紙の本
市町村の職員にフォーカスを合わせ 安易な「民間の手法を官公署にも取り入れるべし」型の議論になっていない
2012/02/10 08:39
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なわちど - この投稿者のレビュー一覧を見る
「公務員のやる気を高めるにはどうしたらよいか」がテーマの本です。
表面上だけの成果主義を取り入れても、かえってデメリットが大きくなるので、
外部資源を活用し、役所の外でも活躍できる場を設けるべきだ、
と著者は主張しています。
著者は本書の中で、官民流動化や兼業廃止などを訴えています。
公務員はある意味共産主義的なところがあるので、役所内のポスト以外の魅力的なものを用意すれば、積極的な人がより増えると思います
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組織論の立場から、どうしたら公務員のモチベーションを向上させ、『スーパー公務員』を育てることができるか、ということについて論じている。
説明がすごく理路整然としてて分かりやすいし、いくつかの自治体の成功事例を取り上げている点とてもおもしろい。かなりおすすめです!
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『公務員革命』/ちくま新書/★★★★☆/公務員への風当たりが強まる中、主に地方公務員のなかに「スーパー公務員」なる人たちがいることについて解説。どのような制度があれば「スーパー公務員」が育つのか、すなわちどうすれば公務員のやる気を起こすことができるのかについて。地方公務員になる人にも読んでほしい本です。
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公務員て言っても、地方公務員のやる気を出させる話。それも、現実的に可能であるとすれば、市町村レベルの話なので、まぁ、こういう方法もあるんだな、という感想。
仕事で主役になることで、モチベを上げるという話はよかったけど、全体的にはいまいち。。
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副題は、彼らのやる気が地域社会を変える。
地域社会が豊かになる「スーパー地方公務員」
の育て方。
財政難にあえぐ地方自治体。住民サービスの質
を維持するためには、公務員が受け身の姿勢で
はままならない。地域社会が元気であるかどう
かは、すべての公務員のやる気にかかっている。
昨今のマスコミや一部住民の公務員バッシング
著者は、ポピュリズム型公務員改革を危惧する。
財政難で、給与や役職で報いる事が難しくなっ
てきている中、何を持って報いるのか。やる気
を出させるためには何が必要か。著者は、成果
を認める事が大事だと説く。
内容は、広く薄いが、全国の事例も織り交ぜな
がら、論理的かつ前向きに説いているので、疲
れた公務員に元気を注入する1冊だと思います。
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とてつもなくモチベーションが高い公務員をスーパー公務員と呼び、そのような公務員が存在しなければ地域社会は良くしていけない。
今の公務員の人事評価では、モチベーションに上限を設けやすく、そこそこでも組織の中では生きられるというものである。
公務員がそこそこだと地域にとってそれは損失であり、スーパー公務員を排出できる体制を取っていかなければならないという内容。
やる気の源は、「自律」「承認」「夢」とあり、自分としては、「夢」がとても大切だと感じた。
当たり前かもしれないが、夢を大きく持つこと、それによって並外れたモチベーションと行動力を生み出される。
それも明確な夢を持つこと。これについてこの本で気づくことができた。
