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筆者が物理学科の修士(総合文化研究科の博士修了)で指揮者という変わり種?(失礼!)。
後半は飛ばし読みしたが、現代音楽に到達する前までの音楽の歴史の解説が良かった。
巻末のリスニングガイドも良い。いくつか聞いてみたくなった。
この部分の歴史がなんとなく判るのが嬉しい。
(1)音楽のルーツ 9世紀か10世紀
・カール大帝の神聖ローマ帝国
グレゴリオ聖歌
教会建築様式 ロマネスク
・背が低く窓がないドーム状
→よく響くため、シンプルな旋律が
基本
(2)12世紀後半
教会建築様式 ゴシック
(イスラム由来)
・ガラス・金属を用い、高さ30、
40m、幅も広く、広い空間
→ エコーがほとんどないため、
人工的な 響きを持たせるた
め複雑な構造
−>和音も生み出
(3)バロック 17世紀末から
・音楽の父バッハ
・独:激しく転調
(伊:転調が少ない) フーガ。
→多くの農民が招き入れられたた
め残響 が短くなったため、
退屈を回避するため。
・転調->平均律(1オクターブの音
を均等な周波数で分割)
ex) レの周波数はドの9/8倍
平均律では和音が少しにごるが、
残響がすくないドイツの教会では
気にならない。
この平均律を追求することで、音楽
の構造そのものを確立した(音楽の
父たるゆえん)。
伊:ヴィヴァルディ
・教会はロマネスクをベースとする
ルネッサ ンス様式のため、響く。
したがって、転調が少ない。
(4)古典派
→後世19世紀後半のドイツ
人が古典派と名づけた
・音楽の大衆化(ポップ化)
ベートーベンが筆頭 ソナタ形式
(主題:序奏、提示部、展開部、
再現部、終結部)
(5)ロマン派 19世紀
・物語のある音楽
チャイコフスキー、ブラームス
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11.08.08-11.08.13
日経ビジネスの連載や twitter での書込がなかなか面白いので買つた本。著者は、東大の物理学科を出た音楽家といふ、型に嵌らない経歴の持主。
ネット上では本の評価は余り高くないやうだ。話が散漫である、事実関係が不正確である、といふのが主な理由だ。最近のツイートの説教口調が気に入らない、といふ人達もゐるのかも知れない。
特異な経歴の音楽家が自らの音楽観を語つた本で、音楽史学者の著作とは性格が異なる。知識には不正確な部分があるかも知れないが、自らの経験を基礎とした意見には一貫したものがあり、好感が持てる。近代の音楽についての情報が多いのも、バッハ、モーツァルト、ベートーベンくらゐしか聞いたことがない身には有難い。
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この本でクラシックに入門するのは難しいと思われます。話は飛ぶし、この本のCDのライナーノートについてかかれてあるとおり、素人の方には読んで音が想像できない言葉や文章が多い。おまけに体系だった説明でもないので、とっかかりがないと思う。そしてクラシック音楽をよく知る人は、読んでいてクラクラすると思う。間違いか事実誤認のような個所が数多くある。自分のブログにもざっくり書いたが、何人かの方もそれについてブログを書いておられるのを見つけた。そういうのを楽しむために買うのも良いのかも。
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あちこちでこの本の感想やレビューを目にする度に、買う気が失せる・・・・・。
そういう本ってえのも、久々だな~~~。
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クラシックで人生が深まるなんて1ミリも考えていないのだけど、どこかのレビューで興味を持って読んだ。ブーレーズとシュトックハウゼンの弟子という、現代音楽の申し子みたいな経歴の人の本。すごく簡単な音楽史半分、面白ウンチク半分といった内容でした。悪くはなかった。
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■クラシック音楽をこれから聴いてみようかと思って、手に取った本。語り口は、ですます調+「~ですよね。」等で、親しみやすい印象。
■古典派以前、古典派、バロック派などの区分と、作曲家のカテゴリーを一覧表にしたら、頭が整理できてもっとよくなると思う。
■楽器に関する章では、楽器の成り立ちなどが出てくる。非常に興味深い内容で面白いのだが、写真があればもっと楽器がどのように変化したかわかってよかったと思う。
■最後のページにある「50年楽しめるリスニングガイド」は保存版。
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昔ピアノでクラシックを弾いてましたという程度の知識で読みました。
クラシックの名前の由来など前半部分は面白く読めたが、だんだん退屈になっていった。
(音楽史には興味が無いのだ)
出てくる人名、曲名ともに聞いたこともないのが多くて読めなくなっていったのだと思う。
有名な曲や作曲家などに興味を持ち、そこから周辺知識を広げていきたいと思った。
文体としては、読みやすいはず。
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素晴らしい!
