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絶賛したアベノミクスの成果はまだ見えないが・・・
2017/09/07 18:20
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投稿者:セーヌ右岸 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、黒田日銀が異次元金融緩和政策を開始した数ヶ月後に発行されたものであり、コーディネートされた金融・財政政策の政策パッケージであるアベノミクスを絶賛している。「この政策実験がうまくいけば、まさに日本は世界各国のロールモデルになることができる」と、デフレ脱却に大きな期待を寄せている。教授は、「インフレ率が2パーセントに届かないという状況になっても、さらに手を打っていく、というメッセージを伝えなければならない」、「何が何でもやる」、「インフレ政策で景気の好転を期待させようとしているうちに出口戦略をうんぬんするのは、市場からの信頼を失うだけである」等述べている。大規模金融緩和政策開始から4年半がたち、インフレ目標に達しない現時点で振り返ると、日銀はまさしく教授の指示通りの対策を打ってきている。果たして、日本経済は世界の希望になれるのか。このまま何年走り続けるのか・・
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アベノミクスのガイド本
2013/10/07 08:30
9人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、ノーベル経済学賞受賞学者によるアベノミクスへのエールです。
解説に「本書を手にとる方で、ポール・クルーグマンの何たるかを知らない人はいないだろう(183ページ)」とありますが、私は全く知りませんでした。というか、経済学に関心のある方以外はポール・クルーグマンなんて知らないのではないでしょうか。買いかぶりもほどほどに。私は単純に表題に興味を引かれて買ったにすぎません。「日本経済が世界の希望になる」ということをノーベル賞学者が主張しているいなんて驚きだったからです。
どうやら彼の理論を実践しているのがアベノミクスで、世界で初めての試み(51ページ)ということらしいです。まあ、数年後にならないとアベノミクス効果は実証できない訳で、読後の感想としては、「何とも言えない」の一言です。仮にアベノミクスが失敗したとしても、その時は「自分の理論どおりの実践ではなく失望した」と言い逃れするのでしょうから、学者なんて気楽な商売だなあと思います。ただ、私たち日本人は「失敗しちゃったね」では済まされませんから、彼のように興味本位の「高見の見物」というわけにはいきません。
それにしても、アベノミクスの未来を縷々述べてきた最終的な結論が、何と「日本人はもっと英語を勉強しろ」とは一体・・・。一応、訳者も解説で苦言を呈しています(192ページ)が、結局は馬鹿にしているのでしょう。本書の焦点は何だったのかと私も苦笑してしまいました。まあ、アベノミクスのガイド本としては一読の価値はありますが、それ以上のものは期待しない方が良いでしょう。
それにしても、1,000兆円もの借金があり、年金破綻は確実で、将来不安のために少子高齢化に歯止めがかからず、原発問題も一向に先が見えない国が、果たしてアベノミクスだけで世界の希望(≒鏡)になるのでしょうか???