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【読書】地方公務員のモチベーションアップの方策を民間企業や確信的な取組を先行して行っている自治体の例を紹介しながら考察をした本。著者は自らも公務員だったという同志社大学の太田肇氏。自分はあくまで国の職員であるが、自分自身の仕事のやりかた、自分の組織のやりかたを考えるきっかけになるかと思い、手にとる。面白いと思ったのは、神奈川県の藤沢市が行っている庁内FA制度である。主査以上を対象に現在の所属先に2年以上の職員はFAを宣言することにより、自分の希望のポストに立候補する。宣言後、市長、担当副市長、希望先の部長、所属長の面接を受け、成立したら異動できる。厚労省でも一時期実施していたが、この制度は意欲を掻き立てられると思う。また、仕事ぶりに対する承認の取組として、課内のミーティングで互いに他の係の職員の良かった点を褒めあったり、表彰制度を設ける取組が紹介されていた。ささいなことだけど、互いの仕事に興味を持ち合い、認め合うやり方は非常に有益だと感じた。
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革命、とうたっているものの全く過激なことは言っていません。
むしろ穏やかと言ってもいいくらいの文体でとても読みやすかったです。
内容は(基本的に地方)公務員の制度の実態と今後望まれる形といったところですが、
人はどのようにしてモチベーションをあげるのか
どんな制度が効率の低下をもたらすか
など、公務員に限らずとも興味深いことが書かれています。
具体的に策を講じ、成功した自治体の例や諸外国における公務員の制度との対比なども面白いです。
主に制度に関することがおおいので、それ以外で気になったことをさらに自分で調べて深めていくことが必要かも。
あっさり読めるし、なにも公務員だけに限った話ではないので、読んで自分の仕事に役立てるなり、公務員について知るなりすればいいんじゃないかな。
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・別に自分は公務員ではないが、自分の管理・運用系の職種は制度設計し制度運用していく公務員に似たところがあると思ったので、手に取った。とりわけ外部資源の活用の部分に共感した
・外部資源の活用の部分を読んで、公務員と外部(世間)との関わりを増やし、役所を閉鎖的なものからより開かれた形にすることの
重要性を感じ た。これは自分の職種でも同様。外部との関わりとオープンネスである。
・外部との関わりの中で民意を、自分の職種においてはニーズを感じることでニーズに近い仕事に変わっていく。
外部との関わりの中で、承認機会が生み出されていく。
これが仕事のやりがいにつながる。
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近年、マスコミの公務員バッシングが激しさを増している。また、公務員をたたいたりポピュリズム型公務員改革を進めたりすることで世論にすり寄ろうとする政治家もいる。これらは理論的・論理的に考えると、公務員の”やる気”を失わせることにつながる。
現在公務員は約345万人おり、さらに政府系企業などを加えると約538万人に達し、雇用労働者数(約5462万人)のほぼ10人に1人は「公務員」であるため、公務員をいかにして動機付けるかは日本全体に関わる重要な問題である。
1.公務員のモチベーションを低下させる要因
①目にみえる待遇悪化
モチベーション理論の一つに、J.S.アダムスらが唱えた「公平理論」がある。人は、自分の仕事に対するインプット(貢献)と仕事をとおして得られるアウトプット(報酬)が、釣り合っていると感じたとき満足する。よって公平とされる基準である人事院や人事委員会の勧告以上に給与等が削減されると、モチベーションが低下し、生産性が低下してしまうおそれがある。
②公務員バッシング
ある社会心理学的研究によると、職業的自尊心と組織的個人的違反には負の相関がある。すなわち、バッシングやクレームにより自尊心が傷つけられてしまうと、違反や不祥事など目に見えないところでのサボタージュが発生する。
③成果主義の導入
行政改革により、公務員にも成果主義が導入されつつある。しかし、先行した民間企業においては、社員の動機付けや生産性向上の面で目立った効果をもたらさなかったうえ、社員の不満や不公平感が大きく、撤回もしくは大幅に見直されている。公務員の場合も客観的な評価は困難であり、評価するとなると、必要のない仕事や会議を行うなど、表面上のやる気をアピールされてしまうだろう。
2.やる気の根源(下記の①~③)とその増加手段
①内発的動機付け(奉仕の精神・夢)
