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商品説明
「不忠の足利氏、忠臣ぞろいの南朝」という歴史観は正しいのか。皇統が二つにわかれた南北朝時代の、皇位や政策をめぐって頻発した内乱と、複雑に絡みあう人物相関を詳述。本当の忠臣は誰か、新たな視点で描く。【「TRC MARC」の商品解説】
目次
- 忠烈・義烈の南朝忠臣という幻想―プロローグ/建武政権の内紛―政治路線をめぐる抗争(尊氏よりも父の天皇が恨めしい―後醍醐天皇・足利尊氏 対 大塔宮護良親王/大覚寺統内部の皇位継承争い―後醍醐天皇 対 康仁親王/幻の鎌倉幕府再興計画―後醍醐天皇 対 西園寺公宗/建武政権最大にして最後の内紛―足利尊氏 対 後醍醐天皇)/南北朝初期における内紛―第三王朝樹立運動(幻の北陸王朝の夢―後醍醐天皇 対「天皇」恒良・新田義貞/藤氏一揆と関東王朝樹立構想―北畠親房 対 興良親王・近衛経房・小山朝郷)/観応の擾乱以降における内紛―講話か、徹底抗戦か?(吉野攻撃を申し出た南朝の武将―北畠親房 対 楠木正儀/南朝のスキャンダル―後村上天皇・北畠親房 対 中院具忠/護良の遺児の野望―後村上天皇 対 赤松宮陸良親王/大楠公楠木正成の息子、南朝を裏切る―楠木正儀 対 長慶天皇/南朝天皇の兄弟喧嘩―後亀山天皇 対 長慶上皇)/教訓―南朝の内紛が教えてくれるもの/「相対化」される「南朝忠臣史観」/南朝の潜在的反乱分子―北条時行と征西将軍宮懐良親王/内紛の対立構造の変化―現代政治との共通点)/歴史から学ぶとは?―エピローグ
著者紹介
亀田 俊和
- 略歴
- 〈亀田俊和〉1973年秋田県生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程歴史文化学専攻(日本史学)研究指導認定退学。京都大学博士(文学)。同大学文学部非常勤講師。
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書店員レビュー
歴史研究の面白さに気付く一冊
丸善 丸の内本店さん
後醍醐天皇の倒幕運動に応じて挙兵した後、一貫して天皇に忠誠を尽くした楠木正成ら南朝側の人物たちは忠臣、その一方で倒幕の最大の功労者足利尊氏といえば、天皇を裏切って北朝を樹立したという事実があるがゆえに逆賊という印象が強い。
こうした「南朝忠臣史観」は、戦前からの代表的中世史家である平泉澄が集大成した皇国史観に最も鮮明に表れており、それが多くの日本人が南朝と北朝にもつ印象に影響しているようである。だが南朝の内実はといえば、天皇に従わずついには配流された息子の護良親王や、内部対立の結果北朝側に帰順した正成の子の正儀を見れば、ご内紛あり、裏切りありと、清廉潔白な忠臣のイメージからは程遠い。
本書ではそうした南朝の内実が暴かれていくのだが、筆者の目的は「南朝中心史観」の単なる否定ではない。ある史料によれば、正成は全国の武士をまとめるには尊氏の力が必要だとして、尊氏が九州に没落した段階で講和すべきだと天皇に献策するなど現実的・合理的な考えを持った武将であったという見方ができるという。一方で尊氏はといえば、後醍醐天皇の本名の尊治から偏諱を受けた尊氏という名を終世使うなど、天皇に対して親愛の情を持っていたという。
本書を読むと先行研究をただ否定するのではなく、正しく評価しなおす、あるいは違った見方ができるということを提示できる面白さが歴史研究にはある、とうことを気づかせてくれる。
(評者:丸善丸の内本店 人文科学書担当 喜田浩資)
紙の本
南朝の内紛
2020/04/12 08:57
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:福原京だるま - この投稿者のレビュー一覧を見る
楠木正成や新田義貞は有名だが彼らが敗死のちの南朝の歴史には詳しくない人が多いのでは?そんなその後の南朝(義貞らが敗死してからの歴史の方が圧倒的に期間は長いのだが)の歴史を知るのに良い著書。文も平易でこの時代に馴染みのない人でも読みやすい
紙の本
やはりこの時代はわけがわからないけど面白い
2021/11/06 21:47
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
室町時代って、とにかく面白いですよね、面白いけど分かりにくい。観応の擾乱だとか、応仁の乱とか誰が味方で誰が敵なのか全然わからない。この本で取り上げられている南北朝分裂後の話も、同じようなもの、後醍醐天皇の忠臣中の中心と言われた楠木正成の遺児、楠木正儀が北朝に寝返ったとか(でも、この本を読んで南朝を見切ったことも仕方がないかなと思えた)、あと、西園寺公宗のクーデター計画というのも興味を引く
、やはりこの時代はわけがわからないけど面白い