紙の本
出版社営業なんてとこに目を付けたら、さらに面白くなった書店ミステリィー。
2020/11/06 14:55
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投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公井辻智紀は、規模としては中の中、文芸書出版社としては老舗の明林書房の営業マン。苗字の井辻をもじって「ひつじくん」とか呼ばれつつ、他社の先輩営業マンたちにいじられたりもします。
作家・大崎梢氏は、もともとは書店員だった経歴を生かし「成風堂書店事件メモ」シリーズでデビュー。そのシリーズが、今まであまり語られることがなかった書店員というシゴトへヒカリを当てた最初の小説…じゃあなかったと思う。
そこへ、今度は、本気で今まで誰も語らなかった気がする出版社の営業マンを主人公にしたひつじ(井辻)くんシリーズ登場。いやぁ、やるなぁと思えます。
さて、そんなコトをベースに、物語は、ミステリー仕立てで、読者も小さく謎解きしながらワクワクしつつ読み進む。収録の5作は、すべてささやかながら幸福なエンディングであって、そこも、好きなところ。ちょっぴりココロを豊かになりました。
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『本を買うこと』について考えさせられる。
子供の頃から比べると、個人の書店はほとんどなくなったし、古本屋さんも新古書チェーン店におされて以下同文。
その新古書店では100円コーナーを冷やかすのも楽しいけれど、最近はほんの数ヶ月前に出た本もあっさり100円落ちしてサイクルの早さを感じたり。
凄くお気に入りの作家さんの新刊は、できるだけ普通の本屋さんで手で触れて買い求めたい。
電子書籍は読み捨てるタイプの物ならありかなーと思うけど、今のところ私が文庫で読みたい本ではお世話になることはなさそう。
つまるところは近所の本屋さんでも作中のやり取りに似た事はあるんだろうなぁと。
なるべく買いに行くから、潰れないでくださいね!
ひつじくんの趣味のジオラマ作りがしっかり進行していて、しかも同好の士まで現れるとは。
ドールハウス寄りで好きな分野なので、読んでいて楽しみなシーン。
待機会のオチ!ヒドイ!(笑。
固唾を呑んで見守ってた読者は多かったろうに~。
成風堂もちらりと登場して嬉しい。
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大好きな本屋さんと成風堂書店のあの人たちがゲスト出演するだけでなく、なかなか馴染みのない出版社の裏側まで覗ける嬉しい一冊。
作中の“宙のシグナル”すっごく読んでみたい。
てか東々賞は誰が取ったの〜〜〜〜〜!?
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◆「とある地方の小さな書店が経営の危機にあるらしい。」よくある悲しい噂のひとつだと思っていたが、書店営業仲間の女性がそのことを妙に気にしていて……。
訪問予定の作家を気にする曰くありげな書店員……。
愉快な他社の営業マンたちに助けられながらも、出版社営業の新人・井辻智紀は奮闘する。東に西に今日も大忙し!
出版社の新人営業マンの活躍を描いた、本と書店を愛する全ての人に捧げるハートフル・ミステリー。
《出版社営業・井辻智紀の業務日誌》第二弾!
第2巻よみました-。
何ていうか、可もなく不可もなく(笑)
前回より、ミステリー要素は強くなってたけど、やっぱり小さな事件を解決しました程度かな^^;
いっそのこと、ミステリーって言わなかったらスッキリするのに‥(笑)
内容も1巻の続きって感じで、変わり映えはなかった!
エピソードによっては気に入った話もあったけど、これは終わりがない物語だからね-‥書店員さんシリーズみたいに尻すぼみで終わるか、長編1作書いて終わるのかな?
