紙の本
日本人はいつからこんなにリスクをとらなくなったのでしょうか。
2012/11/25 18:11
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:龍. - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本人はいつからこんなにリスクをとらなくなったのでしょうか。
例えば放射能。
震災前まで原発で発電した電気を平気で使っていたのに、震災後はいきなりの原発ゼロ。
または発がん物質。
それまで平気で食べていたものに発がん物質が入っていると大騒ぎ。
本書は、最近特におかしな状況になっているリスクの考え方についてのものです。
基本、全てのものにはいくらかのリスクはつきものですが、最近は「リスクがある=危険」と考える傾向が強いです。もちろん、リスクを極力少なくする努力は必要ですが、あらゆるものにリスクはつきもの。
そのリスクをどのように取るかを考えなければならないはずが、リスクゼロでなければならないという幻想が人々をおかしな行動に走らせることになります。
本書でも紹介されていましたが、水にも致死量があるということです。つまり危険がない物質はこの世に存在しないということ。
また、「天然」がよくて「化学」は嫌いという傾向もあります。紹介されている例では、カビが生えるパンとカビが生えないパン、どちらが危険かというもの。そもそもカビは危険だということを忘れて議論していることに問題があると著者は言います。
リスクゼロにするためには、経済的な損失も見逃せません。安全値までリスクを下げるのではなく、限りなくゼロにすることで経済効率性を無視した商品開発がおこなわれている無駄も見逃せません。
本書は、様々なたとえ話によって、リスクに対する理解を助けてくれる書き方をしているため、非常に分かりやすいです。また、マスコミの問題についても、鋭く指摘しています。
もう一度、身の回りのリスクを考え直すきっかけになる本です。
龍.
紙の本
食品添加物は怖い?
2015/07/15 13:43
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投稿者:トロ - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は化学者として製薬業界に身を置いてきた立場から、「リスク」の中身を正しく理解できていないまま過剰に怖がる社会的風潮に疑問を呈します。ホメオパシーの章はとくに、小さな子どもを「大切に」「丁寧に」育てようとしているママには読んでもらいたいです。
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大自然はそれほど優しくない
「化学」に怯えすぎ、「天然」に期待しすぎ
言われてみれば・ちょっと考えてみればその通り・・・。
ゼロリスクの幻を追うのではなく、成熟したリスク認識を
これが本当に難しい・・・。
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これから日本がより成熟した社会になるために、重要な提言。すべての人が、この本の内容を理解していて欲しい。
個人的には、農薬も、添加物も、不要ないわゆる化学物質も避けて暮らしたいが、その理由は、「安全ではない(かもしれない)から」ではなく、「そういうものが好きじゃないから」と、これからは言うようにしたい。
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ブログに感想書きました。http://georgebest1969.typepad.jp/blog/2012/09/%E4%BD%90%E8%97%A4%E5%81%A5%E5%A4%AA%E9%83%8E%E8%91%97-%E3%82%BC%E3%83%AD%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%82%AF%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E3%81%AE%E7%BD%A0.html
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類書でも口が酸っぱくなるほど言われていることを再確認。著者は化学が専門と言うことで,化学の話題が例に多い。メタミドホス,エコナ,トランス脂肪酸…。
ホメオパシーや放射能についても取り上げてる。特に放射能については,基礎から詳しく説き起こしていて,何も前提知識がなくてもここ(第7章)だけ読めば,それなりに正しい知識が身につきそう。良本。
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テレビや新聞の記事はなんらかのバイアスがかかっているという事を我々はもっと意識しなければならないと思う。
どうもマスコミ崇拝な人が多過ぎる。
冷静に考える事はちょっとした労力がいる。
その労力を惜しむ人が多過ぎるんではないか。
マスコミも「わかりやすい」をテーマに報道をするんだろうけど、
編集者が誰でもわかるように解釈する仕方を間違えると本当にたちが悪い。
正しく理解するにはこういった本などを読んで学び続けていくしかないんだなと痛感した。
この著者が全て正しいことを言っている訳ではないが(それは誰にでも当てはまる)、
このような労力をさいてより正しい見解を与えてくれるような人がいることはとてもありがたい。
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consider problems in terms of quantity, not of quality of them.
everything has both risks and benefits.
trade-off: if you want to reduce risks of something nearly to zero, you have to take another risk
it is nonsense to pursue zero-risk. Its cost is extremely high.
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リスク管理は大切だけれども、リスクを完全に排除するのは難しい。無駄に恐れを抱きすぎなのは間違いない。放射能汚染についても、安心を促す内容でした。化学など専門用語が出てくるだけで、緊張感が高まってしまう。ゼロリスクなんて、やっぱりありえないのだ!と理解出来ました。
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http://kumamoto-pharmacist.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/post-4cca.html
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ヒステリックにリスクを恐れるのではなく、正しくリスクを評価してトレードオフしながら選択していく必要性が非常に明快に書かれている.
ゼロリスク希求症候群の現在に読んでおくべき本だと思います.
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リスクを感覚的ではなく
定量的に把握することの
大切さを実感。
マスコミに踊らされず
自分で調べ考えるように
しよう!
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自分としても、世の中の風潮になんとなく疑問を持っていたので、その題名を見て思わず買ってしまった本です。著者の得意とする化学の観点を中心に世の中のふわっとした過剰なリスクに対して疑問を投げかけています。書かれていることが100%信頼できるかは私の能力では判断できませんが、その視点・観点という意味ではとても参考になると思います。上手なリスクをとれる人間になりたいものです。
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有機化学美術館の管理人が書いた新書です。
一般の人が、いかにリスク評価できないかについて、
警句を発した本です。
以前読んだ、森博嗣の著書、「科学的とはどういう意味か」
と通じる部分があるように思いました。
後半に書かれている、
放射能のリスクの説明が大変分かりやすく、
私にはなるほど!と思える内容でした。
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リスクにあたなは騙される 早川書房
2001 当時多発テロのあと飛行機より車で移動 かえって交通事故者 増えた
10のリスク認知因子
恐怖心 制御可能性 自然か人工か 選択可能性 子どもの関与 新しいリスク 意識と関心 自分におこるか 利益とリスクのバランス 信頼
確証バイアス 嫌いなものは間違っているはずだ
カエサル 人間ならば誰にでも、現実のすべてが見えるわけではない。多くの人は、見たいと欲する現実しか見ようとしないものだ
増幅するバイアス ネット上のハウリング 確証バイアスは同じ傾向の人が集まると強化させる
リスクはほおっておくと増える リスクはゼロにならない 0リスク幻想が、より多くの大きな危険を招き寄せる
賢者は統計に学ぶ
正しい知識を身につけた上で、自分で考えろ
ケンブリッジ大学 ジョンエムスリー 壱万分の一のリスクは受け入れるのが現代人の生き方ではないか
90万テラベクレル セシウムで5.4kg
シーベルト 放射線の人体への影響を測るために考案された
軽快すべき核種 ヨウ素131 セシウム134,137
ストロンチウム90
ICRPの勧告
as low as reasonably achievable 合理的達成可能か限り低く
事故による緊急時 年間 20-100mSv 復旧過程20 徐々に1mSvへ下げていく
2012年4月より施行された新基準 食品からの被曝を年間1mSv以下に抑えることを念頭に、一般食品に含有してもよい放射線量は1kgあたり 100ベクレル
我々は、自分のあずかり知らない技術で暮らしが便利になるということに対して本能的に不安感を抱くようにできているようだ
2021/11/15 中古購入再読