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人間関係が複雑だ、と聞いていたので最初から注意深く読んでいました。各章ごとに相関図もあるし、全然問題ない、完璧だ、取り越し苦労だ、と思って…いたのだが…最終章にやられた。
今まで読んできた、登場人物それぞれの人生はいったい何だったんだ。おいおいちょっと待て待て、待ってくれ!
オセロがパタパタとひっくり返っていく、なんて生易しいもんじゃない。うりゃーうりゃーっ!とチカラワザでひっくり返すタタミのように、物語が一気に別の絵になってしまった。
読み終えた瞬間、最終章の相関図を押さえながら1ページ目に戻ったのは言うまでもない。
そう、これは絡み合った人間関係の海の中で溺れる快感を教えてくれる一冊。
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聞いたことのない作家でしたが、本屋で見かけて帯の「小説推理新人賞」と宣伝文句とがおもしろそうでしたので、衝動買いして読みました。
結果としては当たり。連作短編集で、5章それぞれで別々の女性が主人公となり、人間関係相関図が複雑に絡み合って話が展開していきます。結構いろいろ複雑なつながりがあるのですが、各章の終わりに図が挿入されているので、それでつながりを確認でき、混乱しません。
湊かなえばりの毒のある登場人物たちなのですが、文章が軽快で読みやすく、嫌味がありませんでした。
ミステリとしては第1章が一番おもしろかった感じ。5章で話全体を通じたどんでん返しがありますが、こちらはややインパクトに欠けた印象がありました。
でも、楽しく読めました。
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第35回小説推理新人賞受賞作品。章が進むと意味不明になってくる感じがする。2章まではゾクゾクする怖さがあったがそれ以降は「ん?」と首を傾げながら読んだ。同ジャンルの人気作家達をすごく意識して作品を執筆しているんだろうなと感じる。できれば、オリジナリティーというのを全面に押し出して『悠木ジュン』という作家の色を作り上げるべきではないだろうか。二番煎じ感が否めない。
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登場人物が繋がっていく複雑な人間関係、
一章ごとに増えていく相関図、パズルのような群像劇…、
といぅ帯のコピーから、すごぃ作品を期待しましたが…、
ふつぅに、連作短編でした…。
各章末の、書き足されていく相関図も、複雑とまでは…。
もっと複雑な人物相関と深ぃ群像劇の、連作短編で、
かつ、巧妙なミステリーが仕掛けられた警察小説や、
ベタ甘の恋愛小説や人情小説が、たくさんある中で、
あえて、本作品を読んでも…、
特段、ふ~ん、といぅ感想以上の感嘆はなかったかな~。
女たらしの主人公♂と、複数のビッチな年増女性の、
自己陶酔と、団地妻的な下世話なお話の短編連作で、
小説推理新人賞とはいえ、ミステリー要素はなぃかな~。
文章力はあるので、読んでいて苦痛ではなかったけど…。
(ただ…、これでうならされる選考委員ってどぅなの?)
あっ、ある章にあった、
1日を25時間にする件は、言い得て妙だったかも。
単なる発想の転換で、別に何でもなぃことだけど…、
ちょびっと納得、ちょびっと感心しちゃいまひた…。
こぅいうの、好きです。
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+++
ひとりの女性のモノローグから物語は始まる。登場人物が繋がっていく複雑な人間関係。
一章ごとに増えていく相関図! 一度読んだらもう一度読みたくなる、パズルのような群像劇!!
第35回小説推理新人賞受賞。選考委員をうならせたデビュー作!
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第一章 スマートクロニクル
第二章 ジーニアスJr.
