紙の本
ここに書かれたメディアの近未来は、文句なしに楽しそうです
2020/12/27 16:41
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投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
もう、サブタイトルからして「Monetize or Die?」...稼ぐか?死か?だったりするし、帯に書かれた宣伝文句は以下のごとく。「米国の新聞社・出版社が繰り広げている「血みどろの生存競争」が日本にやってくる!」。
なんだか、切羽詰まった、物騒な印象を醸すんですが、読んでみると、メディアの未来を明るく照らす本でもあった。もちろん、既得権益を守る立場にないならばという条件付きかもしれないけれど。
組織でオーソライズされたことより、普通の個人のしかしユニークなキャラクターを重視する。専門性とか特化ではなく、多用性そしてフレキシブル。
...実は、本書が出版された2013年から5年以上たってますが、現実はどうなってるか?ふーむ。
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本書にも紹介や引用がされてますが、田端さんの「MEDIA MAKERS」と合わせて読むと、ある程度のメディア論?が理解出来る。
メディアの世界でも大きな地殻変動がネットによってもたらされた。
本書ではその対応というより、未来に向けて会社として、メディアに関わる者としてどう「変化」すれば生き残れるかという意見書である。
前半は海外メディア会社の変化事例を基に、どういう生き残り策(現時点での)があるのかを明記する。
後半は個人として、どのように変わる、考える必要があるかを説いている。
最も面白かったのは、最後のようで語られている
「最適なパッケージ」を思考するという部分。
これは紙で表現するのか、ウェブで表現するのか、動画か、ライティングかなど、表現方法を伝えるためにどうするかと。
おそらくこれからはメディアにしろ、広告にしろ、「伝えるには何をする」を深く考え、最適解を出すことが求められるんだろうと、これが広告だけでなく、編集者側から出したのが最も面白いところではないかな。
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個人がメディアになれる時代。
そんな時代に既存メディアがマネタイズできるような情報を提供していけるのか?
どんな情報に価値があるのか?
稼げるメディアとは、つまりユーザーのニーズに応えられていることになる。
ユーザーのニーズは多様化していて、メディアに対する不信感もある。
そんな中、本当に難しい課題。
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2013年に東洋経済をビジネス系サイトNO.1に導いた「東洋経済オンライン」編集長の佐々木紀彦氏によってかかれたビジネス本。
「5年後、メディアは稼げるか」という題名のとおり、近い将来メディア界で起こりうる変化や、その変化にともないメディア担当者にもとめられるであろう知識やスキルを、実際のデータをもとに理論的に説明されている内容です。
日本だけでなく、海外の媒体データも取り上げているので非常におもしろいです。
電子書籍の例にもみられるように、媒体が紙からWEBへ移行していっている風潮はいなめませんが、その移行の際にメディア担当者が気をつけるポイントを、紙とWEBの特性を比較した上でわかりやすくおしえてくれています。
ただ、すべてをWEB媒体にしていけばいいってものではなく、情報の種類によりどの媒体がよいか向き不向きがあることも、提供する情報別に分類して説明されています。
媒体は何にしろ、メディアを通じて稼いでいくのに必要な要素がたくさん詰まっている本なので、情報発信することをお仕事にされている方は、今後のお仕事の参考になること間違いなしの1冊です。
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どうして両方の良いところを共用しようとしないのだろうか。
Webの良いとこと紙媒体の良いところは明らかにすみわけできるはずなのにこれからはデジタルの時代アナログは古いと一蹴されて終わり。その考え方が人に波状する。だがらもうすでにWebメディアも終わりの予感がする。
強力な爆弾はすでに埋められた世界は情報の波におぼれてしまうだろう。お若い人たちは気をつけましょうね。
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メディアが今後どうなっていくのか?これは興味深い話ですからね。そして反オンラインを貫く宝島社の姿勢・理由
ここにも興味が深いです。Facebookで自分のページを持っている。これも一つのメディアなわけなのです。誰もがメディアを持てる時代、どのような戦略を持つべきか?皆さんも参考にどうぞ!!