東大卒の博識の指揮者でもある著者のクラシック入門書。
非常に分かりやすく、音楽に関する幅広い知見の中から面白いエピソードを散りばめています。
著者は東大理学部物理学科を卒業し、東大の大学院で理学系研究、および文化研究博士課程修了。
現在は脳認知生理学に基づく音楽表現の国際基礎研究プロジェクトを推進されておられます。
音楽はその作曲者の意図を理解するならホールで聴くべきだとありました。
正にその通りで、演奏される場所が土壁の教会なのか広い教会なのかによってバッハは曲作りを意図してたという説には非常に感銘を受けました。
ひいては現在の音楽についても言えます。
作曲者の本来の意図を理解するなら、スピーカーで聴くのではなくホールにて残響音や音の出場所を含めて感じるのがよいとしてます。とくに、ワーグナーやマーラーは作曲の創意工夫が音響にあるとのこと。
CDからでしかワーグナー、マーラーは聴いたことがないので、一度ホールで聴いてみたくなりました。
その他、分かりやすく作曲家や歴史についても言及。
自信を持って星五つを付けられる本です。
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クラシックという音楽分野について、違った視点を与えてくれる本です。著者のことは、不勉強で十分理解していなかったのですが(すみません)、感銘を受けました。
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なるほどーと、勉強になった。
知ってる曲、好きな曲ばかりではなく、いろんな曲を聞いてみようと思った。
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大学では物理学を修めた作曲家・指揮者である著者が、「こんなきれいな音楽があるなら…」、「音楽は心を入れる」、「震災後に勇気を沸かせた」とクラシック音楽へいざなう。
難解な数式ではなく、自身にある日突然響いた「弦チェレ」の体験、最初はネット動画のつまみ食いでも良いと敷居が低い。
一方、時代とともに移ろう、建築様式や宗教との関係、楽器の起源や録音技術など、理詰めで納得の行く解説の密度・レベルは高い。
巻末に是非ライブで聞いてほしい12作品とともに、著者の私的な音楽遍歴ともいえる127の推薦作品ガイドが載り、音楽への愛が満載の本。
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入門とあるが、結構奥深い。教会の建築様式がロマネスクからゴシックに変わったことや、宗教革命によって教会に大勢の人々が入り音が吸収されるようになったためにモノフォニーからポリフォニー(ドイツバロック)へ移行したとか、フランス革命によって芸術がキリスト教から解放され、魔女や妖精を取り入れた物語のある音楽(ロマン派)への移行した、といった歴史的背景は興味深かった。
また、擦弦楽器の中に入っている魂柱やチェロやコンバスのエンドピンが音を響かせる重要な役割を果たしていることや、舞台から効果的に音を聞かせるために様々な工夫がなされていることも知ることができた。
<関心を持った曲>
フランク:交響曲ニ短調
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入門書ほど正確を期していただきたい。ホントは星なんか付けられない、トンデモ本。
P.25:バッハのカンタータやオラトリオなどの教会音楽は、「死」を正面から見据えてつくられています。
→そんなこと断定できない。
P.31:バッハの《ゴールドベルク変奏曲》は、もともと、不眠症の王侯貴族が安眠用に作曲させたものでした。
→今では諸説有
P.34:一般的な西洋音楽史の本を開けば、その歴史は《グレゴリオ聖歌》から始まったとされます。
→その前に音楽はなかったというのか、ギリシャは?
P.50:実は《第九》のシラーのテキストには「空を複数の太陽が駆け巡る」という一説があります。
→本当?
P.68:イタリアとドイツでは、そもそも低音の呼び名からして違います。イタリア語では「バッソ・コンティニュオ」、通奏低音と呼ばれます。コンティニュオは英語の「コンティニュー(続く)」と同じですから、まさに「通奏」です。それに対して、ドイツ語は「ゲネラルバス」、ジェネラルつまり「一般的な低音」です。
→はぁ?
P.73:バッハが愛用した「平均律」的な調律でした。
→大嘘
P.77:バッハ自身はプロテスタントですが、カトリック教会からの作曲依頼も受けました。なかでも一番有名なのは《ロ短調ミサ》でしょう。
→これは異なことを。新説か?
P.242:一人の少年によって発見され、彼の手になる革命的な奏法でよみがえったのが、バッハの《無伴奏チェロ組曲》だったのです。
→どこから引用したの、こんな話。
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2021/2/25
序盤の、「中絶を考えていた女性がバッハに感動し、この素晴らしい音楽がある世界に子どもを連れてきたい」という話には読者の僕も感動。音楽は心に語りかけるもので、映画『ショーシャンクスの空に』では文化と隔絶された人々の心にも音楽が響くんだ!ということが強調されている。
僕自身、素敵でありつつも過酷なことが多いと感じるこの世界で子どもをつくることの責任を時々考えるが、この世に人の心を震わせる音楽がある限り、それは肯定されるべきことなのかもしれない。
メモ
ポップスがカバーする範囲は心全体の1.2割
→ ちょっと言い過ぎ、かな
ブラームス交響曲第4番の冒頭からも、過ぎ去り帰ってこない人生、残された日々への愛惜と焦燥という人間の真実の声が聞こえてくる。
桑田佳祐も美空ひばりも難しい音楽。細部に神が宿る。
声に出して歌い、ピアノで弾いて、音楽が元来求める姿を掴む
ベートーヴェンは超力を失ったが自身の声は聴くことができた
→ 第9の合唱 「おお、友よ!こんな(器楽の)音ではない、もっと心地よい響きに歌声を合わせようではないか!」
好きな曲は鼻歌で歌う、口笛でも
ベルリンフィル→プロテスタント(合理的) ウィーンフィル→カトリック(瞑想的) それぞれで運命を聴き比べ
第9はオスマン帝国の楽器であるシンバルやトライアングルを使っていて、ウィーン包囲も考えると喧嘩を打っているよう
イタリア→カトリックでロマネスク建築が多い。小さいので音が響く→単旋律で転調を多用できない。
ドイツ → プロテスタントでゴシック建築。大きいので音が響かない。
イタリアの低音はバッソ・コンティニュオ→通奏低音
ドイツはゲネラルバス
プロテスタントのオランダが早い時期に海を制したのは地動説に基づいた正確な海図を作れたから
→ ポルトガルスペインは大航海時代を率いたが、地動説禁止という足枷から天体観測が発達せず衰退
英雄の最終楽章はフーガ
ワーグナーは「前奏曲と愛の死」