紙の本
小学生におすすめ
2020/05/17 13:27
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投稿者:シロクマ - この投稿者のレビュー一覧を見る
あぜ道でひろった卵からかえったのは、カモのクリとゴマ。やさしい家族にひろわれて、育ち、旅立っていくお話。
私が小学生の時、図書館で借りてからお気に入りで、サンタさんにプレゼントしてもらいました。
生き物が好きな小学生や、読書感想文におすすめです。
紙の本
カルガモフェチに捧げる書
2013/01/12 21:19
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投稿者:Tucker - この投稿者のレビュー一覧を見る
ある日、子供達が家に持ち帰ってきたのは、6個のカルガモのタマゴ。
近所の田んぼのあぜ道にカルガモの巣があったのだが、大雨で巣は流されてしまい、カルガモ母さんも姿が見えない。
そのままではカラス等の餌食になるか、腐ってしまうかのどちらか。
もうすでに2個はカラスに食べられてしまっている。
そこで、残ったタマゴをひろってきたのだった。
本来、野鳥を飼うことは禁止されているが、「リハビリ」という名目で、育てる事になった一家の物語。
いずれ必ず野生に返す、という約束のもとに・・・
本書は2012年夏の小学校中学年向けの課題図書。
動物園で飼育されているカルガモのヒナを見て以来、カルガモ好きになったので、前から気になっていた本。
真っ先に思い出したのはコンラート・ローレンツ「ソロモンの指環」(早川書房)の”ガンの子 マルティナ”のエピソード。
図らずもハイイロガンの育ての親になってしまったローレンツ博士の奮闘記だ。
マルティナは昼は2分おき、夜は1時間おきに親の「存在確認」をする。
ここでうっかり応答を忘れようものなら、マルティナは必死の形相で騒ぎ出す。
そのため、ローレンツ博士は、やがて寝言で応答できるようになった、と書いている。
クリとゴマの場合も同様だったらしい。
(夜中にも鳴いたかは定かではないが、同じカモ科なので、似たようなものだろうと想像している)
2羽の成長の様子は、読んでいて、思わずにやけてしまう。
黙っていてもカルガモが後をついてくる、というのは、カルガモ好きとしてはうらやましい以外のなにものでもない。
ただ、いくら写真を見て、説明されてもクリとゴマの区別はつけられなかった。
著者も、時々、クリとゴマを間違えていたのでは?と思う。
が、やがて、この2羽の「個性」の違いに気がつく。
クリは好奇心旺盛だが几帳面で臆病、ゴマは少々のことでは騒がない、のんびり屋でくいしんぼう。
カルガモのヒナ目当てに動物園に通っていた時も、ヒナ達は、最初、カルガモ母さんの後をついていくだけだったが、そのうち、「母親べったり派」と「そっちのけ派」に分かれていたのをなんとなく覚えている。
面白いのは、人間の子供の「反抗期」に相当する時期があったということ。
成長して、だんだん力がついてくるので、一人(一羽)でいろいろやりたいが、経験がないので、なにかと不安、という時期があるのは人も鳥も同じなのだろか。
世話が大変でも、楽しい日々はあっという間に過ぎ去り、やがて、野生に返す日がやってくる。
この類の話では「お約束」かもしれないが、別れのシーンは、やはり悲しい。
が、クリとゴマは、その後、(別々に)一度だけ「里帰り」をする。
クリとゴマを離した遊水地から著者の家までの道程は知らないはずなのに、なぜか家の場所を正確に知っていた2羽。
まるで飛べるようになったから、挨拶に来たかのように。
その後、著者は、遊水地で口笛と鳴き声で「挨拶」をかわすようになる。
最初のうちこそ、姿も見せたが、そのうち声だけに。
次第に疎遠になっていくが、それはクリとゴマがカルガモ社会に溶け込んでいった証。
望んだとおりの結果になったのだが、寂しさは隠せない。
著者は、世話になった獣医に
「今度から野鳥が保護されたら里親になって欲しい」
と冗談交じりに言われたとき、
「とんでもない」
と、すぐに断る。
