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紙の本
遭難者 (文春文庫)
著者 折原 一 (著)
残雪の北アルプスで、若手会社員・笹村雪彦は所属する山岳サークルの登山行で足を踏み外し、滑落死を遂げた。だが山を愛した彼に捧げた追悼集は、死因に疑いをもった母親の行動によっ...
遭難者 (文春文庫)
遭難者
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商品説明
残雪の北アルプスで、若手会社員・笹村雪彦は所属する山岳サークルの登山行で足を踏み外し、滑落死を遂げた。だが山を愛した彼に捧げた追悼集は、死因に疑いをもった母親の行動によって、予想外な内容に…。登山届、現地地図、死体検案書など詳細な記録を収録した2分冊の追悼集に込められた謎とは何か?「―者」ミステリーシリーズ。【「BOOK」データベースの商品解説】
残雪の北アルプスで滑落死を遂げた笹村雪彦。彼の山への情熱を讃えるため追悼集がまとめられることになった。企画を持ちかけられた母親は息子の死因に疑惑を抱き…。実在する追悼集にヒントを得て仕立てあげられた推理小説。〔「遭難者 1・2」(角川文庫 2000年刊)の再編集版〕【「TRC MARC」の商品解説】
山が好きな青年は、山に消えた――
山で滑落死を遂げた青年のために編まれた二冊の追悼文集にこめられたミステリー。鬼才の手腕が冴える傑作を、一巻本にて復刊する!【商品解説】
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紙の本
工夫を凝らした山岳推理小説
2014/08/03 22:40
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書はタイトルの「遭難者」が示すとおり、山が舞台となる所謂山岳小説なのだが、その中身は推理小説である。実在する白馬岳、白馬鑓ヶ岳、唐松岳、八方尾根など、かなり著名な山岳地帯(後立山連峰)の登山コースがその舞台となっている。その分、登山が趣味の読者は食付きが良いであろう。
長野県内に所在する会社の山岳部の山行から物語は始まる。会社の山岳部のパーティで後立山連峰を目指した。2組に別れて行動したまでは良かったが、1組の男性社員が不帰の險で滑落して死亡してしまった。山行が始まった当初から体調が良くなかったと他の社員は語る。
これからストーリーは展開していくのだが、山岳部内部の人間関係がもたらす殺人事件に発展していく。この殺人事件についてはそれほど特徴があるとは思えない。推理小説の一種で山行を利用した殺人事件である。
ただし、この殺人事件が発覚する契機に工夫が凝らされている。殺人事件の被害者を悼んで追悼集が作られた。この追悼集に不信を抱いたのは母親であった。殺人事件なので、自分の犯罪が露見しそうになると次の殺人を犯さざるを得なくなる。こうして連続殺人には見えない複数の死亡者が出てしまう。
こういう展開を表現するために、その追悼集、山岳遭難事故報告書、事故対策本部の報告書などが綴られて、折原はその内容を読者に突きつけている。これらの材料から殺人事件の全貌を読者に理解させるという意図である。
随分凝った作りである。遭難事故が殺人事件に変わっていく姿を見せていく。新聞記事や手紙などを提供してストーリーを展開させるという手法は時折見かけるが、追悼集を端緒とする山岳小説は面白い。かくいう私もそれに釣られて手に取ってみたものである。殺人事件の動機などはありふれているのだが、こういう工夫は読者の興味を引き、楽しませるといえよう。
紙の本
H26.6.16読了
2014/06/28 07:29
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:竹匠 - この投稿者のレビュー一覧を見る
山は密室!よく言われるプロット。あまりにも、安直な設定では・・・