- 出版社:角川書店
- サイズ:19cm/333p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-04-110078-3
日本の文脈
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- 税込価格:1,680円(48pt)
- 取扱開始日:2012/03/29
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商品説明- 「日本の文脈」
同じ年に東大に入学し、何人も共通の友人がいながら最近まで出会う機会がなかった野生の思想家・内田樹と中沢新一のふたりがタッグを組み、鎮魂と復興の祈りを込めて、いま、この国に必要なことを語り合った対談集。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介- 「日本の文脈」
内田 樹
- 略歴
- 〈内田樹〉1950年東京都生まれ。思想家。武道家。凱風館館長。神戸女学院大学名誉教授。
〈中沢新一〉1950年山梨県生まれ。思想家。人類学者。明治大学野生の科学研究所所長。明治大学特任教授。
ユーザーレビュー- 「日本の文脈」
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2012/04/19 16:02
スリリングな対談。明日は見えるか?
投稿者:moriji(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
わかりにくい書名に戸惑ったのですが、冒頭にこんな説明がありました。当初予定していたものは「日本の王道」といったものだったようです。(これもまた、わかりにくいのですが)それ以後に3.11が起こった。3.11であらゆる意味での「文脈」が大きく変わってしまったので、急遽変更した。とのことです。
当時、その予兆はあったのですが、3.11で、あらゆる矛盾がはっきりと露呈されてしまった。あらゆる意味でのパラダイムの変換が言われた。それなのに、政治、経済をはじめとして、いつか旧態依然の姿が「復興」されているというそのような姿に、日本独特の「文脈」という性格があるのではないか、そんな思いがこの書名にあらわれているようにも思います。
そのような意味で、この本は日本の文化全般にわたっての「文脈」をめぐる、実に興味深い対論になっています。特に興味を喚起されたのが、例えば「贈与する人が未来をつくる」という言葉。かつて「民主主義」は、先人の血のにじむような努力をもって獲得されてきた制度なのですが、そこには「民主主義が効果的に機能するには、血を流してこのシステムをつくった人が現にいるのだという切迫感、その人たちから贈与されたものであるという非贈与の感覚があってこそだと思うんです」(内田)とか、「本来は政治の根っこのところに贈与性があります」(中沢)あるいは「医療・教育・宗教はサンクチュアリとして(ビジネス席捲の世から)保全しておかないといけない」(内田)という発言には、“なんでもあり”。教育・福祉・医療でさえも市場原理(金儲主義)に取り込まれた、疑似民主主義(新自由主義)社会への警告となっています。また、人口減少については「行き詰まった民主主義、資本主義に対する、一種のソリューションではないか」という常識を取り払った視点を持ち込んでいます。以上はこの本のごく一部の紹介です。
対談にはこのほか、武道と呼吸法、チベット仏教からユダヤの思想、レヴィストロースとプリコラージュの思想、今こそ重農主義へという主張、東洋の学び、日本人の自然観などなど、実に多彩な話題をめぐり、それこそ自由閣達な対論が展開されています。
その、一つ一つの話題が、「これからの日本にほんとうに必要なものは何だろうか」という大きな問題提起に収斂されていきます。基本的な原点に立ち返って、3.11以降の「今」を考えるための格好の書といえましょう。







