紙の本
マクロ経済学が非常によく分かります!
2018/12/07 10:05
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、経済学を本格的に勉強したいけれど、経済学はなかなか難しいという声に応えて書かれたものです。著者はスタンフォード大学で経済学の講師を務めた方で、学生が選ぶ「講義が上手な講師」のナンバー1に選ばれた方でもあります。そこで、著者の長年の講義経験を活かして、最も分かり易い経済学の教科書がここに生まれた訳です。原著は、マクロとミクロが1冊になっていますが、日本語版では読者の読み易さということを考慮して、それぞれを分冊にしています。同書と合わせてミクロ編も読まれると経済学の全体像が非常によく見えてくると思います。
紙の本
ミクロ編もあり
2023/09/30 10:53
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投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る
政府の財政政策、中央銀行の金融政策、為替相場など現実の経済活動により近い話なのでとても参考になりました。
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経済について理解していない人に読んでほしい
2017/01/21 14:14
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投稿者:コスモス - この投稿者のレビュー一覧を見る
経済学入門というように、経済を理解していない人向けの本だと思います。
経済学に関して基本的な考え方を、比較的簡単に説明してくれるので、
この分野になじみのない読者の方も安心して読むことができると思います。
理系の学部に所属していた自分にも読みやすかったです。
(ミクロ編とマクロ編でレビュー内容は同じ)
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投稿者:ぽんぽん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ミクロ編に続いて購入しました。
高校、大学とほとんど経済を勉強したことがなかったのですが、このシリーズは読みやすいためスッと読めます。ただ内容は理解しきれていないと思います。
専門書や教科書としては不十分な内容かもしれませんが、大人の教養としてやこれから勉強する人の導入本としてはいいのではないでしょうか。
電子書籍
マクロ編も分かりやすいです
2017/09/17 19:51
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投稿者:こぶーふ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ミクロ編が分かりやすかったので、マクロ編も続いて読みました。一般的なマクロ経済学は一通りカバーされています。経済学部じゃなくても、おすすめの1冊ですかと
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目次
第1章 マクロ経済とGDP ー 経済全体を見わたす目
マクロ経済には4つの目標がある(経済成長、失業率の低下、インフレ率の低下、持続可能な国際収支)/GDPは経済の大きさを測る道具(消費+投資+政府支出+輸出ー輸入)/売買の対象以外のものはGDPでは把握できない/不完全な点もあるがGDPは経済状況を知るためのすぐれた道具(最終生産物だけを対象)/経済政策で経済成長を進め、GDPの降下をふせぐ
第2章 経済成長 ー 生活水準を上げるたった1つの方法
年間成長率のわずかなちがいが驚くほど大きな差を生む/最貧国の生活水準が先進国に追いつくにはかなりの時間がかかる/長期の経済成長のもとは生産性向上における3つの原動力(物的資本の増加、人的資本の向上、技術の進歩)/アメリカにもっとも深刻なダメージを与えたのは生産性上昇率の低迷
