紙の本
難解なためではない
2021/09/15 00:25
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:象太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
文庫本1冊を読み終えるのに思ったより時間がかかった。難解なためではない。一人一人の臨終場面にため息をついたり、本を置かざるを得なかったからだ。要するに、重かった。
この巻は、十代で死んだ八百屋お七から四十九歳で死んだ山下清までを収録している。読後、頭の中を回らして、特に印象に残ったのは、マリー・アントワネットか。
断頭台に上るとき、偶然処刑人サンソンの足を踏み、サンソンが「痛い」とさけぶ と、彼女はふりむいて、「ごめんあそばせ、ムッシュウ、わざとしたわけじゃありま せん」と、いった。(本文より)
投稿元:
レビューを見る
15歳で火あぶりにされた八百屋お七から100歳(越?)まで生き大往生をとげた人まで、何百名もの人の死に様を描いた作品。自ら死を選んだ人もいれば、非業の死をとげた人もいるわけだが、年齢順に淡々と紹介されるので、思考回路が混乱してくる。
個人的に興味を持ったのは、病死や戦死、自殺など自分の死を意識していた人の中でも遺書を残した人と残さなかった人がいるという点。自分ならどうするだろう、と考えたが答は出ないまま。
投稿元:
レビューを見る
評判が高いので、文庫本になったのを期に読みました。
好悪がはっきり分かれる書物と思います。
人物選択の妙と、エッジのきいた人物評が素晴らしいです。
投稿元:
レビューを見る
2011/12/17 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
2012/9/23~10/3
色々な人物の死にざまを、享年順に書き綴る。良くもまあこんな企画を考えたもんだ。夏目漱石って49歳で亡くなってたんだ。私と同い年では超有名な戦国武将など歴史上の人物が数多く亡くなっている。彼らの成し遂げたことに比して、何と我が人生のしょぼいことか。4巻まであるようなので、順次読んでいくことにしよう。
投稿元:
レビューを見る
新聞広告を見て購入。4巻構成の1冊目だ。日本人を中心に、世界の有名人の臨終について、死んだ年齢の早い順に書かれている。1人あたり数行から1ページ程度と、淡々とつづらており、テーマは重いけどサクサク読める。1巻は若いうちに亡くなった方なので、衝撃的な内容も多いが、死とはなんぞやと考えさせられる。東日本大震災以降は自分としても死ぬ事を考える機会が増えたし、逆に生きることも考えるようになった。タバコ、やめようかな。
投稿元:
レビューを見る
新装版全4巻のパート1で、
「15歳~49歳で死んだ人々」の死に様を小気味よい語りで列挙。
予想どおり、若年者については劇的なパターンが多いが、
ある程度の年齢になってくると、結核や脳出血といった、
現代であれば助かったかもしれない類いの病死が増えてくる。
意外だったのはアーベルとガロアが登場しないこと。
数学者には興味がなかったものか。
投稿元:
レビューを見る
山田風太郎視点で書かれた、その人の死に際集。
10代、20代、30歳からは1歳刻みでその歳でなくなった人があつめられている。
いわゆる偉人達だけでなく犯罪者やその被害にあった人等ジャンルはバラバラで、それがまた死は誰にでも等しく訪れることを暗示しているようで面白い。
しかし、近代の作家、芸術家達の死因に肺炎の多いこと多いこと。当時はやはり死に至る病だったのだなと再認識。
投稿元:
レビューを見る
死から逃れることは何人もできない
突然の死、惨めな死、惜しまれての死。
様々な最期が記されている。
最期を知ることで、その人の人生を読んでいるような気持ちになる。
この作品に出てこないが、私は次の言葉のような人生をおくりたいといつも思う。
「あなたが生まれたとき周りの人は笑って、あなたは泣いていたでしょう。
だから、あなたが死ぬときには、あなたが笑って周りの人が泣くような人生をおくりなさい。」
投稿元:
レビューを見る
作者のそれぞれの人物に対する文章がとても面白く、
故人を歴史的に知っていても新しい人物像を感じられる人もいたし、
知らない方は調べたりしながらゆっくり読めた。
あの人は載ってないのか、と、そういう事も考えたり。
自分より若い方、同じ年、年上、
それぞれに人生がありそれぞれの言葉達に
何度も読み直したくなります。
思ってた以上に若くして亡くなられてる方が多いのは、
やっぱり時代もあるのかもしれないけど。
新装版は全四巻。
一巻の終わりに近い年代ですが、二巻三巻、
まだまだあるのか、ないのか。
ちゃんと考えなくちゃなあ、なんて。
投稿元:
レビューを見る
様々な人の死に様を、享年順に並べた本。
1巻ということで、若くして亡くなった人の話が多い。
事実を淡々と並べている中で、時折見せる著者の感情にニヤッとする。
続刊も読みたい。
投稿元:
レビューを見る
古今東西、様々な人間の死に様を描いた本。
死に様だけで、その人の生き様が重くのしかかってくる。
今日読んだのはジョン・レノンの死に様。
偶然にも、彼を殺したマーク・チャップマンに、
殺人罪による無期刑が宣告された日だった。
ジョン・レノンの頁にも関わらず、最後の一文は、
裁判官の被告人への宣告の一節。
いつ読んでも、しびれる本。
濃すぎてなかなか読み進められない。
投稿元:
レビューを見る
読み応えがあったというか、読むのにずいぶん時間がかかったというか、、、
年齢別にまとめてあったのはおもしろかったけど、歴史に疎い私は年代ごとだともっとわかりやすかったかなと感じました。
歴史上の人物は、こんな理不尽な死に方をしてたのかと思うと、落ち込んでても元気になれそうな気がしました。
投稿元:
レビューを見る
[作品]
2011年出版。(オリジナルは1986年)
徳間書店。
[内容・感想]
忍法帖シリーズで有名な作家 山田風太郎 の歴史上の人物に関するエッセイ集。エッセイといっても作中で取り上げている人物に対しての作者の思いや感情といったものの記述は少なく、基本的には淡々と延々、歴史上の人物一人一人の死に様が享年順に短い文章でまとめられている。紹介される歴史上の人物は、武将、軍人、文化人、作家、役者、犯罪者など多岐にわたり、全巻通すと延べ900人に上る。
本書は、2011年に出版された文庫サイズで全四巻の新装版。一巻は、十代から始まり四十九歳まで。若者が多いせいか、悲劇的な死に方が多い。常日頃、良くも悪くも脚色されがちな人の死であるが、本書は偉人も犯罪者も同じ”死んだ人”としてあっさり解説しているところが面白い。歴史に関してのウンチク教養本、読むとつい自分や自分以外の死に関して考え込んでしまう哲学本といった複数の顔を持つ奇書。
投稿元:
レビューを見る
http://staygold1979.blog.fc2.com/blog-entry-479.html
投稿元:
レビューを見る
新装版で全4巻。1巻は15歳から49歳まで。若くして亡くなった方が多いので痛ましいと共にドラマティックでもある。思春期の頃は純文学好きが高じて結核に特 別な思い入れがあった。実を言うと憧れてた。しかし、こうも連続で結核により生が断ち切られるケースを見せられると、ホントすみませんでした!とジャンピング 土下座級で謝りたくなります。山風による人物評がちょいちょい入る。それは言ってやるなよwwと思うようなのもあって楽しい。