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所詮経済学者なんて碌でもない
2023/12/29 13:11
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投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
処分のため再読。アベノミクスは大失敗。初読時の嫌な予感が当たってしまいました。それにしても、アベノミクスにお墨付きを与えたクルーグマンは、この大失敗に対してどう思っているのか?きっと「アベノミクスは自分の理論とは違っていた」なんて言って保身しているのでしょうね。所詮経済学者なんて碌でもないことが実証されました。まあ竹中で分かっていたことですがね・・・。それにしても「アベノミクスはトリクルダウン」と何度も強調していましたが、潤ったのは大会社だけ。円安も止まらず、安い日本はどうなってしまうのでしょうか。
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内容は既出が多いものの、デフレ脱却を唱えるアベノミクスを注意深く見守り、その成果に期待し援護射撃を行うとともに米国そして世界の経済運営にも是々非々で語り、その未来を展望する。
法人税減税、TPP等に関する考察もとても興味深く、日本国債の空売りはウイドウメーカーとして、消費税の引き上げは反対のようです。
30年後の世界経済はビッグデータにより可能性を拡大されたITが牽引するとのこと、今後のICTそしてAIの発展がとても楽しみです。
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クルーグマンによるアベノミクスの評価。ざっと7割くらいは肯定的な意見であるが、そうでないところに対してはそれぞれ独自のアドバイスを提供している。新書なので、全体的に細かい議論は抜きで主張ばかりか書かれているが、それでも十分な説得力があった。
ここはらは感想。個人的にはだいぶマクロ経済学の知識が抜けてしまっているので、あまり批判的に(というか理論と関連づけて)読めなかったのが残念でならない。おそらく、クルーグマンの議論も基本に基づいたものばかりであるのは何となくわかるので、もう一度マクロ経済学をしっかり復習した後で読み返したい。
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クルーグマンがアベノミクスを評した本。
要するにデフレを何とかしろ、インフレターゲットは2%目標でも良いが、本当なら4%目標が良い、財政緊縮はあり得ない、みたいな話。
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ノーベル経済学賞を受賞した、ポール・クルーグマン氏の著書。大変、分かりやすかったです。アベノミクスに対しては満足げな感じです。デフレよりも、インフレの方が良いと言う点が、根底にあります。そして、継続的に実施するという政府の姿勢と、財政緊縮でなく、金融緩和が大切だという。消費増税もいけないとのこと。
デフレの方が、手持ちの現金の価値も上がるし、資源も安くなると思ってきましたが、適度なインフレも雇用への貢献や金利低下による政府債務の削減に貢献すると知りました。結局、デフレでもインフレでも、きちんとした政策を取り、実施する仕組みが必要かなと感じました。中途半端が一番駄目ですね。
他にも、アメリカのシェールガス革命や、中国、ブラジル、EUについても少しずつ触れています。平時でない時には、学者出身の人が日銀などのブレーンになるべきだと言うのは、官僚出身の人が多く頂点についてきたことを考えると新鮮でした。
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クルーグマン先生の本はタイトルがうまかったり、読みやすかったりでつい買ってしまうのだけど、キャラクターと主張が一貫しまくっているせいで「おお、また買ってしまったわ・・・」という展開になりがちです(笑)
突き抜けてリベラルで好戦的、そして(良くも悪くも)日本が気になって気になって批評したくてしょーがない、という風に見えなくもないです。米国のリベラル系の理想国家像はもしかしたら日本にあるんじゃなかろうかとまで一瞬錯覚してしまうような感じでしょうか・・・
世界の経済学者からすると、日本ほどの(資源以外のありとあらゆるリソース上の)高いポテンシャルを持つ規模・存在感の高い国家が経済実験のようなことをしょっちゅう行っているのを目にするとさぞや一枚噛んでみたり影響を与えてみたりしたくてうずうずするんじゃないかと思います。
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本書のボリュームのほとんどは近年の欧米における経済政策のレビューに割かれていてタイトルの「日本」にかかる部分はほとんどありません。
趣旨としては、「やっと日本も(私がかねてから主張していた)インフレターゲットを導入した。うまくやってくれよ」という程度です。
本書の内容からははずれますが日本における英語教育が甘い、と言う指摘はぐっときます。
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主張のかなりの部分で賛成出来た。やはりアベノミクスの方向性は間違っていないし、増税はするべきではない。国会議員と官僚には読んでもらいたいものだ。
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グレーグマン先生直々のアベノミクス称賛本!先生が15年前から主張したことを実戦しはじめた安倍政権称賛です。まだ始まったばかり、結果は2年後その時日本はどうなっているのでしょう?