第3章 失業率 ーなぜ失業者が増えると困るのか
失業は賃金が高いために労働の供給量が需要量を上回る状態/経済学では失業を自然失業と景気変動による失業に分ける/失業率は景気によって揺れ動くが一定の自然失業率がベースにある
第4章 インフレ ー 物価高が給料を食いつぶす
もっとも有名なインフレ指標は消費者物価指数(生産者物価指数、卸売物価指数、GDPデフレーター)/インフレを測る指標はどれも完璧ではない/お金が多すぎて商品が不足しているときにインフレは起こる/インフレ率が高く不安定になると経済は行きづまる/インフレを抑えるにはお金の量を減らして需要を抑える
第5章 国際収支 ー アメリカは世界に借金を返せるか
経済収支には貿易、サービス、所得、経常移転の収支が含まれる/経常収支ではお金が国内か国外のどちらに向かっているかが重要/金融資本の需要量と供給量はつねに一致する(国民貯蓄+国外からの資金流入=民間の設備投資+政府の借り入れ)/アメリカの国外資産よりアメリカにある外国の資産の方が多い/経済成長で経常赤字を減らすには国民貯蓄率を上げること/貿易が増えるから経常赤字が生まれるわけではない/問題なのは2国間の貿易不均衡ではなく全体としてのお金の流れ
第6章 総需要と総供給 ー 需要が先か、供給が先か
総供給が総需要を動かすのか、総需要が総供給を動かすのか/短期的には総需要が、長期的には総供給が重要になる/生産力向上で総供給が増え、その収入による総需要の拡大が理想
第7章 インフレ率と失業率 ー マクロ経済の巨大なトレードオフ
失業率とインフレ率のトレードオフを示すフィリップス曲線/長期的には自然失業率へと向かいインフレ率の影響は消える/ケインズ派は短期的、新古典派は長期的な動きを重視する/マクロ経済政策では短期的な変動と長期的な成長の両方を考慮
第8章 財政政策と財政赤字 ー国の財布の中身をのぞき見る
アメリカ政府の支出は対GDP比で50年間ほとんど変わっていない/アメリカ政府の収入も対GDP比で数十年間大きく増えていない/政府の税収で足りない分のお金は債権で調達する/アメリカ政府の収支はマクロ経済政策の4つの目標に対して適切か
第9章 景気対策 ー 需要がないなら穴を掘らせろ
税金や政府支出は景気調整のために自動的にはたらく/政府が意図して実施する政策は本当に有効なのか
第10章 財政赤字と貯蓄率 ー 赤字のツケを払うのは誰か
財政赤字の増加が国の経済におよぼす3つの影響/アメリカの財政赤字の原因は増えつづける医療関連支出/貯蓄率が上がれば設備投資が増えて国外資金への依存度が減る
第11章 お金と銀行 ー 貸せば貸すほどお金は増える
お金の役割は交換の手段と価値の保存、価値の尺度の3つ/硬貨や紙幣はお金のほんの一部にすぎない/お金の出入りに目を向けると銀行の破綻原因が見えてくる/融資が預金を生み預金が融資を生みだすサイクルでお金が増える
第12章 中央銀行と金融政策 ー 誰が世界の経済を動かすのか
中央銀行の金融政策はおもに預金準備率、公定歩合、公開市場操作/中央銀行は金融政策などでお金の流通量をコントロールする/中央銀行は民間銀行が破綻しないように監視する/中央銀行の役割は金融政策の実施と金融システムの維持
第13章 金融政策の実践 ー 武器の使いどころを考える
金融引き締めは総需要を減らしてインフレをふせぐため/デフレによる不況には金融政策がうまく効かない/バブル対策に金融政策を使うかどうかは議論が分かれる/中央銀行の裁量による金融政策のメリットとデメリット/政治家より中央銀行が金融政策を担うほうが効率的
第14章 自由貿易 ー なぜ外国からものを買うのか
各国が得意分野に専念すれば全体の生産性が上がる/貿易が各国にもたらすさまざまな長期的な利益とは/グローバル化が進んでいても国境の壁は現在も高い/自由貿易における公平さという問題
第15章 保護貿易 ー 貿易をやめると幸せになれる?
