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陸・海・空・宇宙の次の空間ともいわれるサイバー空間における軍事力のあり方などについてざっくりと解説した本。改めて世間に見えている情報は氷山の一角なのだなぁと実感する。見えている部分から、全体の軍事システムとしての位置づけをよく考えないと、誤った判断をしてしまうと痛感した。サイバーであろうが作り出したのも人間であれば、使いこなすのも人間次第。そこに可能性を見出さないといけないですね。
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情報量は豊富だが、内容は陳腐で面白くない。
構成も内容もバラバラで何も整理されていない。いかにもサイバーセキュリティの素人が書いたような薄っぺらい本。
学生でももう少しまともなものを書く。
戦争という言葉をタイトルに軽々しく使う時点で、国際政治もサイバーセキュリティも知らないんだろう。
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国際ジャーナリストの著者が、各国政府高官、軍事専門家、IT企業幹部などへのインタビューを通じて、「サイバー軍産複合体」の実態を明らかにする。今や個々の兵器は、運用ソフトを含む統合的なシステムの一部に過ぎない。このような統合システムを前提として、部分的にせよ各国の軍事システムをネットワーク化し相互運用を可能とする試みも行われている。それと同時に、完璧なシステムなど存在しないことを自覚しながら、あくまで人間がシステムをコントロールしていくことも重要な課題となる。この点についても、本書は「サイバー軍産複合体」の最前線に位置する関係者の思慮深い発言を多く紹介してくれている。著者も引用するように、我々はアイゼンハワー大統領の次の言葉を肝に銘ずるべきだろう。
「警戒心を怠らない、思慮深い市民のみが、巨大な防衛産業・軍事の機構を平和的な手段と目的に合致するよう強制できる。その結果、安全保障と自由の両方を充実させることができるのだ」
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タイトルがよくない。
サイバーとかレトロフューチャーな言葉出しちゃってまぁ。
でも、内容はしっかりしている。
著者がしっかり取材をして影を追っているというのがよく分かる。
だが、ここには主体が見えない。
この本が描こうとしたのは、技術的な問題ではない。
この状況における主体性の希薄さだと思われる。
クラウド的な主体がアメリカから湧き上がっている。
気がつけば雲が上を漂っている。
おそらくそれ自体を避けることはできない。
雲はどのようにしても影を落とすだろう。
直接対峙するというのではなく、態度を示すことが
唯一有効な方法であるように思う。
主体性を明け渡さないという態度を。
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タイトルからすると、ハッキングによるサイバー攻撃の話かと思いきや、その話題もあるものの中心は、無人機や戦略支援システムの話などがメインであった。ま、それはそれで面白い。
イランの核施設へのサイバー攻撃の話ってニュースでも報じられていたけど、これってアメリカ・イスラエルによるものだったんだ。不勉強で全然知らなんだ。イスラエルはともなくとして、アメリカはやっちゃいけない禁じ手だったな。
無人機ネタは最近別の本でも読んだが、技術面よりも倫理問題のほうが大きいと感じた。無人機は基本は人間による操作だと思うが、それがセンサーを使って自動攻撃にまで進んでいくとこれはいろんな問題を孕んでいく。ターミネーターやマトリックスなどのSF映画が既に先取りしている問題だ。小型自動攻撃蜂なんて某有名ロボットアニメに出てくるバグみたいなもんだ。恐ろしい。今こそ、アシモフのロボット工学三原則に立ち返る必要があるだろう。
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サイバー戦争は21世紀で最も警戒すべき分野だと思っていたが、本書でいろいろな示唆を得られた。ネットを使って多国籍軍部隊を統合的に処理できるシステムが創られているが、実は今はすでにそれを凌駕するシステムができているのではないか、という可能性には恐れ入った。
・1982年6月、シベリアでパイプラインが大爆発したが、2004年3月のニューヨークタイムズは、それがCIAの仕業であるとリークした。
・2011年暮れ、イランはアメリカの無人偵察機センチネルを、GPSを利用して拿捕したが、実はその背後にはロシアがいそう。
・アメリカにある新唐人電視台という独立系テレビ局がある。中国人が対中国政府内容を放送し、中国からサイバー攻撃があるが、仕返ししている。
・キャサリーン・ガン:国連代表部を盗聴してくれ、というCIAからの英国への要請文をリーク。
・携帯のスイッチを切っただけでは、スイッチを遠隔操作でオンにして、周囲2メートルを盗聴することが可能。
・無人機だけを見ていてはだめ。それを支える全システムを一体として見るべき。
・アフガン戦争では、多国籍部隊を統括するネットワークシステムが構築されている。リビア戦争でもこれがあり、おそらく反リビア政府勢力はこれにリンクを許可されているのだろう。前者のネットワークを維持しているのはフランスのタレース社である。
・暗号システムの最大の弱点は、人間そのものである。にんげんの裏切りには勝てない。
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ちらっと他の人のレビューも読みましたが、思いは同じようです。
なんか、おもしろくもない本だった。
もう少し内容を吟味し、整理するべきでしょう。
