電子書籍
分かりやすい
2021/07/15 22:12
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なのはな - この投稿者のレビュー一覧を見る
素粒子物理学が専門の著者の多田さんが書いた宇宙学の講義の本。ブラックホール、ビッグバン、暗黒物質、宇宙の成り立ちについて、とても詳しくかつ素人にもわかりやすく解説されています。宇宙好きな私にはほとんど既知の内容ではありましたが、要点がはっきりしていて、かつ文系でも分かるような例を挙げて説明していて、とてもタメになる話でした。時には自虐的なネタを入れるユーモアもあり、講演を生で聴いているように引き込まれました。宇宙の本はいままでもたくさん読みましたが、分かりやすさではトップクラスの本ではないでしょうか。
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:宇宙人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本はドキドキがとまらなかった。
わかりやすい。
投稿元:
レビューを見る
ブラックホール、ビッグバン、暗黒物質、誰もが一度は聞いたことのある用語を掘り下げながら、宇宙誕生137億年を遡る。面白いのは、著者が宇宙の専門家ではなく、スケールからいえば真逆の素粒子の専門家であること。宇宙にロマンティシズムなど感じていないと言い張る著者の語り口は、いたって平易かつ簡潔、想定する読者と同じ門外漢だからこその説得力に溢れている(しかし物理学においてマクロとミクロはいずれ統一されるべくものではある)。また、"宇宙の歴史"というのは、同時に人類の"理論と実験の歴史"でもある。著者も言うように、"本書は、厳密には「宇宙の本」ではなく、「人類がいかに宇宙を知ろうとしてきたか、その科学的な考え方を描いた本」"に相違ない。科学において、歴史は常に「書き換えられ」続ける。新しい理論、新しい実験の積み重ね。そして、そこにこそ、素粒子、宇宙の隔たりなく自分たちの学ぶべきものが詰まっている。(かのケプラーの師、ティコ・ブラーエのエピードは印象的。彼は、夏と冬で同じ星の見える角度が違う"年周視差"が観測できないことから天動説をとった。しかし、今では、その"年周視差"こそ地球が公転している紛れもない証左となっている。望遠鏡のない時代、彼に0.0001度を観測することは難しかった。彼の理論は間違っていなかったが、まだ技術が追いついていなかったのだ。これは現在にも大いにありうることだろう。)本書は、ある講演を書籍化したものだが、ぜひともライブで聴講したかった。次回あるときや必ず。
投稿元:
レビューを見る
これは面白い。
講義から起こした本だからということも手伝ってるが、学問への入り口を意識して謙虚に書かれている。
何で高校の頃物理って嫌だったんだろうか、振り返って考えても全く分からないのだが、今更言っても後の祭りであることだけは間違いない。
ともかく今からでも身につけたければ本当はこの本を何度も読んで自分のモノにして次にステップアップしていくべき。勉強と同じで自分に合う本を数冊覚えきるのが頭の良いやり方だが、ついつい目移りするんだよな。
この作者の処女作は読むこと決定、こうして素人の漁りは続いていく、、、
投稿元:
レビューを見る
宇宙がどのようにしてできたのかを理解するのには、素粒子物理学の理解が必要なのでしょうが、これが全く分からない。(素人の私だから当たり前といえば当たり前なのだが)宇宙はとにかく目に見えるのでそれなりにイメージができるし、重力によって空間が歪むということもぼんやりと分かったような気にさせてくれるのですが、「スピンとは、粒子自身の角運動量のことですが、ここではとりあえず、高速でくるくると自転している姿を思い浮かべてください。」と言われてもなーぁ、って感じです。でもこの本は大いに楽しめました。
投稿元:
レビューを見る
「すごい宇宙講義」の「すごい」に惹かれて買ってしまいました。
本書は実際に講義された内容を本に書き起こしたものです。そして読了後に思った事は「この講義を聴講したかった」です。
著者の多田氏は宇宙の専門家ではなく素粒子の専門家です。ではなぜ宇宙の専門家ではない多田氏が宇宙について講義をしたのか。
それは宇宙の起源を追求することは、素粒子の成り立ちを追求することだから。なんのために高エネルギー研究所で素粒子の研究をしているのかは、裏を返すと宇宙の紀元を知る事でもある。
ということで物質と反物質の話からブラックホール、そして暗黒物質に話が展開され、最後に宇宙の紀元と素粒子の成り立ちや大統一理論までさかのぼる。
途中、難しい数式話にもなるのですが、理系、文系に限らずこの宇宙の話は我々人類が活きている「場」の話でもあり興味深いと思います。
でも宇宙を学問として勉強するには高度な数学と物理学の知識が必要なんだよな。まぁ、本書はそれがなくてもなんとなく今の最先端の宇宙の成り立ちについて知る事が出来ます。
私は重力による場のゆがみが、2次元の絵で表現されながら、実は3次元存在する、といったあたりが目から鱗が落ちました。
投稿元:
レビューを見る
非常に分かりやすく、確かにこれは「すごい」。だいたい知っている内容が多かったのですが、正確なイメージができていなくて、正確に理解できていなかった事が、分かりやすいイラストと楽しい説明により、「こういう事だったのか」というように、自然に頭の中に入ってきました。これで、子どもにも宇宙の事を説明してあげられそうです。
投稿元:
レビューを見る
前回は高校生のための素粒子論講義だったが、今回は一般向けの宇宙論講義。ということでもっと遠慮なく話している。今回も解説はわかりやすいが、内容はかなり難しい。
見えないものを頭脳と実験で見つけてしまう物理学者たちに大いなる敬意をいだいた。
投稿元:
レビューを見る
■文章もイラストも秀逸。
■読了後,小さなことでクヨクヨするのをやめようかな…
と,ちょっと前向きになれるかも?