それは「世話の大変さ」と同時に「別れのつらさ」があったからかもしれない。
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身近なようで、でも、そんなに詳しくは知らないという動物って、意外に多いのではないかなぁ。
子どもたちにも、ぜひ読んでほしい本です。
なかがわちひろさんの優しい目線もだけど、息子のゲンくんが、ほんとの動物好き、ここまでできるってすごいなぁ。と思います。
第58回読書感想文の課題図書・中学年
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『クワガタクワジ物語』のカルガモ版と聞いて手に取りました。クワジよりももっと低学年の子にも読める良いノンフィクション本だと思います。ある日著者の息子ゲンくんが拾ってきたカモの卵、生まれたのは可愛いカルガモ「クリ」と「ゴマ」。どこへ行くにもついてきて、寝る時は二匹いっしょ。愛らしい写真とイラスト付きでとても楽しく読めます。著者(お母さん)の観察による、カルガモの性格の違いや中学生時代(ちょっとした反抗期?)も面白い。可愛いさだけではなく、生き物を育てる大変さ(死なせてしまった他のヒナのことや糞などの異臭、そして自然界に戻す訓練と別れる時の難しさ)も描いてくれています。とにかく写真が豊富で眺めているだけでも楽しいです。ふり仮名付なので読める子は低学年から手にとれる本だと思います。
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前途有望な動物好きのゲンくんの活躍ぶりが良い。野生の生き物に対してどこまで人が関わっていくのか?悩ましい問題ながら、とてもバランスの良い距離感で接している中川ファミリーの様子が著者のかわいい挿絵と共に楽しく描かれ、また学ぶところも多かった。
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だんだんと、大人になっていく。
それはとても嬉しくて、だけど少し、寂しくて。
なんで、なかがわちひろさんが書いてるのかなって最初思ったんですよね。
どこかであったお話を、なかがわちひろさんが文章にしてるのかと思ってた。
でもそうではなくて、これ本当に、なかがわちひろさんの家であったことなんですね。
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流されそうになっていたカモの卵を拾ってきて、家庭で育てた飼育記録。読み物としても文章がよく、興味を持って読み進められる。クリちゃんの可愛い姿にエールを送りたくなる。24年度読書感想文コンクール課題図書
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6月の大雨で流されたカルガモの巣。全部で8個のうち、救出できた6個。卵で死んでしまったものが2個、暖めてヒナにかえったのが2個。
児童文学作家のなかがわちひろさんの本当の体験。子どもたちと野生のカルガモを育て、野生に帰すまでを描きます。
2012年読書感想文課題図書
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平成24年読書感想文課題図書(中学年)。
大雨に流されそうになったカルガモの卵を保護し、孵化させ、野に帰す、本当にあったおはなし。
卵は最初全部で8つあった。内2つはカラスにつつかれてひびが入ったり割れてしまっていた。最終的に孵化したのはたったの2つ。それがクリとゴマ。
写真もたくさん載っていて可愛かった。
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いっぱい泣けたー。小学3年生の課題図書(?)でこんなに泣くなんて。作者のなかがわちひろさん、お世話がんばったなー、わんこ飼ってて子育てしててお仕事してて、それでカモのお世話。すごいなー。うちの裏の川にもカモがいて、人を怖がらないで後ろくっついて歩いてきちゃう子がいたけど、もしかして赤ちゃんの頃、人に育てられたのかしら?