公務員には、住民のために尽くしたいとか、少しでも地域を発展させたいという思いを持っている人が多い。特に、スーパー公務員と呼ばれる人の中には、自分の生まれ育ったまちを豊かにしたり、地域の人たちを幸せにしたりすることを夢見て、それにまい進している人がいる。
②仕事の自律性
やる気を引き出す上で、責任を伴うが自由度が高い、つまりは自律性が高いことが重要である。しかし、以前と比べ裁量権が小さくなっているようだ。要因の一つとしては、管理職過剰がある。上司は手持ちぶさたの中で、自分の存在感を示そうとするので、部下の仕事に細かく口を出したり、頻繁に相談・報告を求めたりする。
改善策としてはポストの削減が浮かぶが、承認欲求を満たすためにも、ある程度のポストは必要である。よって、民間企業同様に、課長クラスまではプレイングマネジャーになってもらい、部下の管理を最小限にとどめてもらうのがよいだろう。
また、仕事の分担を明確化し、その範囲内でできるだけ裁量を持たせる。《ただし、能力に合わせて仕事を割り当てないと、職員間の不公平感が高まるおそれがあると思う。とは言え能力に合わせて仕事を割り当てることは難しい。》
③承認欲求
マズローの欲求五段階説にもあるように、人間には認められたい、ほめられたいという欲求があり、他人から承認されることでやる気が出る。
よって、上司が具体的な事実や客観的な情報に基づいて部下をほめたり、認めたりするとモチベーションが上がる。
また、役所の外でも認められる機会が得られるように、公務員に講演やシンポジウム、マスコミでの発言、専門誌への寄稿などを奨励するのもよいだろう。地味な仕事の場合は、ホームページや広報などで紹介する。
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公務員革命というタイトルから想像すると、少し異なる印象を受けるかもしれません。
著書の太田肇教授は、承認欲求やモチベーションという分野の研究をしているかたで、著書も多く、過去に何冊か読ませていただいています。公務員の革命をモチベーションの側面から語っています。
役所に限らず、日本の組織の特徴を挙げた上で、よりその傾向が顕著な公務員に、いかに「やる気」をださせるかといういくつかの提言がまとめられています。
現在の法令では難しい面もありますが、今のように大幅な給料アップなどが望めない中でのモチベーション施策はもっと真剣に議論していくべきかもしれません。
単なる精神論だけにとどまることなく、仕組みとして構築していく必要性を感じました。
・やる気が出なくなった要因
①目にみえる待遇悪化
②マスコミや一部の国民・住民による公務員への厳しい視線・バッシング
③公務員のマネジメント
大部屋主義の日本では個人の成果が評価しにくい、さらに役所の仕事は何が成果なのか明確な基準がない。個人の分担や責任が不明確なままで成果主義を取り入れるのはデメリットが大きい。成果主義ではなく「やる気主義」の蔓延
・いまの公務員の働き方、現状のマネジメントの限界
「住民のために働きたい」という思いの強い人たちも個人的な出費や私生活を犠牲にしてまで頑張ることはできない。上司などの意欲が欠けているときは自分のやる気も失せる。生活を犠牲にしてまで自分を突き動かすものが存在しないから
・見えない「やる気の天井」の存在
・市民政府行政の時代における自治体の立場と仕事(田村明)
①市民に情報を提供し、市民の声を受け止める市民の事務局
②将来にわたって必要な「まちづくり」の方向や政策や計画の計画者・提案者
③実現に向けて人、組織、資金などの資源を動かし組み合わせる実践的なプロデューサーであり、協働しながら不足を補うプロモーターやコーディネーター
④住みよい「まち」をつくるために、地域の資源の保全・活用を組み合わせて目的を果たすために実行してゆく総合的な地域経営者
⑤他の主体では実施できない必要な装置やサービスを提供し実行する執行者
要するに、まちの将来について計画・提案し、問題解決しながら地域を経営する役割が自治体業務の中心になる。これまでの受け身のモチベーションでは通用しない
・「やる気」の革命的アップが求められる他の理由
①IT化→定型的業務の減少
②協働が求められる時代
・「行政のプロ」としての公務員像(自発的モチベーション+高度な専門知識)が求められる
・やる気の源
①働きがいや志。公務員は、奉仕を生きがい・働きがいにしないと務まらない
②日常の仕事について内発的動機づけ→報酬(外的報酬)を実力で獲得できないため
