩道

略歴
〈白川浩道〉1961年東京都生まれ。クレディ・スイス証券マネージング・ディレクター、経済調査部長兼チーフ・エコノミスト。博士(政策研究)。著書に「危機は循環する」など。

関連キーワード- 「消費税か貯蓄税か」

ユーザーレビュー- 「消費税か貯蓄税か」

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6人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2011/10/19 04:21

ナショナリズムの悪用は困る

投稿者:良泉(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 東日本大震災からの少しでも早い復興を!というかけ声とともに、いまこそ国民みんなが痛みを分かちあい協力していかないと、という雰囲気が充満している。
 このこと自体は大いに正しい。いまこそ、正しい意味でのナショナリズム高揚が期待されるところである。
 しかし、この痛み分けをどこでするか、となった時、急に話が軽はずみになる。
 政府は、手っとり早く、しかも確実に“金が取れる”ものとして消費税増税をさかんに言う。なんせ、これだと新しい仕組みづくりとか組織づくりとかほとんど必要ない。いまある消費税の税率の数字部分をちょっと書き換えれば足りる。“金を取る”側にとって、もっとも楽で安易な方法である。
 しかし、それが本当に、いまベストの方法なのか。
 本書によると、総合誌の世論調査では、「六割程度の人々が消費税増税を容認している」との結果が得られるそうである。政府及び財務省の作戦勝ちと言える。言い換えればナショナリズムの悪用。
 まんまと雰囲気に乗せられ、賛成させられてしまった人たちは、今一度じっくり考えて欲しい。消費税増税は、個人個人の支払い増分だけの負担増では決して済まないことを。
 消費税増税は、必ず、まず、生活弱者から痛めつける。高額所得者にとっては小さな負担でも、日々ギリギリの生活をしている者にとっては、耐えられない大きな負担となる。そして、必ずや日本経済を沈滞させる。
 いま、本当に復興財源の手当として増税が必要なのか、ほかの調達手段があるのではないか、との議論はいまは置く。どうしても増税が必要であるとした時、ではどこから“取る”べきか。
 本書では、税金の持つ原理として次の三つをあげる。「応能原理」「応益原理」「機会の平等」である。
 税負担能力の高い者が多くの税負担を行うことが社会的に公正であるという「応能原理」。
 政府サービスをより多く受けている者が多く税を払うことが社会的に公正であるという「応益原理」。
 社会に参加した後の行動は自由だが、社会参加の機会については平等であることが望ましいという「機会の平等」である。この「機会の平等」の考え方に基づき、富裕層の資産を低所得層に再配分することは正当化されている。
 増税するなら、お金の余っているところ、とりあえず困らない部分から取り、社会的な便益が再配分されるような形が望ましい。
 そういう意味では、本書で著者が提案する貯蓄税も、大いに議論されるべき。
 金の無い者にはびっくりするような数字であるが、いまの日本には民間資産が4100兆円あるそうだ。うち企業が持つ金融資産と非金融資産(固定資産)が約1700兆円、家計の金融資産と非金融資産が約2400兆円。このだぶついた部分に対して課税することは、しごく妥当なことに思える。お金を稼いだり、使ったり、というフローの経済活動への課税を据え置き、過去からの蓄積であるストック(資産)への課税強化を行うというものだ。
 もともと、これら資産は、お金の回りを悪くし、今の日本の経済状況を悪くする原因となっているもの、これらに対して課税することは、「インセンティブからペナルティーへの発想の転換」になる。「経済に弊害をもたらすものにペナルティーを科す」ことになる。
 新しい制度を起こすには、いろいろ弊害もあろう、しかし、今のように、ほとんど国民に情報も来ないまま、“悪いノリ”でみんなが消費税増税に顔を向けるようなことは、いま最も避けるべきことなのである。

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