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ある日、子供達が家に持ち帰ってきたのは、6個のカルガモのタマゴ。
近所の田んぼのあぜ道にカルガモの巣があったのだが、大雨で巣は流されてしまい、カルガモ母さんも姿が見えない。
そのままではカラス等の餌食になるか、腐ってしまうかのどちらか。
もうすでに2個はカラスに食べられてしまっている。
そこで、残ったタマゴをひろってきたのだった。
本来、野鳥を飼うことは禁止されているが、「リハビリ」という名目で、育てる事になった一家の物語。
いずれ必ず野生に返す、という約束のもとに・・・
本書は2012年夏の小学校中学年向けの課題図書。
動物園で飼育されているカルガモのヒナを見て以来、カルガモ好きになったので、前から気になっていた本。
カルガモのヒナ目当てに毎週のように動物園に通った時期があったが、今にして思えば、よく熱中症にならなかったものだと思う。
小学校中学年向けなので、写真やイラストも多く、字も大きめなので、あっという間に読めてしまう。
真っ先に思い出したのはコンラート・ローレンツ「ソロモンの指環」(早川書房)の”ガンの子 マルティナ”のエピソード。
図らずもハイイロガンの育ての親になってしまったローレンツ博士の奮闘記だ。
マルティナは昼は2分おき、夜は1時間おきに親の「存在確認」をする。
ここでうっかり応答を忘れようものなら、マルティナは必死の形相で騒ぎ出す。
そのため、ローレンツ博士は、やがて寝言で応答できるようになった、と書いている。
クリとゴマの場合も同様だったらしい。
(夜中にも鳴いたかは定かではないが、同じカモ科なので、似たようなものだろうと想像している)
2羽の成長の様子は、読んでいて、思わずにやけてしまう。
黙っていてもカルガモが後をついてくる、というのは、カルガモ好きとしてはうらやましい以外のなにものでもない。
ただ、いくら写真を見て、説明されてもクリとゴマの区別はつけられなかった。
著者も、時々、クリとゴマを間違えていたのでは?と思う。
が、やがて、この2羽の「個性」の違いに気がつく。
クリは好奇心旺盛だが几帳面で臆病、ゴマは少々のことでは騒がない、のんびり屋でくいしんぼう。
カルガモのヒナ目当てに動物園に通っていた時も、ヒナ達は、最初、カルガモ母さんの後をついていくだけだったが、そのうち、「母親べったり派」と「そっちのけ派」に分かれていたのをなんとなく覚えている。
面白いのは、人間の子供の「反抗期」に相当する時期があったということ。
成長して、だんだん力がついてくるので、一人(一羽)でいろいろやりたいが、経験がないので、なにかと不安、という時期があるのは人も鳥も同じなのだろか。
世話が大変でも、楽しい日々はあっという間に過ぎ去り、やがて、野生に返す日がやってくる。
この類の話では「お約束」かもしれないが、別れのシーンは、やはり悲しい。
が、クリとゴマは、その後、(別々に)一度だけ「里帰り」をする。
クリとゴマを離した遊水地から著者の家までの道程は知らないはずなのに、なぜか家の場所を正確に知っていた2羽。
まるで飛べるようになったから、挨拶に来たかのように。
その後、著者は、遊水地で口笛と鳴き声で「挨拶」をかわすようになる。
最初のうちこそ、姿も見せたが、そのうち声だけに。
次第に疎遠になっていくが、それはクリとゴマがカルガモ社会に溶け込んでいった証。
望んだとおりの結果になったのだが、寂しさは隠せない。
著者は、世話になった獣医に
「今度から野鳥が保護されたら里親になって欲しい」
と冗談交じりに言われたとき、
「とんでもない」
と、すぐに断る。
それは「世話の大変さ」と同時に「別れのつらさ」があったからかもしれない。
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・どっさり143ページあります。カモのきょうだいについてわかるし、タマゴの中もみれます。タマゴを毎日ひっくり返す、カモのタマゴはどう育つのかもわかります。勉強になります。
・ポケットにいれられるところがおもしろいです。
・この本はゲンがカモのたまごをひろってきて、その中から2羽生まれて、その2羽が旅立っていく話です。この本の2羽は性格が大違いで2羽が水に入ろうとすると、2羽のうち1羽がこわがってもう1羽が入っておいでと言ってるようなやり取りが面白いです。
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小学校中学年の課題図書なのですが、最後の別れのところは泣けました。こんなになついてかわいいんだもん。生き物好きな作者と子供さんの奮闘ぶりがありありとうかがえます。カモ兄弟は、今も元気でいるかしら。
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生物多様性の本棚の一冊。
「幼児向け絵本」の項目に入っているけど、大人にも面白い。読み終わった時は自然とカルガモの生態に詳しくなれる。
子ども時代にこんな経験をしたら、一生の宝物になるだろうな。でも、まぁ、野生動物には基本的に手を出すべきじゃないわ。きれい事や美談じゃすまない。
親ガモは、巣がある環境が危険になったら、卵を放棄することもあるんだな。それも生存戦略の一環か。
鴨の羽色http://www.color-sample.com/colors/130/
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ムスメが読書感想文用にと借りてきた本・・・。
また感想文を書きにくい本をチョイスするよね・・・。正直、感想文の良しあしって、チョイスする本におおいに左右されると思う・・・。
どうも彼女はこの本が好きらしく、過去に何度も借りている様子。
でも、どうみても感想文には適していないので
「違う本にしたら・・・」
とは助言したものの、どうしてもこれでやるとのこと。
・・・わかった・・・。
確かに私も、ムスメくらいの年頃はシートン動物記やファーブル昆虫記を愛読していたよ・・・。
(だからって感想文にはせんけども・・・)
さて、ムスメの本を読む力および感想文を書く力を過信しているつもりはないが、最初に好きに書かせたものを読んでみたところ
「・・・・なんだこれは・・・・」
と、ズモォォンとなりました。
いやいや、私も読書感想文は苦手ですよ!? うまくまとまらなくて大変苦労する口ですよ!?
