紙の本
不気味な犯人像
2022/07/24 22:25
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る
新宿鮫シリーズ第3弾。前作で「毒猿」という超人的な登場人物がいたが、今作ではそんな人物はいない。その代わり不気味な犯人像がじわじわと恐怖を募らせる。また、島が警官を辞めなければならないかという絶体絶命の危機が訪れる。「屍蘭」というタイトルも不気味だ。
投稿元:
レビューを見る
大沢在昌・著 / 新宿鮫 ~新宿鮫1
大沢在昌・著 / 毒猿 ~新宿鮫2
大沢在昌・著 / 屍蘭 ~新宿鮫3 読了。
今年の吉川英治文学賞を受賞した『海と月の迷路』を読み、大沢在昌さん作品を読んでみたく・・。
勧善懲悪のストーリー、例えば一時間の放送でも長く感じられる『水戸黄門』を、四時間かけて見せられたような読後感でした。
主人公はともかく、悪人側のキャラクターの背景が薄いと云うか、弱いと云うか・・。
優秀な軍人だった者が完全無欠な殺人者になってしまう・・、人のよい看護婦のおばちゃんが殺人者になってしまう・・、とても唐突感があり、最終盤に言い訳のようにその心模様を書かれても、「なんだかなぁ」と。
主人公に至っても、その特殊な職務環境を、読み手には教えない、或いは明かさない「謎(の手紙)」で強引に設定。 『名探偵コナン』の「黒の組織」と同じように、延々とこれをネタに引っ張るのでしょうか。
また文中のルビの振り方が、『代々木(よよぎ)』とか『首都高速(しゅとこうそく)』など、読み手を馬鹿にしているのではないかと・・。
シリーズは現在も続いているようですが、わたしはもう結構です。
何故にこのシリーズがそれ程に売れたのか・・、不思議。
投稿元:
レビューを見る
はまり小説の第三段!謝った価値観は時として恐怖に変わる、恋(愛)は時として人を盲目にしますが、ここまで来るとちょっと背筋が凍りそうです。まぁ、Gooでしょう。
投稿元:
レビューを見る
やっぱり新宿鮫シリーズは小気味がいいっすね~。
本作はちょっと哀しいものがありましたが、犯人たちの気持ちとかにリンクすることはできませんでした。
切ないといえば切ないのではありますが。
興味深かったのは、警察の内部構造の説明や国税局の査察官の説明ですね。
世の中にはまだまだ知らないことがあるんだなっと思いました。
ま~単に私が無知なだけなのかもしれませんが。
このシリーズ、2作目「毒猿」があまりによかったせいか、イマイチに思えました。
一匹狼、いや鮫の鮫島に唯一生意気な口がきける晶もあまり出てこなかったし(私は晶が嫌いなので、うれしかったことでもあるんですけど・・・ウヒヒ)。
でも、これまた表向きあまりパっとしない鮫島の上司の桃井が、鮫島をバックアップする姿がどんどん出てきてうれしかったであります。
投稿元:
レビューを見る
新宿鮫シリーズでも異彩を放ってる本シリーズ。最後の最後までクールだった鮫島が綾香に訴えかけるラストシーンは熱くなった。「復讐」これを糧に生きること少なからず誰もがしてることかもしれないけどここまでの物語は怖くなるしでも読み応えあった。少しづつ謎が繋がるおもしろさはやっぱり大沢在昌ワールド!!
投稿元:
レビューを見る
ふみ枝はなぜあんなに綾香を愛していたのか?ふみ枝にはある種の正義感や常識がありそれを正そうというところがある。ただそれは独りよがりな部分が大きく物事を広く捉えることは出来ない。それが片寄った愛情となり、想像を越える結果をもたらした。鮫島は容疑者に鋭く食らいつき抉っていく。信念を持った正しい生き方は誤った行いでのさばって行こうとする奴等に負けないで欲しい。
投稿元:
レビューを見る
J様追いかけ第3弾
普通のおばちゃんがさくさく人を殺してしまう。
大事な人のためだからまったく悪いと思っていない。
大事な人が恋愛対象ではないところがさらにぐっとくる。
この二人が出会ったことがほんとに運命なのかなと思う。
で、やはり女のほうがこのくらいやってのけそうだと思えるから怖い。
ああでもほんとに読みながら映像を見ているような感覚になりました。
第3シリーズまで来て、また次も読みたいと思わせるのは凄いですね。
投稿元:
レビューを見る
新宿鮫シリーズの第3作。1994年。
今回は、
「不法に赤ちゃんを堕胎させ、その赤ちゃんの死体を臓器売買などで海外に不法に輸出して暴利を得ている一味」
が、敵役です。
その一味と言うのは、ボスが美容クリニック経営者の美女。そして、その手先である元刑事、無免許医師、そして看護師のおばちゃんです。
魅力は、なんといっても看護師のおばちゃん。
このおばちゃんが、地味なおばちゃんなんだけど、非情で凄腕の殺し屋、という設定。
そしてこのおばちゃんは、私利私欲が無い。美容クリニック経営者の美女のことを、「娘」のように愛していて、そのためならなんでもする、というキャラクター。
第1作ではヤクザやホモのプロ犯罪者。第2作では、国家に鍛えられた殺しのプロ。
という流れから一気に目新しいカタキヤクです。流石。
前半、まだ敵の全貌が分からず、振り回されながら主人公が徐々に敵を知っていくあたりが、面白かったですね。
その辺りで、主人公の恋人さんもちょこっと事件に巻き込まれます。
そういったやり口も、ほどほどで面白い。
後半は、ちょこっとバタバタしますかね。
といっても、このシリーズを楽しむのであれば、多少のご都合を批判するのは的外れ、なんですけどね。
金田一耕助シリーズもそうなんですが、だいたいにおいて最大の殺人者、最大のドラマを背負った犯罪者が、最期に追い詰められつつも、自殺しちゃうんですよね。
そのあたり、パターンと言えばパターンで、微笑ましい限りです...。
投稿元:
レビューを見る
前作の「毒猿」では、台湾やくざと台湾の刑事が、プロとして自分の仕事を全うしながらも互いを信頼していたけれども、この「屍蘭」は犯罪の素人の女たちが、鮫島を追いつめていく話。
彼女たち・綾香とふみ枝は、決して誰にも知られてはならない秘密で繋がっていて、しかし必ずしも互いを信頼しているわけではない。
全く対照的な「毒猿」と「屍蘭」ではあるけれど、途中で読むのをやめられないのはどちらも同じ。
ただ、最後まで読んでみてもふみ枝という女がよくわからない。
なぜ綾香のためにそこまで献身的になれるのか。
自分は見捨てられるのではないかという不安を感じながら、綾香を守るために自分の手を汚し続けるふみ枝。
彼女はベテランの看護師で、命を守る人だったはず。
看護師であり、サイコパスだったってこと?
