紙の本
キャリア論の再整理
2012/07/01 11:54
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投稿者:りゅうこん - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者はコンサルタント時代から一貫してキャリア論を見続けてきた方で、内容も明確です。
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変化が激しい今日、ガチガチに目標設定をするというキャリアに対する考え方は望ましくないというのが本書の主張。大枠をおぼろげながら描き、その方向性に従いながら流されるところは流され、節目節目ではしっかりと自身のキャリアを考える習慣を形成すべきなのではと考えていた矢先に本書を読んだ。考え方がフィットする部分が多く、今後どのような仕事をするにしても肯定的に受け止められる自信が増した。まずはキャリアについて考える習慣を構築することから始めよう。
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特徴である軽妙な語り口が思い出されるような、
明快で展開の速い構成。
21世紀的環境におけるキャリア形成のポイントについて、
危機感を交えながら紹介していく。
制作や制度といった、キャリアを取り巻く環境に対しての提言もあるが、
その環境の中で、個人の仕事観をどのようにすり合わせていくかが重要である
との考え方がベースに置かれている。
悲観的になり過ぎず、楽観的にもなり過ぎず、
現実的にどう考えることが求められるのか、
すべての年齢層の企業人に参考になるのではないでしょうか。
でも、キャリアについて考えることが初めての方が読むと、
ちょっとショックを受けるかも・・・
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キャリアマネジメント、リーダーシップ等々、ここ最近の関心事と大いにリンクする内容。ここに書かれてることを地で行く現実をあらためてなぞった感じ。
現実はわたしにとっては正直しんどいが、この本を読んで暗い気持ちにならないのは…タフにこのまま突き進むべし、と自分でも思っているからなんでしょうね。
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■自分の道を切り開くための3つのポイント
1.目標より習慣:長期的具体的な目標を先に決めてキャリアを作りこむのではなく、大体の方向性のみで、正しいと思うことをその都度やり続ける。
2.普遍性の高い学び:1つの分野の専門性を深掘りして学ぶ際も、原理原則、基礎理論、歴史的背景にまで戻って、腹落ちするまで学ぶ。
3.明確な仕事観:主体的に自信の役割や仕事を再定義する
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感想。よくまとまっていると思う。が、物足りなかった。
これまでの考え方が通用しなくなっていることなど、働いている人であれば既に肌で感じているだろう内容が多いからではないか。著者も何年も前から本書の主張をされているのだから、も一層深堀りした内容が欲しい気もする。また、客観的な分析としては良いかもしれないが、著者の意図はあまり感じられなかった。社会に出る前、出たところぐらいの人が読むにはいいのかもしれない。
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プロフェッショナルでないとできない仕事がたくさん増えている。
幸せなキャリアと不幸なキャリアがあるだけで、キャリアに勝ち負けはない。勝つためのキャリアでなく、自分らしい幸せな人生を作るためのキャリア自律の時代になった。
目標よりも習慣が重要。
日本での大学、大学院への社会人の進学率は1.8%ときわめて低い。欧米では平均で20%以上、韓国でも10%。
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キャリアについての考え方や方法が明確に書かれている。また、論文としてのまとまりもすごくよくできていると思う。今後のキャリアを考える上で参考になる
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途中で別の本を読んでいたので今朝読了。
さすがは高橋俊介さんという完成度の高い(?)キャリア論。
・21世紀のキャリア環境
・21世紀のキャリアにおける3つのポイントと10のコンピテンシー
・キャリア形成の実際と課題
・仕事観
・キャリア教育と採用市場
・企業の人材マネジメントの変化の方向
・これからの社会人教育
・個人としてどうすべきか
と、内容は多岐に渡るが、
それらは、
「人は自分の人生やキャリアを自分の思うように設計することはできないが、より好ましい偶然が起こる確率を上げることはできる」