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めちゃめちゃおもしろい。
単純にメディア批判をするのではなく”ジャーナリズムの独立性”を守るためにはマネタイズをする必要性がある、というのは非常に納得。
さらに、「〜〜と批判する人はいると思うが、〜〜」と読者がつっこむであろうポイントをあえて先に潰してるのがおもろいw
世の中の権力の監視をするため、世界情勢を公正公平な視点からデリバリーするためにもジャーナリズムは必要だと思う。ただ、いまの日本のメディアがこのままでいいとは決して思わず時代にフィットしたものとなりよりよいものになれれば、この激動する世の中に一役かえるのではないかと改めて感じた。
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『東洋経済』で紙の担当から、ウェブの編集長になった筆者が、紙媒体がウェブ化される中、ウェブメディアが儲かるようにするにはどうするか、そのためにどのような人物が必要かなど、語る。アメリカで起きているマネタイズのビジネスモデル、それを日本のメディアに持ち込むとどこがうまくいくか、うまくいくための要素など、おもしろい見方だと思う。
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業界の状況や分析がまとめられていて勉強になりました。「マネタイズか死か」という見出しはなかなか気合いが入ります。今日も頑張ります(笑)
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ネット広告は安いから、紙の広告収入を補填できない。課金に成功するには、法人契約、調査、分析がされている価値ある記事になる。新しく稼ぐビジネスモデルを確立出来るか?というのが本書で言う血みどろのたたかい。
出版研究ゼミで教えて貰った話と同じだった。
モノを売ってはいるけど、ウェブになりますからね。大変よ。野菜はウェブ上にはコピーできないし。
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【起業家ジャーナリスト】p30
『フリー』『メーカーズ』などの著書で知られる『ワイヤード』誌元編集長で起業家のクリス・アンダーソン、グローバル情報誌『モノクル』のタイラー・ブリュレなど、編集とビジネスセンスを兼備した人材が世界で活躍の場を広げている。
【一貫性よりも多様性】p48
ウェブメディアの記事構成は、テレビ局の番組構成に似ています。テレビ番組には、堅い報道番組もあれば、お笑い番組もあれば、ドラマもあれば、スポーツ中継もあります。同じようにウェブメディアでも、多様性がポイントになります。「東洋経済オンライン」でも、恋愛ネタからお堅い経済ネタまでを網羅した、バラエティに富んだラインナップを意識しています。
【雑誌が紙である必要はあるか?】p56
「速報性のあるもの=ウェブ」「ひとつのテーマを深堀りしたもの=雑誌」というふうにうまく住み分けられれば、ウェブと紙は幸せに共存できます。ウェブの編集部は毎日番組を創るテレビの製作部隊で、雑誌の編集部はひとつの作品を創り込む映画の製作部隊のようなイメージです。
ウィリアム・デレズウィッツ「リーダーシップにとって、真に重要なのは想像力であり、新規かつ逆張り的な物の見方を考え出し、それを表現する勇気です。よきリーダーであるためには、いかにしてひとりの時間をつくるか、ひとりで思考に集中できるか、大多数の一致した意見に左右されないか、をわかっていなければなりません。"孤独”とは、ひとりで静かな時をすごすことへの自信と心地よさです」『週刊東洋経済』(2011年11月26日号)p172
ショーペンハウアー「文体は精神のもつ顔つきである。それは肉体に備わる顔つき以上に、間違いようのない確かなものである」『読書について』p174
<メモ>
cakes
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「5年後メディアは稼げるか」読了。
米有料メディアと国内既存メディアの現状比較を中心に、日本産メディアのこれからのマネタイズ方法について分析をする、日本の紙メディアに携わる人の羅針盤となる間全員に必読の本。
情報爆発の時代。自社の価値をどう情報化、仕組み化してマネタイズするか。帯のコメントが全てを現している。「マネタイズか死か」。
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ネットのメディアを追いかけていると、知っていることも多い。だが、頭の中が整理されるのはもちろん、整理されていく中で気づかなかった視点が次々に出てくる。
これからのメディア新世界で起きる変化、紙→ウェブへきて気づいたこと、米国製メディアのマネタイズ例、ウェブメディアの稼ぎ方、メディア人のキャリア論など。
いかにマネタイズするか?という切り口で統一されているのが面白い。モデルケースは語られるものの、著者もそれがベストとまでは決して明言しておらず、まだまだウェブメディアのマネタイズ方法の完成形は見えていないことが分かる。
こういったウェブメディアに携わる人の本を読みたいが、まだまだ世の中にあまりない。
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間も無く30代になってしまいますが。この手の本はこれまで多くあって、そのたびに未来の予言は実現されない。結果として危機感が薄いまま、ずっと時間ばかりが過ぎている。ドラスティックな改革が必要だった海外メディアではようやく成功の潮流がででいる。著者は「起業家ジャーナリスト」の必要性を特に強調している。ビジネスに対する理解の必要性は深く頷ける。かつて時事新報を創刊した福沢諭吉が遂げたイノベーションをもう一度、再現する必要がある。じゃないと、現実問題、15年後ぐらいは食えなくなってしまうかもしれないし。
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業界の人間の端くれとして襟を正しつつ読む。日本では紙の本はなくならない、と聞いて少し安堵していたら、本書の最後に、40代の紙媒体に慣れ切った人間は今後ますます厳しかろうという話。でも当たってるかな…。