国を蹴った男

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いつもの武田家、北条家周辺、ちょっと秀吉・信長に絡ませたのが新しいかな。あ、珍しく今川家の話もあったな。関ヶ原や小田原落城を面白い視点で描いている。
P.S. またまた直木賞候補に入ってるね。取って欲しいけど長編で取って欲しいなぁ～。「北条家滅亡」で長編描いてみたらどうだろう？

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読みやすい時代小説短編集。
舞台はどれも戦国時代で、各主人公たちが己の矜持を貫き、時代を駆け抜ける。
史実に基づくなかで、男たちの心の機微が熱く描かれていた。

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先ずは目次とそれぞれの主要登場人物を。

•牢人大将
那波藤太郎→無理之介 / 五味与惣兵衛
武田信玄（甲斐）
•戦は算術に候
石田三成 / 長束正家
•短慮なり名左衛門
毛利名左衛門秀広
上杉景勝から直江兼続
•毒蛾の舞
佐久間盛久／前田まつ
•天に唾して
山上宗二/豊臣秀吉
•国を蹴った男
今川氏真

個人的には本のタイトルにもなっている国を蹴った男が、今までの戦国時代の歴史小説とは違う切り口で面白かった。適材適所とは良くいいますが、その時代に求められているのか、いないのか。
そんなことは関係なく本当に自分のやりたい事をやる。
そういうのもありなんですねぇ。

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「牢人大将」
反権力への憧れみたいの感じます。アウトローへの憧れ。

「戦は算術に候」
秀吉にも名束正家にもなれなかった、三成の器用さ。
人たらしになるには、魅力がなく。コンピューターになるには、感情が多い。

「短慮なり名左衛門」
政略の人でなく、戦略の人だったのか？
いいように、手のひらでころがされたのか。

「毒蛾の舞」
賢婦の第一人者みたいな扱いされるまつ。そうじゃないまつがここにいます。こっちも賢こい妻だけど、悪いからね。
こういう違う一面書いてる歴史小説って、ぐっと来ます。
怖い女だよ。

「天に唾して」
反権力。いや、反秀吉になってるね、最終的に。
グラスの水を、顔にぶっかける解放感。キライなやつにひとあわ吹かせるのって、楽しいよね。

「国を蹴った男」
生まれる時代、場所を間違えた。
タイトルから想像してたとは全然違う話でした。もっと反権力的なアウトローの話かと思ったんですけどね。

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#読了。第148回直木賞候補作品。短編集。豊臣秀吉、武田信玄などの名前も挙がるが、主人公は彼らに仕える様々な男たち。歴史背景に詳しければもっと楽しめたかとは思うが、表題作の「国を蹴った男」のセンスはさすが。

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時代時代の節目を切り取った短編集。
どれも面白かったし、
人物がものすごく魅力的です。
なかでも表題作が一番好きです。

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偶然、直前に読んだ『合戦屋』と同じ時代、人物の短編から始まった（笑）。
合戦ものを２作続けて読んで思ったのは、私は合戦そのものにはあんまり興味が湧かないってことだな。戦法とか…。
なので、短編のなかでも人物がより描かれてるもののほうが好きだった。
☆４つに近い☆３つです。

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内容（「BOOK」データベースより）
武田信玄、上杉謙信、織田信長、豊臣秀吉―天下に手を伸ばした英雄たちの下、男たちはそれぞれの正念場を迎える。戦国小説集。

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有力な子孫の残らなかった家系。
家系の残らなかった家。
力のある子孫のフォローが無いので変な評判も一般化しちゃうんですよね。
家が残った所為で美化されまくるのもあれですが。

本当の事なんて誰にも分からない、だったら好きなように想像すればいいんですよ。
歴史妄想大好きです。

知名度の割に長束さんの小説って初めて見かけたかも知れません。

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小説のタイトルとなった『国を蹴った男』などの戦国時代ものの短編６編から構成されている。武将としての器ではないが、蹴鞠や歌に才能を発揮した今川義元の息子氏真を扱った『国を蹴った男』は秀作。秀吉と堺の千宗易の高弟である山上宗二の確執を題材にした『天に唾して』は面白い。

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戦国時代の「無情」ともいえる生き様に虚しさを感じる半面、家のため人のためと命を捧げるその潔さに清らかな気持ちにもさせられた短編集。特に最後の「国を蹴った男」は異色で楽しめた。

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短編集６編。
『牢人大将」武田家のまた違う戦い。
『戦は算術に候」石田三成の誤算
『短慮なり名左衛門』御館の乱の処理の直江兼続の一面。
『毒蛾の舞」お松の方を毒蛾に見立て佐久間盛政の最後。
『天に唾して」堺の茶人、宗二の秀吉への駆け引き。
『国を蹴った男」今川氏真の蹴鞠に賭ける想いと生涯。
どの物語も、少し違った切り口で面白かった。

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武田家牢人衆を描いた「牢人大将」、算術が得意な長束正家を使う石田三成を描いた「戦は算術に候」、今川氏真の鞠師五助を描いた「国を蹴った男」や「短慮なり名左衛門」、「毒蛾の舞」、「天に唾して」の短編6編。「戦は算術に候」のようなオチはわりと好み。表題作も今川氏真の戦国武将として暗愚だけど、他の部分での魅力が描かれていて面白かった。

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戦国はあまり好きではなくて、
これまでほとんど読んでいなかったのだけど、
面白かった。

連作短編で、それぞれが少しずつ関係があるところとか、
大物ではないけれど、
そこそこ名のある人物を主人公にしているのがいい。

「牢人大将」でぐっと引き込まれ、
「戦は算術に候」でこれはなかなかと認めさせられ、
「国を蹴った男」で納得。
戦国武将の個性と息づかいを身近に感じた。

ちらちらと姿を見せる秀吉が、私の思う秀吉像にかなり近くて良かった。

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＊えり＊
人選が面白い歴史短編集。
著名でない人物たちに光をあてているので、
勉強になるし興味も出るしで有難い！
光の当たらない場所でも己として生きて、
信念を貫く人々の姿が素晴らしかったです。