という、スタンフォード大のクランボルツ教授の言葉と、
「(会社での、あるいは1つの)仕事ばかりしていると、かえって仕事に必要な能力が身につかない時代なのである」
という2つの指摘に重要なポイントは要約されるのかな、、と考える次第。
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かなり、読み応えがありました。
市場動向として読んでいたのですが、自分がいち労働者として、やるべきことができているか?と反省させられるところがとても多かったです。
ユングのタイプ論に関する記載も、深くて大変興味深かったです。
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高橋俊介氏の本を初めて読んだが、現実の状況に対する分析、いろいろな事例、各国の比較のためのアンケートなど、感傷ではなく論理で説明し、納得できる部分が多く勉強になった。ただし、著者のレビューを読むと今までも同じような内容が多いらしい。その点では、著者の本を多く読んでいる人は異なる評価になるかもしれない。
全体の内容としては、今のキャリアは以前のバブル以前のキャリアに比べて、想定外変化が大きく、専門性の細分化深化が多方面にわたっているため、今までのような「道を究める」ような仕組みや働き方がキャリアの最後までは通じなくなっているとしている。
そのために、仕事をしている期間の中で、再学習などの機会を設けたり、前後半のキャリアの違いなどを含めて、それらを作っていく必要を前半部分で説いている。
また具体的には、「日本のキャリアの国際比較」などから、日本人が当たり前だと思っている仕組みが、世界基準では当たり前ではないこと、多くの場面で日本人の思考が強みにも、弱みにも生かされていることが多い。
そのために、仕事観・キャリア教育や採用就職市場、企業の人材マネジメント・社会人教育などの人はどのようにすべきかをまとめている。
巻末には、「日本の歴史を読み直す」「失敗の本質」「文明の生態史」「タテ社会の人間関係」「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」「自由からの逃走」などの名著の紹介もしてある。
物質文明が飽和状態を迎えているのではないかという指摘は他書でも多くなってきたが、キャリアの観点からの分析という意味では読んで有意義だった。
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以前読んだ高橋さん著の『キャリアショック』のアップデートver.といった感じ。
アンケートをもとにしたデータから自らのキャリアに対する満足度と相関する要因を洗い出して考察している。
自分の中で特に重要だと思ったのは以下3点。
◆仕事観の確立
自分がにとって仕事が如何なる意味を持つのか、明確に言語化できるレベルまで深堀りする。
◆普遍性の高い学び
その場で必要な知識やスキルを追求するのではなく、原理原則に立ち返ったキャリアの骨格となるようなものを身につける。具体的には一見繋がりの見えない様々なジャンルの知識の吸収。その知識を今やっていることに落とし込むように意識、実践。
◆ヨコのリーダーシップ
これは今まさにやっていることに通じるかも。巻き込み。実践。
すごく面白い内容だったが、抽象的な結論に行き着いている感は否めない。
ここで学んだことを個人の行動レベルまで落とし込めるかどうかが勝負かも。
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今後のキャリア開発について述べた本。現在の社会環境や現在の仕事観、採用や就職現場、現場での人材マネジメントなどを一つひとつ整理した上で、今後のキャリア開発についてわかりやすく書かれている。
非常に納得するところも多く、新たな視点を提供してくれるところも多い。良著。
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[ 内容 ]
慶應義塾大学SFC研究所キャリア・リソース・ラボ&ワークス研究所共同研究「21世紀のキャリアを考える研究会」6000人規模のアンケート&100人以上の個別インタビューでわかった21世紀型キャリアの課題と解決策。
[ 目次 ]
第1章 21世紀のキャリア環境とは
第2章 21世紀のキャリア三つのポイント
第3章 キャリア形成の実際と課題
第4章 仕事観形成の歴史
第5章 これからのキャリア教育と採用就職市場
第6章 企業の人材マネジメントはどうなるのか
第7章 社会人教育のこれからのあり方
第8章 働く個人はどうすべきなのか
第9章 人と組織のプロフェッショナルはどんな本を読むべきか
[ 問題提起 ]
[ 結論 ]
[ コメント ]
[ 読了した日 ]
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評価
今コロナ禍だからこそ読むべきと思わせるポイントもあった。