なんにせよ、やっぱりドラマ向きかも^^*
勝手にキャスティング!笑
井辻:小池徹平
真柴:北村一輝
吉野:岡田翔生
細川:アンタッチャブル山崎
岩淵:佐藤隆太
海道:阿部サダヲ
秋沢編集長:木村多江
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出版社の営業マン・井辻智紀が主役の、出版書店業界の日常の謎を扱った短編集。でもミステリ的要素は軽めで、本や書店が好きな人のための物語かも。
出版・書店業界は斜陽の業界かも知れません。問題点もいくつもあるでしょう。でも好きなんだという気持ちがギュッと込められています。その好きという気持ちに心揺すぶられて涙腺が緩むこともしばしば。いや、涙腺弱くなっているねえ。
ただ、業界小説っぽい説明が多過ぎて、そこがまた面白いんだけど、ミステリとしての物語の面白さにもそろそろ比重を置いて欲しいなとも思ったり。好きで面白いからこそ想うものなんですよ。
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解説などでは業界人受けが書かれるこのシリーズですが、読み手としても本に関わる裏側が垣間見えて面白い。
今回の本の中では「プロモーション・クイズ」が面白かった。あの成風堂とのコラボ作品でもあるし、作中のなぞなぞに引っ張られてぐいぐいと引き込まれてしまいました。
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出版社の新人営業マン井辻くんが仕事に奮闘しながら
本や書店、その関係者の周りのちょっとした謎を解いていく物語。
書店員さんが主人公の成風堂シリーズともちょっとだけ、
名前だけだけど、ちょっぴり登場して絡んだりして。
うーん、正直ミステリとしては物足りないかな。
それぞれの謎が判明した後の展開がないのも淋しい。
いろんなものを放り出されたまま別の話にいって
最終的に回収されるわけでもなく・・・
ただ、出版業界のことを知りつつ物語を楽しむってことにすると、
これはなかなか興味深い。
これを読むまで、これまでたくさん本を読んできたくせに、
出版社と書店の間にある「取次会社」の存在を知らなかった。
取次会社のことを重点的に物語にしてくれたら
もっと嬉しかっただろうなー。
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謎解きしてるようなしてないような、
営業マン、イツジ君の小さな冒険。
あれ、威風堂がでてきてる!?
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出版社新人営業マンが主人公のミステリシリーズ二冊目文庫化。なんと解説は日販にお勤めの方です-_-b!
解説者さんはなんだかモヤっていらっしゃるようでしたが、この短編集の白眉はやはり「ビターな挑戦者」だと思う。良い話だった。作中の取次会社員が言う「売れない本、ちまちま作ってんじゃねーよ」は、閉店が決まってしまった書店の店長が言う「いい本を出してくれよな」と同じ気持ちから出た言葉だと思うから。
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◇五篇
「ビターな挑戦者」
「新刊ナイト」
「背表紙は歌う」
「君とぼくの待機会」
「プロモーション・クイズ」
解説:古幡瑞穂「取次にも愛を!」
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ミステリとしては致命的なほどに「説明が下手」。
ただでさえ「謎」とも言えないような些細な件の「謎解き」をするという業を背負っているのに、さらに説明がわかりにくく何回もひっかかるせいもあり、スカッとした読後感とは無縁な作品。
文章力って、向上しないものなのかな、って考えてしまいますね。
すごく魅力的な文章、文体を持っている作家はデビュー作からそれが顕著にわかるし、下手な作家は、ずっと下手なまま。
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出版社営業という仕事。一読書家である我々に密着した市場で働きながらも、その業務は判らない。そんな人たちが本とその近辺の人達のためにかけずりまわるミステリ連作の第二段。
書店員出身の作者だけに描写の根底に本好きがゆったり表現され心地良い。
今回は出版という仕事1つずつを洗いだしそこで起きる小さな謎を楽しませてもらえた。取次会社とのやりとり、サイン会、地方書店と弱小出版社、文学賞、帯。根底に優しさがある作品群です。安心してお奨めできる。前巻からでなくとも十分楽しめる。
しかし、前シリーズ書店員シリーズも読むとご褒美があります。って前巻もか。
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「平台がおまちかね」に続く第二弾。
今回も書店を舞台にした謎を解いていく連作短編集です。
中堅出版社の新人営業マン・井辻君は、
職場のデキる先輩や同業他社の個性溢れる営業マンたちに囲まれ、
毎日奮闘の営業活動。
その中で出会ってしまった小さな謎を解くのに全力を尽くします。
時には上手くいかないこともあって、落ち込んだりすることもありますが、
その場面ですらほのぼのしてしまいます。
なにより井辻君を通して出版業界や書店の裏側を垣間見ることができ、
読んでいて楽しい小説です。
最後、別シリーズのキャラクターが登場します。
発刊順に読んでいれば“あの人だ”とすぐに分かって、
くすっとくる場面がありますので、
できることなら発刊順に読むことをおすすめします。
私はそのシリーズば未読ですので、
残念ながらクスッとすることは無かったのですが、
それでも十分に楽しめました。
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書店が働いていたことがあったから、懐かしく思った。
ひつじくんの諦めない、優しさ、素敵だと思う。
自分ではなしてみないと人からの噂ではその人のほんとのところは誰もわからない。
大崎さんのミステリーはいつもとけない。
賞はいったいだれがとったのかわらなかったりしてなんだか不完全燃焼。
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お仕事小説。
本屋と出版社の関係が興味深かった。
地方の本屋と出版社の関係は希薄なのだろうか?
最終話の「プロモーション•クイズ」のは別の小説のキャラが出て来て
嬉しいリンク。
「君と僕の待機会」で、細川というキャラと太川は同一人物なのだろうか?