それにしても、これはひどい!
なにがひどいって、
明らかに内容を理解していないよ・・・!
(ありがち)
あらすじを書くレベルですらない。
本を読んでみようと思ったきっかけ(ちなみに、表紙がかわいかったからとのこと)と、挿絵と写真の可愛さについてしか、触れていない。
こんなん、ある!?
ええんか、これ!!!
内容云々の前に、挿絵や写真が可愛いと感じたのはわかった。
でも、読書感想文で必要なことってそれではないからね!?
その部分、オールカットで御座います・・・。
そもそも
「この本を読んで印象に残ったところってどこなの?」
と、問いても、絵がどうの写真がどうのしか返ってこず、
「ほんまに内容を読んでへんな・・・」
と、なります。
読み取れなくても、もう少しなんか、あるやろ!?
もしかしてこの本は観察記やから、感想文を書けるほどの内容はないのか(すごい失礼)!?
と、思い、とりあえず私も読んでみることにしました。
わりと時間がかかるかと思ったけど、そこはそれ、児童書なので、1時間もかからずに読み終えました。
では私の感想文、以下。
「カモのきょうだいクリとゴマ」を読みました。
タイトルを見たときは、
「動物を研究する人がカモをたまごからかえす話なんだろうな」
と、思いましたが、実際はちがいました。
ふつう小学生の兄妹が雨の日にたまごを拾ってくるところから物語が始まります。
ふつうといっても、わたしより動物に興味があり、たまごからにわとりまで育てた経験がある小学生なので、わたしよりもずっと動物研究家だとは思いますが。
それでも、ツバメやスズメのひなを拾ってくるようなものかと思っていたら、違いました。
カモは、野生動物なのです。
野生動物ということは、いずれ野生に返さねばなりません。
そしてひなといえど、野生であるなら人の力で育てるのには限界があると思います。
案の定、大きくなるにつれて家の中で飼うのも庭で飼うのも苦しくなり、たった3か月後には
「大きくなりすぎる前に、野生へ返してあげよう」
と、近くの池へ放しに行きます。
はたしてそれまでにどれだけカモと家族の関係が深くなったのか。
野生に返すラストシーンはとても胸をうちました。
できるなら、いつまででも餌をあげたい。世話をしてあげたい。寒くないかな、いじめられてはいないかな。寂しがってはいないかな。
人間としては心配で心配でたまりませんが、だからって最後まで面倒を見ることはできないのです。
暖かで安全な家から、仲間たちがいる、厳しいけれど自由で素晴らしい世界へ放すときの寂しさは、子離れと同じように感じます。
子どもが心配だけれど、親が作る世界にいつまでも閉じ込めておくわけにはいかない。
彼らは彼らの足で歩いていかなければ、未来はないのです。
動物も人間も同じだなあ、と、しみじみ思いました。
いつのまにか「見送られる立場」から「見送る立場」に、近付いているわたしですが、見送られる方は、見送る方ほど寂しいとばかり思っているわけではないのだと思おう。
だって踏み出す先には、素晴らしい未来が待っているかもしれないんだもの。
巣立つ人は、過去にばかりとらわれるよりも、時にはあっけないほど未来だけを信じてほしい。
不安と期待を両手に抱え、たくましく巣立っていく。
そんなクリとゴマのように、いつかわたしの子どもたちも巣立ってくれればいいなと思いました。
(2015.08.16)