改めて、自分の考え方が間違っていないことや、繋がりを見いだせることがあると思った。動機の背景の意識や、日本人の価値観からみる仕事観など…
一方で、語りたいことが多すぎる?のか、若干冗長というか、補足的な要素が多すぎたようにも思う。高橋先生のセミナーはいつも大変面白いです。
感想
・この本で求めたのは、自分の会社におけるキャリア開発の考え方を変えたかったから。
・これに対する解は、自らの専門領域や役割、責任、価値を常に一つではなく、複線的に考え続けることを、会社における起点と終点にさせないこと。
・ここから考えたのは、動機は内的なもので自由はあるが、行動は変えられるもので仕事観として利己的に留まらずに利他であるように(顧客)しておくこと。
支援の役割として、上司や先輩に限定しないこと。
内容
【キャリア自律】
・自分で自分のキャリアを考え、切り開くこと
・背景:現在のキャリア環境は、想定外変化と専門性の細分化によって、過去から大きく異なる。最大の課題は、この二つが同時発生することによる、「明日のわが身に起こるアイデンティティの喪失」である。
・従来の、この道一筋、この道を行けば右肩上がり、大きな価値観の変化。がすべて崩れ去った。
1.目標より習慣
キャリアの開発に携わる行動を、キャリアコンピタンシーと呼ぶ
主体的ジョブデザイン、ネットワーキング、スキル開発の3点を行い、内的な仕事の満足度や継続的な開発をしている人は、動機というドライブを自分の中に持っている
2.普遍性の高いまなび
今後は、開発した能力が落ちる幅も速度も速くなるために、常に学び続けなければならない。そして、少しでも落ちないことを目指すためには普遍性の高い分野を学ぶとこが大切。
理解型の人ー言われたことをすぐやるー正解を欲する
納得型の人ーなぜやるのか?を考えてやるー答えを導く
納得型の人は、関係のない話を結びつけることが得意、反対を考えたり、違いを考えることが習慣になっている。一方で、具体的な事例に落とし込めないで使うと、言葉が上滑りして評論家になる。また、過度な一般化や柔軟性を無くすと、歪んだ持論となり、新たな学習が進まない。
納得型の能力は、適応とも考えられる。これを有するのは、原理原則の理解。
3.明確な仕事観
想定外のことが起ころうとも、なにをすべき、なすべきかを見極めて取り組むために、意味付けや位置付けを持つことが重要
【企業内人材育成機能の弱体化】
従来の世代継承型人材育成だけでは成り立たないにもかかわらず、OJTの基本は上意下達、仕事観はベテランほど外に向かない、若手は理解型が多く答えを求める。これにより、大企業のようなヒエラルキーの強い組織では、学習や変革が阻害されている。
ITやコロナ禍の仕事やコミュニケーション
の見えない化は、OJT(育成)の弱体化に��車を掛ける
可能性が高い。
【キャリア自律の開発】
生涯のプロフェッショナルとしての活躍
自分自身で継続してプロフェッショナルへ進む
何度も主体的に仕事観を作り替える
自分の立ち位置を変え続ける
提供価値を再定義し続ける
→自分らしいキャリアを自分で作る。自分のためだけに働くのではなく、世の中の変化の中でも価値提供をし続ける、内的な成功と利他的な成功を併せ持つこと。
⭐️発揮能力と動機のマッチングが重要
【内因的な仕事観】主体的な意思→動機→主体的行動→納得型の仕事→成果
【規範的な仕事観】
やるべき仕事→外因動機→規範的行動→理解型の仕事→成果
両方とも必要だが、最終的には内因が持てないと、燃え尽きる。(モチベーション3.0の話と理解)
【人材育成型のリーダーシップへの変革】
1.リーダーの人間観
一度ダメでも立ち上がれるように考えや行動を変容させること
2.育成的なコミュニケーション
教えるのではなく、教え合う場所や機会を作る
そして、上位者は心理的な支援を行う(チャンスが来るぞ!と)
3.職場全体のフィードバック
褒める、叱る、教えるを含めて全員が話し合えること。(上司だけでは育てられないことを伝え固有名詞で部下を名指しして育成議論する場を持つ)
4.一対一の主体性を引き出すコミュニケーション(考えを伝えて、引き出す)
これをやれのタスクではなく、こう考えてやれのワットを伝えること。
昔の育成は秘術を隠し伝えること。今の育成は、秘術を開き進化させる速度を早めること
これらをリーダーに実践させるには、
動機を知らせること(そもそも意識があるか)
実践の仕方を伝達すること
習慣化するまで支援すること(3〜6ヶ月)
【無色透明な人事制度】
さまざまな制約による不遇をなくすようになる。言い換えれば多様な働き方、生き方の受容。(転勤、介護、育児、出世、、、)
精緻な等級による管理から、柔軟でソフトな考え方で、キャリア自律をベースとして、節目ごとに個人が気づきを得られ、次のキャリアへ踏み出す連続的な流れを作る。
【仕事観へのコミットメント】
目標による管理から、目的による管理へ
報酬による動機づけから、内発的な動機へ
【固有の人事】
日本人が圧倒的に他国に対して持ち合わせているのは、感謝欲と徹底性。これにより、おもてなしやものづくりにひいでてきた。