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紙の本
出星前夜 (小学館文庫)
著者 飯嶋 和一 (著)
寛永十四年、突如として島原を襲った傷寒禍(伝染病)が一帯の小児らの命を次々に奪い始めた。有家村の庄屋・鬼塚甚右衛門は旧知の医師・外崎恵舟を長崎から呼ぶが、代官所はあろうこ...
出星前夜 (小学館文庫)
出星前夜
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商品説明
寛永十四年、突如として島原を襲った傷寒禍(伝染病)が一帯の小児らの命を次々に奪い始めた。有家村の庄屋・鬼塚甚右衛門は旧知の医師・外崎恵舟を長崎から呼ぶが、代官所はあろうことかこの医師を追放。これに抗議して少年ら数十名が村外れの教会堂跡に集結した。折しも代官所で火事が発生し、代官所はこれを彼らの仕業と決めつけ討伐に向かうが、逆に少年らの銃撃に遭って九人が死亡、四人が重傷を負う。松倉家入封以来二十年、無抵抗をつらぬいてきた旧キリシタンの土地で起こった、それは初めての武装蜂起だった…。第35回大佛次郎賞受賞の歴史超大作。【「BOOK」データベースの商品解説】
【大佛次郎賞(第35回)】寛永14年、松倉家入封以来20年、無抵抗をつらぬいてきた旧キリシタンの土地・島原で初めての武装蜂起が起こった。幕藩体制に抗った、誇り高き海民・土豪らの絶望的な戦いを描く。【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
全く違う視点
2021/12/04 19:58
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:TAROLEB - この投稿者のレビュー一覧を見る
歴史で学ぶ島原の乱とは全く異なる視点からの小説で、一気に読了してしまいました。長崎という地が如何に貧しかったか、それを助けたいと思う中間層、争いを始める子供達、いろいろな話が縦横に絡み、最期に繋がる力量に感服しました。必ずしも悲劇で終わらないところも良かったです。
紙の本
蜂起軍が負けるのはわかっていても
2019/09/29 21:56
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
島原の乱を題材にした作品というと、天草四郎時貞を中心にしたものと思ってしまうのだが、この作品は島原の有家村の庄屋、元有馬藩藩士・鬼塚甚右衛門を中心に描かれている。鬼塚の長けた作戦が蜂起軍を勝利に導いていく、しかし多勢に無勢、最後には・・・・という王道のストーリー、ここでの天草四郎はカリスマ性はあるけれど、あまり戦略のことは知らないというポジション。うまい歴史ものというのは、結果がわかっているにもかかわらず、ひょっとしたら、蜂起軍が勝利を収めてしまうではないかというわくわく感がある。この小説がそうで、すっかり鬼塚という初めて知った武将のことを好きになってしまった。
紙の本
久々の骨太作品
2018/12/31 15:04
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:のりちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
傑作でした。島原の乱を別の角度から描いている。教科書とは違う側面が見れて大変考えさせられた。苛政は虎よりも怖しというか、まさしくその通りである。江戸時代の支配体制がいかに過酷であったかがよくわかる。
その中で自分としての独特の世の接し方、権力に阿らない生き方を見つけた寿安に拍手である。
電子書籍
長大な作品
2022/08/01 09:08
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
同じ作者の「雷電本紀」の流れをくむ 政治・社会への怒り 絶望感を主題として打ち出した長大な作品である。一部と二部とでかなり雰囲気や緊迫感が異なるが、やはり激しい戦いの描写が凄まじい迫力を伝えてくる第二部のほうが読み応えがあるかな。宗教そのものが持つ一種のいかがわしさもいくらか感じることができる。
紙の本
意外な展開で。
2015/06/04 15:18
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ほしすたー - この投稿者のレビュー一覧を見る
歴史上の大事件である「島原の乱」。キリシタンの反乱という、という大きな事実は変わりませんが、そこに至るまでの流れ・うねり、教科書等で首謀者とされる人間とは違う主人公達による葛藤、活躍等、乱自体の結末はわかっていますが、徐々に盛り上がっていく感じ等もすばらしく、一気に進みました。
最後に、別の人生を歩んで行った者も描かれており、こうような史実もあったのかと、感動させられました。
面白かったです。