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- カテゴリ:一般
- 取扱開始日:2014/04/21
- 出版社: 勉誠出版
- サイズ:19cm/210,7p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-585-28013-2
紙の本
人名ではない人名録 語源探索
著者 小林 祥次郎 (著)
八百長、出歯亀、土左衛門、文楽、助兵衛、元の木阿弥…。日本語では、人名から派生したことば、人名になぞらえたことばが、さまざまな場面で使用されている。それらのことばの起こり...
人名ではない人名録 語源探索
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商品説明
八百長、出歯亀、土左衛門、文楽、助兵衛、元の木阿弥…。日本語では、人名から派生したことば、人名になぞらえたことばが、さまざまな場面で使用されている。それらのことばの起こりを追い、具体的な用法を示す。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
小林 祥次郎
- 略歴
- 〈小林祥次郎〉昭和13年栃木県生まれ。東京教育大学文学部文学科卒業。小山工業高等専門学校教授を務めた。著書に「季語遡源」「季語再発見」「梅と日本人」など。
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紙の本
何にでも始まり(起源)があると判ると、なお面白い
2019/07/05 17:24
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投稿者:永遠のチャレンジャー - この投稿者のレビュー一覧を見る
宇宙には約140億年前と推定されるビッグバン(始まり)があって、時間も、物質も、光も、生命もその瞬間から生まれたと聞くと、一層荘厳さを感じる。
宇宙時間を物差しにすれば、人類の誕生は極々最近(20万年前)のことらしい。
聖書には「はじめに言葉ありき」と記され、この世の根源に神(ロゴス)が存在するとされる。人が先か神が先かの小難しい宗教哲学の議論には、とんと興味がない。
本書を紐解くと、時代が(そこに住む人々が)名付け親であった言葉の歴史を遡ることができる。言葉は、人間が使うものだから、これも当然か。
芝居の幕間に由来する江戸期生まれの「幕の内弁当」に対し、昭和期に学僧の松花堂昭乗の庵の名前に因んで、料亭主人が茶事用の点心を詰めた工夫が「松花堂弁当」の起源だと聞くと、却って興が殺がれてしまう。
布地の節約のため六尺褌に代わって越中褌が誕生した経緯は卑近ではあるが、面白い。
野呂松勘兵衛の「のろま人形」の伝承が絶えてしまい、如何にも残念至極。
常盤津節も新内節も、清元節や都々逸さえも、元を辿れば浄瑠璃に繋がる義太夫節の流派らしく、それぞれの創始者が判っているとは驚きだ。
シルエット伯爵は本人の影絵(シルエット)が残っておらず、人道的な死刑執行を議会で呼び掛けただけなのに、不名誉な断頭台(ギロチン)の発明者呼ばわりされているギヨタン(仏語読み)は、さぞかし不本意だろう。
三太郎、与太郎、贅六、宿六、耄碌、田吾作、雲助、お福、平気の平左衛門、甚平などの擬人化された言葉は、相手を卑しめたり罵ったりする俗語が多いことを、著者は文献の裏付け(用例)を引いて検証し、その来歴を解き明かす。
フーテンの寅さんの売り口上(啖呵売)の「焼けのやんぱち、日焼けのナスビ」も、著者によれば、式亭三馬「浮世風呂」に登場する江戸中期からの伝統を継承した正統なものらしい。道理で寅さん、機嫌(起源)が良い筈だ…。
何にでも始まり(起源)があると判ると、なお面白い。