新書とはいえ、馬鹿にはしないように。
得られた知識はほとんどない。
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今日の戦争について言及するためには必須のホントなるであろう。サイバーそのものを解説しているわけではないが、戦争と強く結びついているということが理解できる本である。
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●:引用、他は感想
書名からサイバー空間の戦争(第5の戦場)について書かれた本と思って読み始めたが、第5の戦場のみでなく、第1から第5までITネットワークを駆使した現代~近未来の戦争、軍隊像に関する内容であった。この辺は以前(といってもだいぶ前だが、江畑健介の著作?で紹介された)予想される近未来の戦争・軍隊像と同じ(だったように思う)。それとも、「自衛隊・新世代兵器 PERFECT BOOK 2035兵器カタログ」か?いずれにせよ注目すべきは、無人の飛行機、船舶、車両でなく、戦闘現場の戦闘員を含む多くの現場からの情報が司令部に集約されると同時にその情報がまた他方面にも関連情報としてリンクされるという、戦闘情報のネットワーク化なのだろう。”原子力空母「信濃」シリーズ”に米海軍と海上自衛隊機のシステムリンクに関する話があったように記憶しているが・・・、
●(無人機ばかりに目を奪われては全体が理解できない―)ここに至って冒頭に紹介した軍事メーカー幹部のアドバイスの意味がわかった。つまりロボット兵器ばかりか、軍隊そして戦争遂行自体の徹底したIT化が進められているのだ。それは米国主導の下に同盟諸国、協力国、特定作戦における多国籍軍参加国へと段階的に敷衍していく。このシステムの「仮想敵」は、国際テロ、大量破壊兵器拡散と”ならず者国家”、そして地域・民族紛争ということになろうか。これが21世紀の「グローバルな新世界秩序」の一断面である。米軍基地再編、性急に行われた感が強い自衛隊組織の再編も、このようなグローバルな軍隊と戦争のIT化の立場から、その意味と目的を今からでも再検証する必要がある。
→「在日米軍司令部」、「決断できない日本」参照
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ITの発展によって、武力の形が変わろうとしている。そういった武力を使う人間が、これまで以上に思慮深くなる必要を感じた。無人で敵陣に侵入したり、攻撃したりすることが容易になれば、人間の突発的な怒りにまかせて人を殺す可能性だってありうるのだろう。
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日本は、国民の気づかぬうちに米国主導で進められてきた安全保障に関するITのクモの巣に、幾重にも取り込まれてしまっている。軍事活動の中枢神経は指揮、統制、通信。それを支えるサイバーシステムが、今や地球を見えないクモの網のごとく覆っている。
動的な問題には継続監視の仕組みが必要。バーチャルな監視と政策提言のシンクタンクを。
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ネットワークの世界の、情報戦争についてかと思ったら違っていて、昨今の軍事システムのIT化をテーマにした本だった。現在の戦争での活用、災害時の活用、などなど著者の人脈を生かした程よく面白い本でした。
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2012年刊。著者は元毎日新聞ブリュッセル(ベルギー)支局長、同所在住のフリー。◆無人攻撃機等のサイバー空間利用による戦術面の変化よりも、所属国が多様な軍隊の統合運用と案件毎の集合離散を可能とする軍事展開のための情報集積環境の設定、その環境が軍事に加え、治安維持を含む民政部分も包含しつつある現代の紛争・治安維持活動の実像を解説。◆印象的なのは2011年/リビア掃討、アフガン制圧と治安維持、ソマリア沖海賊掃討の事例紹介。中でも一番の肝は、この情報集積環境に関する技術面・制御面のヘゲモニーを誰が握るかか。
米国、米国とその取り巻き、それともこれらの技術をソフト面で提供する多国籍企業?。また、現にこのサイバー空間を利用した多国籍軍の統合運用に日本も取り込まれている状況(自衛隊のみならず、これらを開発する民間企業も含まれる)には蒙を啓かれる。PS.本書を見るにつけ、欧州情勢に関しては追いかける必要を感じさせるジャーナリストかも。
なお、フクシマに調査用ロボットが送れなかったのは、ロボット性能、特に人工知能分野の未成熟による(「失われた30年」と評したマービン・ミンスキー。「知の逆転」)という見解も見たが、果たしてそれは本当なのかという疑念を本書によって提起させられた感。勿論、正しい可能性もあるが、機密保持のため出さなかった可能性も想起。
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新聞記者からジャーナリストに転じた筆者が、世界の軍事状況をサイバー空間をメインに説明している。筆者はフリーのジャーナリストなんだろうか。各国の要人や、現場でのかなり中枢の部分にも取材源があるようだ。
冷戦時代と違って「多極化」と言われる現代において、「どこか特定の国や組織の陰謀が全てを牛耳っている」ような単純な図式があり得ないことが読み取れる。
情報や技術の進歩によって汎用化され、超大国でなくても軍事面・地政学的なリスクとなり得るようになった結果、各国、ひいては各々の企業、団体レベルでの思惑が絡み合い、それぞれの目先の利益のための行動が「誰にも止められれない」状況を作り出して収拾がつかなくなっているのではないか、という感想を持った。