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消費増税はクルーグマンによると
誤りか・・・
第三者として
日本経済がどうなるのか
実験として興味深いけど
当事者としてはこわいぞ
願わくばクルーグマンの
見立てがあってますように
日本人はもっと英語を
という指摘は耳が痛い
山形浩夫の解説にちょっと安心
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ケイジアンであるクルーグマンの、アベノミクスに対する評価の語り下ろしです。
この学説がよいかどうかはわたしにはよく解らないが、「財政緊縮はだめ」で、「どんどん金融緩和してインフレを維持していけばよい」という理論は、素人考えでは「やばいでしょ」としか言いようがない。
金融緩和したものが金融の世界のみに留まり、一般の手元に届かないのが問題なのになあと嘆息。
しかし、増税反対・TPP反対(産業の利権を代表するものByスティグリッツ)の立場をとっているので、現在の政界に食い込んでない理論なのかな…もう少し同じ学派を読み進めよう。
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◽️既存産業のIT化が進んでも経済全体の新陳代謝があれば、そこでは当然労働者の雇用が生まれるのだ。(新陳代謝があればね)
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金融政策ではダメだ→インフレターゲットは無意味→人々の期待を変えればよい。
2013年4月4日 日銀黒田バズーカ
1998年 It’s Baaack!を発表→デフレの一因は少子高齢化,投資需要が抑制→×
○→労働力減少→労働分配率が上昇→資本の限界生産力が低下→企業が資本を過度に溜め込まないよう実質金利を低くしなければならない→マイルドなインフレ
例 インフレ率5%→人々は資産価値の低下を避けて行動する。
失われた20年=日本人があまりお金を使わなかった時期→デフレからは脱却できないだろうという感情
2008年リーマンショック時→日銀はバランスシートを拡大しなかった。
アメリカ 学者と金融当局者とのつながり→日本には見られない。
FRB Quantitative Easing
デフレとIT テクノロジー失業→×1930年の失業=組み立てラインのせい
マンデル・フレミング効果→政府の財政出動→長期金利の上昇→海外資金の流入→円高→輸出の減少が財政出動による内需拡大効果を相殺
アベノミクス=世界のロールモデル→かつて日本がスーパーマンだった時代を覚えている。日本がやることなすことにかなうはずがないと痛感した時代
日本の公的債務→純債務額は通常
ピグー効果(物価下落,貨幣の実質的価値が高まる→消費が促進)
→物価の下落が実質的な借金を増やす。
フィッシャー方程式(実質金利+期待インフレ率=名目利子率)
中央銀行の独立性→よいこととは考えていない。→プラスとマイナス
リーマンショック→CP市場が崩壊,ソブリン債券市場の崩壊→中央銀行の後始末
日銀→仮にインフレ率が2%に届かないという状況になっても,さらに手を打っていくというメッセージを伝えなければならない。
1987年10月19日ロバート・シラー「根拠なき熱狂」→ダウ22.6%の下落ブラックマンデー中に聞取り→パニック売り
ギリシァ危機→反ケインズ学派には天の恵み→緊縮財政の国=激しい経済の下降→緊縮財政が間違いであったことが明らかに
日本はOECDのアドバイスは無視すべき
2013年6月日本再興戦略→市場の失望 経済構造は複雑化→政府が成長分野を見通すのは難しい。
2013年7月25日TPP参加交渉 TPPは管理貿易であり,自由貿易ではない→産業の利益を代表するもの。
規制緩和=レントシーキングもあり得る。航空,トラック業界は成功した例
恐慌型経済→需要サイドの欠陥=生産能力に見合うほどの十分な個人消費が存在しない。
シュールガス革命→過大評価。イギリスの北海油田→大規模なエネルギー開発のときでさえ,影響は限定的
オバマ→医療制度改革は評価される。
2年後の経済→楽観的でない。5年度→少し楽観的。10年後→さらに楽観的。15,30年後→コンピュータが代わりに悩んでくれる。ビッグデータがITの可能性を拡大
英語で意思疎通→日本人に多大な利益。
アベノミクスが成功すれば,日本以外の国にもポジティブな影響
2012年夏「さっさと不況を終わらせろ」の解説では悲観的→半年で状況一���
是が非でも財政再建の根拠→ケロス・ロゴフ&カーメン・ラインハート「債務がGDPの90%を超えると経済成長の足を引っ張る」→間違い。