保護貿易を支持する人びとの意見は妥当か/未成熟産業を保護すると成長せずに終わる可能性も/保護貿易を支持する理由の多くは説得力に欠ける/グローバリゼーションにより世界はますます豊かになっていく
第16章 為替相場 ー 通貨高で得をする人、損をする人
外国為替相場は通貨の需要と供給によって動いている/通貨が強くなると誰が得をするのか/ブレトン・ウッズ体制から変動相場制へ/長期的に為替レートは妥当な水準になる/政府は自国通貨の価値を下げるべきか/政府の為替介入が抱える2つの問題
第17章 国際金融危機 ー 投資ブームと為替の恐怖
国際的な金融危機はどうして起こるのか/為替レートの急激な変動がもたらす問題とは/金融危機をふせぐ手段はあるか/外国からの投資が減るとアメリカ経済は崩壊する可能性が
第18章 世界経済をどう見るか ー 未来を切りひらく視点
所得と地域のグループ別に見る政界経済の現状/自由貿易に向かう流れはそう簡単には止まらない/国内と世界の両方に目を向け広い視野で考える
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とても中身の濃い本。本来ならミクロ編から読むべき立ったけど、十分であった。失業率とインフレ率との関係や国際収支、総需要と総供給量の関係などとても参考になったと同時に、アベノミクスではとてもチャレンジングな事をしていることが分かった。
著者はデフレ脱却には金融政策は効果的でないと述べているが、日銀総入れ替えしたりと、経済理論と真逆のアブローチを取っている。
もう一度、じっくり読みたい本である。
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マクロ経済政策の4つの目標
①経済成長
②失業率の低下
③インフレ率の低下
④持続可能な国際収支
需要から見たGDPを簡潔に表すと、
GDP=C(消費)+I(投資)+G(政府支出)+X(輸出)-M(輸入) p18
ノーベル経済学賞を受賞したロバート・ソロー「何か1つの目標に向かって突き進まなくてはならないとしたら、実質国民所得を上げるというのは悪くない選択肢だ」p24
預金が複利で増えていくのと同じように、経済の規模も複利で増えていく。
→年間成長率のわずかなちがいが驚くほど大きな差を生む。p27
キャッチアップ効果:経済発展の遅れている国が、先進国が積み上げてきた技術や知識を利用してすばやく成長すること。p30
【長期的な経済成長のもとは生産性向上における3つの原動力】p33
①物的資本の増加(仕事で使える設備が多くなる)
②人的資本の向上(働き手の教育・経験レベルが高くなる)
③技術の進歩(より効率的に生産できる)p33
【世の中の消費を増やすために、政府は2つの道具を使う】p43
①財政政策:減税によって人びとや企業の消費をうながしたり、政府が直接お金を使ったりする。
②金融政策:中央銀行が金利を引き下げて、自動車や家を買うためのローンを組みやすくしたりする。すると企業の生産活動が盛んになり、雇用も活発になる。
もっとも有名なインフレ指標は消費者物価指数(CPI)。p48
「GDPデフレーター」:実質GDPの算出に使われる物価指数。消費者物価指数よりも広範な商品を対象としている。p49
お金が多すぎて商品が不足しているときにインフレは起こる。
eg. 戦争の直後、闇市。p53
インフレを抑えるにはお金の量を減らして需要を抑える。p59
経常収支とはお金の流れの問題であり、お金が国内外のどちらに向かって流れているかが重要。p67
金融資本の需要量と供給量はつねに一致する。p67
Cf. マクロ経済学では恒等式を用いる。
「セイの法則」:「供給はそれ自身の需要を生む」p81
↓
「新古典派経済学」:自由な市場が資源の合理的配分をもたらすという立場。p81
⇔
ケインズ「需要がそれ自身の供給を生む」p82 Cf. 『雇用・利子および貨幣の一般理論』
短期的には総需要が、長期的には総供給が重要になる。p84
生産力向上で総供給が増え、その収入による総需要の拡大が理想。p86
「ゴルディロックス経済」:インフレでもなく、景気後退でもない適度な経済状態のこと。p88
⇒総需要と総供給が、ちょうど潜在GDPのところで釣り合う。
フィリップ曲線:失業率とインフレ率のトレードオフを示す。p89
数年単位で見れば、たしかにインフレ率と失業率にはトレードオフが存在し、綺麗なフィリップ曲線を描く。しかし数十年という期間でみると、失業率はつねに自然失業率へと回帰していき、インフレ率の上昇による効果は消える。by ミルトン・フリードマン p94