鮫島が組織の中で追い詰められていきながらも、彼女たちを追いつめていく様は圧巻。
王手飛車取りからの逆転。
これが癖になるんだよね。
投稿元:
レビューを見る
3.5
新宿鮫シリーズ第三弾。
昌の知り合いのロックシンガーが、下ろす必要のない子供を勝手に掻爬され、文句を言いに行ったまま行方不明に。
そのクリニックは胎児の売買をメインに行う悍ましい集団だった。
きな臭さを感じ取った鮫島は徐々に真相に迫って行くが、迫り来る脅威を感じ、鮫島の排除に乗り出した敵の罠に嵌り、警察機構を追われる事態に追い込まれる。
投稿元:
レビューを見る
新宿鮫シリーズ第3弾。本シリーズは1作ごとに大きく異なるテーマや手法に挑戦しているが、本作の相手は女性(美しき女実業家とベテラン看護婦)。彼女らの独特でスリリングな関係性が本作の肝。
現在、シリーズ(長編)は11作あるらしい。完全にファンになったので全部読むぞー。
投稿元:
レビューを見る
新宿鮫シリーズ第3作。
前作のような派手さはなく、全体的にどこか後ろ暗い雰囲気が付き纏う作品。
一見すると地味になりそうなストーリーに、主人公鮫島の汚職容疑というスパイスを混ぜることで全体のバランスをとっている感じ。
一気に読ませる筆力は流石の一言。
投稿元:
レビューを見る
新宿鮫はおもしろですね。この屍蘭は少し毛色が違って、マルBじゃない登場人物の物語。前半は若干ダレますが、後半はとってもおもしろいです
投稿元:
レビューを見る
花粉症になった。
薬を飲んで電車にゆらゆら揺られると眠たくて本がなかなか進まない。
新宿鮫シリーズ3巻、屍蘭。
今回の犯人は悪い!とにかく悪くて頭が切れて
美しい!
犯人"綾香"は美容サロンを経営する。
その裏で自分との絆を信じて疑わないふみ江に婦人科病院を経営させ、故意に流産させた胎児の臓器を、故買屋、三森の持つルートを使い密輸させ大金を稼ぐ。
何が悪いって…、
綾香との絆を信じて疑わない"ふみ江"、
元刑事で綾香の左腕の"光塚"、(あれ?右腕だっけ?)
臓器密輸を手配する"三森"、
綾香は自分の欲望を叶える為に必要な人間の心をうばい、自分を愛する人達を意のままに操り欲望を叶えていく。最後の最後まで自分の手は汚さない。
そして必要となったら、側にいる人達をも切っていく。わぁーるぅーいぃー!
怒りマークオデコに出しながら読み進めた。
そんな綾香と光塚に鮫島は罠にはめられ
三森殺しや買収の容疑をかけられる。
警察はマスコミに事件を発表され
世間からの警察に対する信頼を失う事を恐れる。その情報がリークされれば鮫島は警察官ではいられない。
限られた時間と制限された行動の中で真犯人を追う鮫島。
激しいプレッシャーの中で鮫島の
警察官でいる意味を再確認する場面は感動!
自分の欲望のままに生きてきた綾香と対照的だった。
そして世間からの不信感を恐れる警察内部にも鮫島を助けようと行動する人達。
今回もぎりぎりまでドキハラが続いたー!
最後の鮫島と晶の仲良しの場面になるとホットする(^^)
投稿元:
レビューを見る
2巻目より、やはりこちらの方が読みやすい。グロさがなくて。
確かに、2巻を読んでしまうと、ドラマ感には欠けるのだけど。
でも、ちゃんと3巻とも事件にはバリエーションがあってよいです。
キャリア・本庁刑事が協力的な行動を取ることがしばしば見られたのは興味深かった。