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夢よりも深い覚醒へ 3・11後の哲学 (岩波新書 新赤版)
著者 大澤 真幸 (著)
「不可能性の時代」に起きた3・11の2つの惨事は、私たちに何を問うているのか。圧倒的な破局を内に秘めた社会を変えていくための方法とは。オリジナルな思考を続ける著者渾身の根...
夢よりも深い覚醒へ 3・11後の哲学 (岩波新書 新赤版)
夢よりも深い覚醒へ
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商品説明
「不可能性の時代」に起きた3・11の2つの惨事は、私たちに何を問うているのか。圧倒的な破局を内に秘めた社会を変えていくための方法とは。オリジナルな思考を続ける著者渾身の根源的な考察。【「TRC MARC」の商品解説】
目次
- 序 夢よりも深い覚醒へ
- 1 夢よりも深い覚醒へ
- 2 いきなり結論
- 3 反言語としての詩のように
- 4 不可能な選択
- Ⅰ 倫理の不安──9・11と3・11の教訓
- 1 二つの「一一日」
- 2 理不尽な絶滅
- 3 道徳的な運
著者紹介
大澤 真幸
- 略歴
- 〈大澤真幸〉1958年長野県生まれ。社会学博士。千葉大学助教授、京都大学大学院教授を歴任。個人思想誌『THINKING「O」』主宰。「ナショナリズムの由来」で毎日出版文化賞受賞。
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この震えを後世に伝えよ。
2012/03/11 21:20
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kc1027 - この投稿者のレビュー一覧を見る
東日本大震災という現実から1年が経ち、追悼式が行われ、また新しい日常が始まる。でも、ただ夢から覚めるように日常という名の現実に逃避するだけではいけないのではないか、悪夢のような東日本大震災という現実に、より深く内在するようにして、わたしたちは覚醒しなければならないのではなかろうか、大澤氏は震災による激しい動悸を書き留めるように本書を綴った。
大地震と津波と原発事故を経て、わたしたちは倫理観でさえも無と化してしまうような、種の絶滅さえ想起させるような、超越的な現実と出会った。倫理を持ってしても論理を持ってしても拭いがたい、生きていくことに対する不安は偏在している。剥き出しになった生の理不尽さは、打算的な日常に還元されかねない。阪神淡路大震災のあとにオウム事件が起きて、戦後民主主義というものに根本的に疑問符がつけられたように、東日本大震災によって発生した原発事故は、いまもわたしたちの現実と未来の重たい基調音だ。
制御出来ない自然の脅威には、ひたすら畏れを抱き、備えるしかない。でも結局制御出来なかった『神』のような原子力は、平和憲法と非核三原則を持つこの国にとって、アルコールを飲みたいけど酔っぱらうのが嫌で生み出したノンアルコールビールのようなものだと、著者は喝破する。そこまでしてすがらなくてもいいのではないか、節電生活も多少経験した今のこの現実を前に、誰もが少しは頭をかすめる原子力への根源的な不信感、この大衆の素の心をどう汲み取ればいいのか。まだ見ぬ未来世代の重たい現実にどう向き合えばいいのか。
著者は本書で起源を明示した脱原発を提起している。すでに起きた破滅の予兆は、わたしたちに選択を迫っている。必要なのは独裁で引っ張る強烈なリーダーではない、とも著者は語る。必要とされているのは問いかける主体だ。正義で地球は救えなくて、誰もが無知で誰もが真理に到達出来ないなか、問いかける主体だけが今のモヤモヤした感覚を少しずつ晴らしていく。東日本大震災という現実はまだ目の前にある。その御しがたい現実に問いかけ、その問いかけの言葉が行動に転化される時が、この国の覚醒の時。消し去れない問いかけは誰の中にもすでにある。それはこの国の遠い未来に生きるはずの、誰かの胸にも響き渡る魂の震えでもあるはずだ。
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福島でこの本を薦めることが出来ますか?
2013/10/19 23:37
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kwt - この投稿者のレビュー一覧を見る
脱原発・制限下での原発の容認,どちらも選択肢としてあるでしょう。制限を付ける程に,原子力発電の経済的優位性は下がり,最終的には核分裂という巨大エネルギーに依存しない世界が来るかもしれません。
でも,本書の後半部に至っては,私は飯舘村や福島で紹介する気になれません。貴方は出来ますか?