ノーベル経済学賞受賞者ロバート・ソロー「短期的に見れば、ケインズ派のアプローチは的を射たものであり、新古典派よりも優れているといえるだろう。しかし非常に長い期間で見れば、新古典派の考え方こそが賢明であり、ケインズ派のかかげる問題はとるに足りないものとなる。では、5年や10年という期間で見た場合はどうかというと、これらの知見をなるべく上手につなぎあわせて、うまく役に立つような混合モデルをつくりあげていく必要がある」p98
「拡張的な財政政策」:減税や公共事業などで世の中のお金の量を増やし、景気回復をうながす財政政策。p112
「縮小的な財政政策」:増税や政府支出削減などで世の中のお金の量を減らし、景気にブレーキをかける財政政策。
【景気調整のための2つの財政政策】p114
①裁量的な財政政策:景気の悪化が起こってから、政府が状況を判断して実施する財政政策。実行までに時間がかかるなどの問題がある。
②自動的な財政政策:あらかじめ税制などにルールとして組み込まれた財政政策。裁量的な政策よりもタイムリーに効果があらわれる。Cf. ビルトインスタビライザー(自動安定化装置)
「リカードの等価定理」:財政赤字が増えると、人びとは将来的な増税を見越して貯金をするという考え方。増税をしなくても節約という形で負担がかかるため、結果的に現世代と将来世代で国債の負担は変わらないと説いた。p124 Cf. リカード「比較生産費説」
「クラウディングアウト(締めだし):政府の資金需要と民間投資について、一方が増えれば他方が締めだされるという考え方。政府が大量の国債を発行すると金利が上昇し、民間で使えるお金が少なくなる。p126
「クラウディングイン(引き寄せ)」:政府の資金需要が増えると、海外から多くの資金が流れ込んでくるという考え方。財政赤字によって経常赤字が引き起こされること。
「双子の赤字」:財政収支と経常収支がどちらも赤字になること。アメリカでは1980年代のレーガン政権下で問題となり、そのあとも構造的問題として続いている。p128
アメリカ政府はテネシー州・フォートノックスに金塊を埋めている。p138
アンブローズ・ビアス「お金は貴重だが、手放すときしか役に立たない」p139
「要求の二重の一致」:物々交換において、おたがいの持っているものと欲しいものが両方一致しなくてはならないこと。之に対し、お金は何とでも交換できるので、相手の欲しいものを持っている必要がない。p142
【中央銀行の金融政策はおもに預金準備率、公定歩合、公開市場操作】p150
「量的緩和政策」:世の中に出回るお金の量を増やすことで、景気拡大を目指す金融政策。日本で2001年から2006年まで行われていたほか、アメリカでも金融危機をきっかけに大規模な量的緩和が実施された。p152
フェデラル・ファンド金利(F・F金利):アメリカの政策金利。銀行同士が短期の貸し借りを行うときの金利で、世の中の様々な金利に影響する。日本では政策金利と呼ばれる。p161
【金融引き締めは総需要を減らしインフレを防ぐため】p169
「実質金利」:名目金利からインフレ率を差し引いた数字のこと。お金の実質的な価値を反映する。p172
【2種類の金融政策】p179
①裁量による金融政策
②システマティックな金融政策
「インフレターゲット」:一定の物価上昇率を目標とし、その数値を目指して金融政策を行っていくやり方。世界20ヶ国以上で実施されており、アメリカや日本でも導入決定。p182
「価値連鎖(バリューチェーン)の分断」:1つの工場で製品を完成させるのではなく、生産プロセスを世界中の複数の場所に振り分け、作業を分担して生産するやり方のこと。191
Cf. 豊田自動車「かんばん方式」
【略奪的価格設定の問題】p208
不当に安い価格設定で外国の市場に参入し、独占体制を築いた上で価格を引き上げるという不公正なやり方のことを、略奪的価格設定といいます。「不当廉売」または「ダンピング」ともいう。
《第16章 為替相場―通貨高で得をする人、損をする人》p213
サンフランシスコ連銀で研究員を務めるケン・カーサ氏は次のように述べる。Cf. Understanding Trends in Foreign Exchange Rates
経済学者を何人か無作為に選んできて、人類にとってもっとも難しい問いは何かと尋ねたら、次の3つの答が返ってくるだろう。
①人生の意味とはなにか
②量子力学と一般相対性理論はどのように結びつくか
③外国為替市場ではいったい何が起こっているか
(ただし順番はこの限りではない)
【中国とインドの成長戦略は異なる】p254
中国は製造業に力を注ぎ、社会主義の政治のもとで市場経済をとり入れてきた。一方、インドはテクノロジーとサービスに的を絞り、民主主義の政治のもとで市場競争をより大きく広げようとしている。
【エネルギー枯渇に対する対抗策】p256
シェールオイル(頁岩層の中に存在する石油)
タールサンド(油を含む砂岩)
トーマス・ジェファーソン「国の健全な活動には、見識ある市民が不可欠である」p260
