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紙の本
来たれ、野球部 (講談社文庫)
著者 鹿島田 真希 (著)
頭脳、運動、容姿、全て完璧な喜多義孝。学園のエースが恋したのは幼馴染の「可もなく不可もない」宮村奈緒。喜多の告白を拒んでいた奈緒だが、彼の孤独を知り、想いを受け入れる。二...
来たれ、野球部 (講談社文庫)
来たれ、野球部
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商品説明
頭脳、運動、容姿、全て完璧な喜多義孝。学園のエースが恋したのは幼馴染の「可もなく不可もない」宮村奈緒。喜多の告白を拒んでいた奈緒だが、彼の孤独を知り、想いを受け入れる。二人が付き合い始めた矢先、喜多は自殺した少女の日記に精神を侵されていき―。芥川賞作家が描く、純粋ゆえに危うい青春文学。【「BOOK」データベースの商品解説】
頭脳・容姿・運動神経の三拍子揃った「選ばれし」義孝が恋したのは、幼馴染みの「ふつうの」奈緒。二人が付き合い始めた矢先、過去に自殺した女子高生の日記をきっかけに、義孝が異変をきたし…。純粋ゆえに危うい青春文学。【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
薦めはしないが爆笑した
2019/11/06 21:58
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:休暇旅行 - この投稿者のレビュー一覧を見る
読みながらテンションがおかしくなって、ほとんど爆笑しながら読んでた。要するになんていうか、鹿島田さん、大好きィィィイ!
あとこのイラストを採用した奴は誰だ。遠慮がなさすぎるだろ、おまえ最高だ。表紙もだけど、本篇タイトルページのイラストがむず痒くてもうニヤニヤしながら爆笑してしまう。
タイトル詐欺、表紙詐欺という評については、正しいけど反発も覚える。つまり、このタイトルからこの話を想像する奴は頭がおかしいが、逆にこの話のタイトルとしては言われてみれば、信じがたいことに、これしかない。いやマジで。この話は要約すると「来たれ、野球部(比喩)!」なのである。イラストも同じことで、刷り込みかもしれないが、個人的にはもうベストマッチとしか思えなくなった。マジでこのイラストみたいな小っ恥ずかしいむず痒い小説なんすよ。さらっと人が死ぬけど。
作者の小説を読むのは『一人の悲しみは世界の終わりに匹敵する』(併録の「レギオン」が傑作)『白バラ四姉妹殺人事件』についで3作目。私が小説に求める幸福を具現化してくれる作家さんである。観念で織りあげる圧倒的前衛作家にして、しかも通俗を恐れぬ気概をもつ。本書はその恐れ知らずがフルスロットルかました作品といえる。
本作を特徴づけるのは、信じられないくらい目まぐるしい一人称視点人物の転換だろう。浸潤を捨てたライトノベル的文体とあいまって、読者を振り落とす勢いで四人の語り手がのたうちまわる。暴走する青春思考。この暴走はほんとうに暴走で、正直各キャラクターの一貫性に破綻をきたしている気もするし、視点変更の乱高下に乗じてろくな説明もなしに新情報が突っこまれるし、どう転んでも非現実的な推移もある。ついでに呆気なく人を殺す。あれ、おれこの作品けなしてない?
まあ傑作とはいわない。誰もに薦められるかというと薦められない。しかし、もしもこの青春躁鬱ハイテンションがはまったら、すごく楽しく読めると思う。
紙の本
一癖ある青春
2018/05/20 18:37
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投稿者:たぬきち - この投稿者のレビュー一覧を見る
いかにもありがちで使い古された青春作品とは一線を画す、新しい青春作品。著者のもつどくどくな視点を堪能できる作品