紙の本
自由論/ミル
2016/09/12 16:08
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:NAOKI - この投稿者のレビュー一覧を見る
功利主義・他者危害原則など、政治経済学のテキストに必ず登場するJ.S.ミルのキーワードを理解したく古典を読んでみました。民主主義の発展を背景に、国家権力(国王や教会など)から多数派の世論へ、「個人の自由」を抑圧する対象が変化したこと。個人の私的領域(自由)がなぜ守られなければならないのかが丁寧に記されている。百年以上昔のミルの自由に関する主張は、現代の民主主義社会の在り方を考える際にも重要な示唆を与えてくれる。日々の当たり前(前提)を自由な発想で問い直すことができれば、個人、社会もきっと良くなるはず!
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非常に読みやすい新訳。友人とかにもオススメしたいくらい。
著者が反対意見についても触れているのがとても良い。
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自由は個人と人ひいては社会との間で揺れ動く。
他人の自由を制限できるのは、その他人の行動がまた違う個人に害を為す行動である時だけである。
自身の自由もまた他人に害を為さない範囲で可能となるが、加えて自身を律さなければならない事もある、律するには如何に社会性というものを自身に内包しているのかという事が問われるのだろう。
また社会という枠でとらえた場合、自由であるためには強制の中に身を置いてはならない。
強制の中に身を置く事は一時的にしろ自由を手放すという事だ。
力をどのように制限するのか、法律を犯したものにどういった罰を科すのか、どのように共通の利益を実現するのか、これらに対して能動的な姿勢を失った時、それは自由ではなく隷属となる。
例えそこで自由を手に入れたと感じても、それは個人の自由であり社会の中での自由ではない。
また社会の権力に動かされていると感じるのであれば社会の権力は一体どのように成り立っているのかを考え、少なくとも自身の考えから変えていくべきであろう。
社会の中では自由より権力に固執されがちであるが、権力は使い方を誤れば人の自由を制限するものとなる、故に権力を扱うものは自由がなんたるかを、その対人間性から全てを鑑み、理解し続けれる存在でなければならないのではないだろうか。
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みんなと同じタイミングで、同じことに興味を持ち、同じように進学、就職、結婚...という道を歩まないと、ちょっと変みたいな風潮がまだまだあるけれど。そうではなくても、自分の必要なことを必要なタイミングで必要としても、まったく問題ないし、それが許される社会であってほしいと思う自分としては、とても心強い。
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「自分の意見をもつ自由、その意見を率直に表明する自由、それは人間にとって絶対に必要なものである」19世紀の哲学者。個人の絶対的な自由の保障こそが、国家の活力につながる、として、思想の自由や自由さによって生み出される幸福、社会がどんな場合に自由を抑制してもいいかを考察している。平均的な人間ばかりを集めた大衆世論の専制を述べた第三章がよかった。
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ヘイトスピーチは言論の自由か?。それだけではないが自由についての古典を読まねばと手にとった。意外と具体例を挙げなから自由を述べているので、想像しやすい。また、文体はも平易。今、気になっている言論の自由についても一章が設けられている。自由について考察するときまずは読むべき一冊だと思う。(もっと早く読むべきだったかも)
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なぜ国家が個人の自由を侵してはならないのか、人が自由であることの有益さ、どのようなときに自由が制限されるのか、が読んでいるだけで賢くなったように錯覚しそうになる文体で整然と書かれている。
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だいぶ昔の本なのと、時代背景が
禁酒法があった時代のときなので、
相当自由が狭められている、
というのを理解して読まないとつらいかも。
それと一部分に
矛盾するのでは?
という部分も見受けられます。
ですが、この本は昔の本ですが、
批判している部分は、
今でこそいかして欲しいものだと思います。
特にネットという時代があって
誰しもが情報を発信できる時代ならば。
そして、自分を持つことって
こういう本を読むと、大事だなと感じました。
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宗教(主にキリスト教)の知識がほとんど無いので、そこについての記述はある程度割り切って流してしまったが、社会と個人という関係性についての名著であることに間違いはない。原著、岩波文庫版等を読んでいないのでどこまで”意訳”なのかが定かではないが、光文社古典新訳文庫の訳はとてもわかりやすく、かつメモしておきたくなるフレーズが非常に多い。
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言論の自由、多数派の横暴への抵抗、多様性の尊重、個性の尊重、公的権力の制限、小さな政府、自主性、自己責任…現代でも声高に叫ばれるこれらの自由主義的価値観の基底にあるのは、真理への欲求と進歩への衝動である。なぜ自由主義は必要なのか?それは真理を目指して進歩し続けることが、人類全体の幸福を増加させ、最大多数の最大幸福の実現に近づけて行くからだ。自由主義は功利主義的な価値を実現するためにベースとなるイデオロギーである。ミルの論理的で、熱く、説得力のある議論は、現代の私達が学ぶことができる最高の模範の一つである。
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20数年ぶりに再読。新訳のおかげで当時よりはるかに読みやすい。今読むと教科書的な説教臭さが若干鼻につくが、やはり自分の軸の一つとして揺るがせに出来ない一冊だ。
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J.S.ミルの自由論は,学生時代からHarm Principleとの関係で注目して読んでましたが,岩波文庫の訳がなかなか読みにくくて文意がとれないところもありました。この新訳は,長々としたミルの文章を適宜分説するなどして読みやすく翻訳してあり,非常に新鮮な感じを受けました。ミルの大胆だけれども,いちいち頷かされる思想に存分に触れることができます。
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読みたかった。JSミルの自由論が新訳で読みやすく
なって、文庫本で読めるということが、少し衝撃的な
ことではないかと思います。
自由に関しての考察と、現代にも通用する論理とその
論理展開における思考の流れが読んでいて非常に
気持ちのいいものでした。
自由に対する社会政治的、哲学思想的、慣習的、道徳的
それぞれにおける切り口においてのある意味
考えつくされているバイブルのようなものであるような
きがします。
公私の区分の原理に結びついた思想と言論の自由によって、
世論=多数派の専制を抑止し、多様性を持った民主主義を
成熟させることの有用性を再認識させられる内容です。
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こんなに読みやすい哲学書は初めて!というくらい読みやすかったし、ミルの時代は尖った意見だったかもしれないか、今の時代に求められてることも書かれており、必読だと。
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ミル『自由論』光文社古典新訳文庫 読了。思想言論の自由が民主主義にとっていかに重要か。多様な意見が自由に討論されることで真理の発見に近づく。他方で、多数派の専制を排し少数派に寛容であることが社会の進歩を促すことを指摘。岩波文庫で挫折していたが、なんて読みやすいのだろうと感心した。
2016/06/11