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大学生くらいがマクロ経済の概要を大枠理解したいと思ったときには、この本が一番いいんじゃないかと思う。読み物風で、大事なことが網羅的にまとまっている。ちなみに、経済詳しくない社会人にもお薦め。
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ミクロに引き続きマクロ編。
ミクロが身近な事象中心(自分がどうしたら相手がどうなる)の領域に対して、マクロはグローバル・政府・中央銀行の動き方で経済がどう変化するかの領域、と理解しました。
このマクロ編を読むことで、最近何かと話題のアベノミクスのやろうとしていることや、日本銀行の異次元緩和の意味ってのが、おぼろげながらも理解できました。
あと、この本のいいなーと思うのは、一通り読んだ後に、目次を見直すと、ポイントかなーと思う部分が、ほとんど目次に記載されていること。こりゃー、内容を見直すに便利だわ。
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ミクロ編に続いて読みましたが、マクロ編はミクロ編よりイメージを具体化しにくいため、読むのに、おそらく2倍以上時間がかかったような気がします。理解を整理するのに止まる場面もいくつかあり、少し苦労しました。
ただ、マクロ編をこれ以上、わかりやすくするのも厳しいだろうなと
内容を理解し終えたあと、思いました。他書のマクロ書との差別化は
ミクロ編ほどつけれていなかったと思います。
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新聞の解説でなんとなくわかっていたことが、本書で明確になったので読んだ価値がありました。貿易に関する比較優位論は本書が今まで読んだ中でもっともわかりやすかったです。
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アメリカ視点だが、ある程度読みやすい。用語補足も随所にあるのは好感。ただ、内容が頭に残り辛い。保護貿易には否定的。前半は、歴史とツールの説明。後半は、現状と解説。将来の見通しは、最終18章。時間が無い時に読み直すなら、この章だけでも良い。
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気づいたときに読むように心がけている、経済関係の本。
この本は、スタンフォード大学の講義を書籍化したもの。
先に発売されたミクロ編に続き、この本ではマクロ経済学が解説されています。
まず、マクロ経済政策の4つの目標が掲げられています。
そしてその項目である、①経済成長、②失業率、③インフレ率、④国際収支、について、以降の章で解説されています。
その上で、財政政策、中央銀行の役割と金融政策、自由貿易と保護貿易、為替といった、世界経済の変動要素について、著者の意見を交えて説明されています。
話題が多岐にわたり、かつそれらが相互にからみあっているので、一度読んだだけで理解できたとは言い難いのですが、マクロ経済が語られる際に、どのようなテーマが議論されるのかは、認識出来たかなと思います。
著者の主張として、財政/金融の政策にしても、貿易の保護にしても、人為的にコントロールするのは限りがあり、また副作用に注意が必要であるということが、伝わってきました。
また、経済成長のベースとなるのが、「生産性の向上」であり、その方法として、技術とそれを活用する人・設備のレベルアップである、ということが繰り返し書かれていたのも、印象に残りました。
この本に書かれている各要素について、さらに知識を深堀りする必要はありますが、世界の経済の動きを理解する入口として、自分にとっては有用な一冊でした。
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学生時代、政治経済学部だったが、ミクロとマクロの違いについて、葉と木全体に例えて俺「分かっているぜ!」と言う感じでいきっていたクラスメイトを冷めた目で見ていたので、経済をミクロとマクロで語る人を見ると、こいつ本当に分かっていっているのか?と斜に構えてしまう事が多かった。
しかし、この経済学入門は実際自分たちが行う経済活動や、ニュースで放送されるFRBの連邦準備制度理事会や、貿易赤字の原因、そしてそれが続くと将来的にどのような影響があるのか?と言う事を分かりやすく説明していて自分でもわかるし面白い。
また、自分が履修した経済学原論の内容を思い出す事も出来た。
そして自分はなんとなくわかった気持ちになっていたが、実際は正面しか理解していなかった事も改めてよくわかった。