(宇宙系の本の読了後にありがちだけれども。)
投稿元:
レビューを見る
最終章を除くと、最新の宇宙理論をわかりやすく説明してくれている。NHKの白熱教室のウォルター・ルーウィン教授の番組を見ていたおかげで、より分かり易かった。ありがたや、ありがたや
投稿元:
レビューを見る
素粒子論と宇宙の成り立ちをからめたお得な本。でも逆に言うと、扱う事象が幅広いのでひとつひとつの解説は薄いです。ある程度知識がある人が読まないと、なんとなく「へー」という感想しか持てないんじゃないでしょうか。想定している読者層がよくわかりませんが、私はS・シンの「宇宙創成」やNewtonの「素粒子論」、「相対性理論」ムックを読んだことがあるので、なんとなく知っている話を思い出しながら読みました。
投稿元:
レビューを見る
素粒子物理論を専門とする著者が行った宇宙論についての一般向け講義を書籍に落としたもの。「ブラックホール」、「ビッグバン」、「暗黒物質」、「宇宙創成」の4回の講義から成る。
確かにわかりやすい。ローレンス・クラウス『宇宙が始まる前には何があったのか?』を読んだ後だとかなりすっきりわかった気がする。難易度からすると、読む順が逆かもしれないが。
本書含めて、いくつか最新宇宙論の本を読むと、科学者のひも理論に対する姿勢に大きな温度差があることが感じられた。直接的にそうとは書いていないが、著者の目にはひも理論はまだまだ仮説としても話せる段階にないと判断しているようだ。
ひとまず、この本一冊で今の宇宙論のパラダイムはわかると思う。もちろん、このパラダイムは将来変更を余儀なくされるかもしれないし、このパラダイムの中でも様々な修正が加えられることになるだろう。ただ、少なくともこの本の中でも言われているように、この広い宇宙の中の特定のある一点かつある一時にいて観察できる範囲の情報からの仮説の積み重ねだけで人類はよくぞここまでの認識のレベルまで持ってきたものだ。それはある意味もっともっと感動してもいいことだと思うのだ...そういうことを少し感じることができる本。
投稿元:
レビューを見る
『すごい実験』に続く第2弾。
どのような観測でブラックホールがあるとわかったのか、分かりやすい解説。
また、以前祖母がガン治療でガンマナイフを受けたのだけれど、反物質の件で現代医療にも関わっていることに驚き。
こうやって一つ一つ、謎が解明されたり覆されたり、でもまだ宇宙は謎多き存在。
物理学では結果より考え方が大切と力説される多田さんが好きだな。
学生時代、難しそうなイメージから物理学は専攻しなかったのを今さら後悔。でも、興味ある今だからこそ、楽しめるのかな。
投稿元:
レビューを見る
前作の「すごい実験」に引き続き軽いタッチで非常に読みやすかった。文系の宇宙好きの方でも楽に読めるのではと思う。内容も古代から現在に至るまでの理論を順序良くまとめられており、また現代物理の難しい理論も噛み砕いて説明してあり非常に分かりやすかった。
東京カルチャーカルチャーでの講演を基に本にしたようです。NHKの白熱教室でも宇宙論をやっていたが、こちらの講演も見てみたかった。
投稿元:
レビューを見る
基礎から分かりやすくとても良い本。『すごい実験』ではガールズ&パンツァーが出てきたが,これにはまどマギ(キュゥべえ)が登場。
身近なモノ,コトを引き合いにした譬喩が軽妙でそこも魅力的なのだけど,一ヶ所ちょっと気になる記述が↓
「ラーメンをふーふーして冷ますのと同じで、口の中で圧縮した空気が圧縮から解放されて元の気圧に戻るとき、膨張して(息は)冷たくなるんです。圧縮しないで同じ気圧で吐き出しても(ハーハーしても)冷たくありませんよね。」p.142