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商品説明
愛も夢も奪われた。残されたものは、生きのびる意志だけだった。『永遠の仔』『悼む人』を経て、天童文学はここまで進化を遂げた。日本の現実を抉り、混迷する世界と繋がり、私たちの魂を源から震憾させる金字塔、ここに。【「BOOK」データベースの商品解説】
愛も夢も奪われた。残されたものは、生きのびる意志だけだった…。父は突然消え、母は心に傷を負って植物状態となった。残された三兄妹は、誰も知らない犯罪に手を染める道を選んだ。『パピルス』連載を単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
天童 荒太
- 略歴
- 〈天童荒太〉1960年愛媛県生まれ。「白の家族」で第13回野性時代新人文学賞、「永遠の仔」で第53回日本推理作家協会賞、「悼む人」で第140回直木賞を受賞。
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書店員レビュー
多額の借金を抱えたまま…
文教堂 市ヶ谷店さん
多額の借金を抱えたまま突然姿を消した父。植物状態の母。親という支えが機能しない中で生きるのは、高校を辞め昼夜問わず働く長男、学校でいじめにあいながら母の介護をする次男、人には見えないものが見える末っ子の妹。借金を返済するため、そして生きていくために兄弟は暴力団組織から覚醒剤のアジツケの仕事も強いられ、がんじがらめの日々を送っている。
物語では父・母の過去と兄弟たちの世界、そしてリートという少年の世界が交差して描かれる。日本ではない国の紛争地域で生きるリートは、現実世界の過酷な生活から誠が目をそむけるために空想された少年で、もう一人の誠でもある。このリートの話は物語上、必要のないものにみえるかもしれないが、読み進めていくと徐々に誠とリンクしていき、リートは一人の人格として、誠の親友、そして戦友のような存在になっていく。この物語にとって、彼はとても大切な存在だろう。
読むのにはなかなか覚悟がいりそうな、救いようのない世界に思われるが、それと対比した子供たちの描き方はやはり「永遠の仔」著者である天童氏だけあってとても巧い。どんなに過酷な世界にいたとしても、家族と共に生きていく姿、そして幼いなりにも全力で家族を守ろうとする姿は美しい。
(評者:文教堂書店市ヶ谷店 吉永文)
紙の本
気負い
2016/01/31 17:08
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:テラちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
悲惨な強雨に置かれた三兄妹。心に傷を負い、しかし、世間はさらに追い打ちをかける。強烈な素材に取り組んだ意欲は買うが、力が入り過ぎ、空回りの感が否めない。冗長でもある。
紙の本
あまりにも「普遍的な」メッセージでありすぎるための陳腐さ
2013/02/07 10:57
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あまでうす - この投稿者のレビュー一覧を見る
「歓喜」というタイトル通り、ベートーヴェンの第9交響曲の第4楽章の後半でうたわれ、「歓喜に寄す」の歌が重要な伏線であり、ライトモチーフともなっている。
人間の友愛とその喜びを神に向かって感謝する詩は、無神論者からみればナンセンスな面はあっても、人と人の絆が重要だと説くシラーの熱い叫びは現在でも一定の意味を失ってはいないだろう。
しかしそれがあまりにも時代を超越した「普遍的な」メッセージでありすぎるために、作曲者のメロディと相俟って完全に陳腐な音楽として届けられてしまう危険性がある。かのフルトヴェングラーを除く今日のベートーヴェン音楽の演奏と同様に。