③承認
・問題の核心は、やる気の源泉が分かっているのに、満たす機会が十分に与えられていないこと
・「超やる気」の要素分解→自律・承認・夢
・自律は「やる気の父」
①仕事��自律性
②行動の自律性
③キャリアの自律性
・プロセスの意味の違い
欧米→成果につながるプロセス、川下でプロセスを評価
日本→態度や意欲でみる傾向、川上でプロセスを評価
「やる気の天井」を破る
・動機づけ要因を外部に求める
・仕事の「見える化」、名前を出す
・裁量権、自立性を与える
・住民の声のフィードバック
・注目されると責任感が増す
・キャリアの考え方を広げる、自衛隊型就労
・兼業規制を取り払う
<この本から得られた気づきとアクション>
・トップの交代による改革がクローズアップされるが、すべての自治体でそういうことが起こるわけではないため、別の視点からの改革が必要。モチベーションを上げる方法を個人としても、組織としても常に追求していかなければならない。
<目次>
第1章 “やる気”を奪った「ポピュリズム型」公務員改革(水面下でむしばまれる“やる気”
管理主義のワナ)
第2章 “やる気”に火をつけるものは何か?(やる気の天井
モチベーションの質が問われる時代に ほか)
第3章 「公僕」から「主役」へ(僕のやる気と、主のやる気
「超やる気」の源は“自律”“承認”“夢” ほか)
第4章 「外部資源」活用で、やる気の天井を破れ!(外部資源で動機づけるという戦略
役所の外でも認められる機会を ほか)
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図書館で借りた。
公務員はどういうときにやる気が出るのか、彼らのやる気を引き出すための仕組みにはどういったものがあるのか、を事例やアンケート結果を交えつつ紹介している。地方公務員をメインに扱っている。
見せかけだけのやる気を出している職員がいるというのに驚いた。しかもそれにファサードという名前が組織論で付けられているというのにも驚いた。
報酬(給料だけではない)と貢献のバランスの取り方が難しいと感じた。
こう変えればいいんじゃない? という提案が実例を基になされている。
職務の責任範囲をきっちり定めて、大部屋主義をとらないようにすることが一番の改善のような気がするが、それを取り入れるのは日本では難しいらしい。
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公務員バッシングが多い中、いかに公務員のモチベーションを高めるか、組織論・心理学の観点から説いている。公務員でも頑張っている人は多いため、ひたすらバッシングをして彼らのモチベーションを下げるのではなく、いかにモチベーションを上げさせるかという視点である。
めざましい成果をあげている自治体に必ずいるキーパーソンを本書では「スーパー公務員」と呼んでいるが、そう呼ばれる人たちは、その自治体業務の枠を超えて活躍している。本来ならば改革派の公務員は組織内では嫌われるが、そのような人たちは本人の思いや努力のみならず、周囲からの理解を得られるという環境があった。周囲の環境については縁の問題もあり、自分の力ではできることに限度があると思うが、組織外の人間と交流を増やし、自身の視野を広げていくことは、「スーパー公務員」になるために必要不可欠であろう。
本書で最も心に残った点は、「退職までこの自治体で」と最初から決めてかかるのではなく、30代、40代で転職することを著者が勧奨していたことだ。
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公務員の意識を高める制度作りの本。こういう制度作りの本は誰をターゲットに書かれてるのか分からない。一般人はもちろん、一公務員が読んでも改善に向けて動きにくいと思う。
個人的には、一公務員に向けた意識UPの指南書的な内容を期待していたため残念。
でも、日本の公務員がまだまだ良くなる可能性を秘めてることに期待が高くなった。
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要は、公務員のやる気が出る制度を作っていかなければならないということだろう。
ただし、一般の企業で働く従業員とは志向や仕事の性質が異なっているので、両者の違いを把握した上での改革が求められよう。