「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
読割 50
紙の本
彼は死者の声を聞く (CHOCOLAT BUNKO)
著者 佐田 三季 (著)
グラフィックデザイナーの斎木が取引先で紹介されたのは、画家として成功した幼馴染みの神成だった。斎木が羨望してやまない才能を持ち、今は亡き斎木の姉・朋と魂で繋がっていた男。...
彼は死者の声を聞く (CHOCOLAT BUNKO)
彼は死者の声を聞く
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
グラフィックデザイナーの斎木が取引先で紹介されたのは、画家として成功した幼馴染みの神成だった。斎木が羨望してやまない才能を持ち、今は亡き斎木の姉・朋と魂で繋がっていた男。朋の死は斎木に罪の意識を、神成には斎木への憎悪を植えつけていた。そして死者が見える斎木の左肩には、今もなお朋がいるのだ。十年ぶりの再会は、斎木を過去に―まだ神成が斎木を慕い、姉が生きていた葛藤の日々へと引きずり戻していく―。【「BOOK」データベースの商品解説】
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
電子書籍
慰められました。
2014/07/18 06:04
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:はな - この投稿者のレビュー一覧を見る
障害をテーマにされると平静ではいられなくなります。わかる人にはぜひ読んでほしい。
作者さんがあとがきで書かれているとおりに、身内に障害を持つ方なら胸に覚えがあることだと思う。
主人公の母親が言うように、みんながみんな、ふつうに生きていけたらどんなにいいか。母親はあんまり好ましくはない人ですが、障害児を育てながらふつうにこだわってしまったのかなあ、と考えてしまいました。
それにしても、BLや障害や色々詰めこまれていましたが、長さを感じさせない秀逸な物語だと思います。ご一読を。
紙の本
「凡百の、ちり芥」
2023/06/30 05:48
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:やじやじ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネタバレあり
分厚いです。
でも、これはこれを一冊にして読むべき作品でもあります。
447ページをいっきに読ませてくれる力がある作品
でも、かなり色々抉られる作品でもあります。
とにかく色々と詰まっていますし、色々なところで刃物が仕込まれている。
幽霊が観えるということが、むしろリアル感を増しているような気がします。
主人公の斎木明史
双子の姉は知的障害ではあるが母と父にはより愛されている。
才能という点で画家の父に愛されて、才能が欲しかった斎木の心を抉る
母の「お母さんのお腹の中で悪いところを・・・」の言葉は斎木にとっては過酷すぎる。
それは斎木のせいではあるまいに。
父には「才能がない」とまで言われる斎木
好きを潰される気持ちはつらい
健康な故に、才能がない故に
斎木は両親に無造作に扱われるのだ。
決して愛情がないわけではないのだけれど、無造作ではある。
そして幼なじみの神成
こちらも家庭環境は酷かったけれど、絵の才能は天才
そんな妹と幼馴染の芸術的才能にはさまれて嫉妬と羨望と焦燥にまみれる斎木の気持ちが痛い
そして、性的マイノリティであるということも
学歴や才能のなさとコンプレックスも斎木を苛むのだ。
でも仕事に対する態度や
その世界の片隅に立ち続けたいと思う心は真摯なのですよね。
才能の問題だけでなく
斎木と神成
そこに存在するのは神成の気持ちと姉の死だ
その死によって斎木と神成の立場が逆転する。
神成の中にある愛と怒りと憎しみとそして激しい執着と捨てきれない抱えたもの
愛憎と執着の深さと行動の若干の幼さ故の乱暴さ。
肉体的(怪我もするし!)にも精神的にも切り刻まれるような斎木の状態に
読んでいる方もつらいし痛い。
斎木と神成の傷つけあうような関係だけでなく
斎木の所属する会社の仕事や人間関係も酷い
会社のひどさは、女性社員の行動とその対応にどれだけかは明らかだろう。
もうリアルな痛さがそこここに散りばめられていて
これはどうなるのだろうかと思いながら読み進める
でも酷い人ばかりではない。
叔母さんや西園寺や添田、根岸さんも含めて斎木の周囲にはいてくれるのだ。
大場さんね(西園寺に幸あれ)
人ってそういうものだなぁと。
斎木父の斎木に対する線引きや対応は芸術家としてが基準でその点では容赦ない。
でも彼もまた才能に容赦なくたたかれてもいるのだ。
そして、斎木母の「ふつう」を希求する根底には罪悪感のようなものがあったのではとも思うのだ。
頑なに「ふつう」を求める心は
障害を持った娘を愛する気持ちと矛盾はしないのだろう。
神成の両親については…
もっと書かれても良いのではと思いつつもこれ以上書かれたらこちらの身がもたなかったかもしれないとも思う。
深々と酷さが根底に流れているのを時折感じされられる。
そして、斎木と神成らが手に入れたものは甘々な未来ではない
「罪悪感」「懺悔」「後悔」を抱えて
それでも二人で生きていくという現実だ。
そして死者は「見える」はずなのに
タイトルが「聞く」になっているのがどんときますね。
心が苛まれ薄く切られて読み進める過程で傷つけられながら
いっき読みした力ある作品でした。
紙の本
長いけど、読み応えあります!
2015/10/29 10:12
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Sota - この投稿者のレビュー一覧を見る
まだ、ボーダーは読んでいないけれど、今まで読んだ佐田さんの作品の中では、一番好きです。
斉木は嫌な性格ですが、彼の朋に対しての態度や、才能をねたむ心情など、誰でも共感できると思います。
朋が、ただ無邪気なだけかと思ったら、斉木に対して、「ごめんね」と言ったくだりは、涙が止まりませんでした。
電子書籍
もうひと味
2019/06/11 09:50
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:さなにょろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
攻めと受けはお隣さん。
受けには知的障害のある姉がいて、姉は事故で亡くなる。
その死に受けが関係していて、以降受けは苦しみつつ成長し、攻めと再会する。
攻めから脅されて話がすすむわけですが、
過去、受けは攻めの好意を盾に好き放題したので、そこで受けに嫌悪感を抱く人がいるかも。
再会してからの攻めの好意ははじめのうちは屈折してますが、徐々に真直ぐになります。
うーーん
執着ものとしては物足りなかったかなぁ。
入門編としては十分楽しめます。
受け視点で書かれているので、受けの葛藤や嫉妬や羨望などがよくわかります。
そのあたり、この作家様は素晴らしい。
紙の本
受の苦悩…。
2017/06/30 22:50
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:沢田 - この投稿者のレビュー一覧を見る
幼い頃から隣にいる天才や、障害者の妹に親の関心と愛情を持っていかれてしまう…そういう受の苦悩が理解出来たので、最初は攻にも受の両親にも苛立ってしまいました。
ひたすら重く殺伐とした内容に、読むのが非常にしんどかったです。
全体的には受の仕事や家庭問題のウェイトが大きく、ヤンデレ執着愛要素を期待した割に物足りなかったので、BLとしての萌えはあまりなかったかな。