第三章 Dog Eat Dog
第四章 HERO
第五章 Mr.レジェンド
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各章の最後に記されている人物相関図を見て判るように、章ごとにどんどん人間関係が絡まり合い繋がり合っていく。なんと狭い世界なのだろう。タイトルのスマドロは、世間を騒がすスマートな泥棒であり、その知名度にあやかったアイドルグループ・スイートドロップでもあるのだが、これがタイトルになっている意味がいささか弱いような気がする。相関図がどんどんつながっていく中で、ひとつの出来事が別の角度から描かれることで立体的に浮かび上がってくる面白さはあり、それがもっと幾層にもなっていたらもっと面白かったのではないかと思う。中途半端さが勿体無かった一冊である。
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5つの短編集で、どれも結果繋がってて、相関図もあるからわかりやすい。
文章もテンポ良く読みやすいし、登場人物も個性的で。
ハーフの賢一君のキャラが好きかも。
面白かったんだけど、最終章がなんとなく不完全燃焼。
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面白かった。面白かったのだが……なんか未消化な感じがする。
第1章の「スマートクロニクル」はとてもよくまとまっていると思った。これで賞をとったとのことで、確かにこれだけで完結してもおかしくはない。湊かなえさんの「告白」と同じパターンだ。
時系列がはっきりしないので、その話がどの時点に属するのかを忘れないようにしないと、面白みが減る。
実在するものを作中で使うのは、現時点で読む分には新鮮だし面白いけれども、数年たったら脚注がいっぱい必要になるかもしれない。それが持っているもの、表している雰囲気、ニュアンスなどは、ちょっとずれただけでもわからなくなるものだから。
次回作がどんな感じになるのかは楽しみなので、しばらく追いかけようと思う。
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章ごとに主人公を代えながら進行していき、最後には第一章の主婦を中心とした相関図が完成する趣向の物語です。
最初の一章はミステリー的なオチがあって面白かったのですが、それ以降はたわいもない群像劇が足されていく感じでした。相関図が出来上がったところで何か意外な事実が浮かび上がるのかと期待しましたが、特にこれといったものはありませんでした。
投げっ放しのエピソードも多いですし、『スマドロ』というワードも巧く活かされず、かなり物足りない読後感でした。
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「スマドロ」悠木シュン◆家人の在宅中に物を盗む泥棒が出没、そのスマートな手口からスマドロと呼ばれるようになる。チェーンのように各話の登場人物が繋がり絡まり合ってはいるのですが、度肝を抜くような鮮やかな意外性が今ひとつ足りない。丁寧な相関図は分かりやすいが不粋な感も。
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スマートフォン泥棒かと思った。
読み始める前に第5章の相関図を見てしまい、
こんなに登場人物いるの?無理と思いました。
が、あっという間に数時間で読破。
続編も出来そうな感じ。
まぁそんな皆が騙されるようなイケメン2人組は、いないと思いますが…
賢一くんがナイスです☆
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白昼堂々と泥棒をはたらいていく謎の泥棒集団(?!)。
お金ではなくて、持ち主しか価値が分からないような物を昼間に盗んでいく泥棒たち。
本作では誰がその泥棒であるのか、またその手口も最初のほうで分かってしまうのですが、章ごとに少しずつ登場人物が増えていってあの人はこの人と過去でつながっていたり、その人がこっちの人と巡り合ったり、とにかく人間関係が面白い!
最終的には登場人物が増えまくっているわけですが、各章の最後に人間関係の図が書かれているので、章を読み終えるごとに確認でき、頭の中は割とすっきり進めることができました。
スマドロね。
どこかでありそうな話で怖いですけどね
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タイトルも表紙も、正直あまり好みではなかった、のだけど。
なにかの書評で知って、ちょっと興味がわいて読んでみた一冊。
ほぅほぅ。
なかなかおもしろかった。
湊かなえさん風の一人称で語られる物語と、それぞれの章の絡み具合とかが好きな感じだった。
賢一のその後が心配。。。
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冒頭───
飲酒運転でひき逃げですか?
それはいつ?
それで、相手の方は?
あらあらあらあらあらあらあら。
それは大変。
ここ最近はあの事件一色でしたから、飲酒運転でひき逃げ事故ともなれば、明日の『スッキリ!!』で取り上げられるかもしれませんね。あ、『スッキリ!!』ご覧になったことあります? そうです。『ZIP!』のあとの番組です。子供たちを学校に送り出したあと、コーヒー片手に<MOCO‘Sキッチン>またぎの『スッキリ!!』を見るのが朝の楽しみなんですよ。
今朝もトップはスマート泥棒についてでした。
“スマドロ”とはなんのこっちゃい? と思って読みだしたら、“スマート泥棒”の略でした。
一人称独白形式で、事件の女性関係者五人から語られるこの連作短編小説。
その“スマドロ”の大胆な手口に、まず唖然とさせられるというか、笑わせられるというか------。
構成が綿密に練られた鮮やかな作品です。
綿密過ぎて、最後の第五章の終わりでは、いったい誰が誰だったのか分からなくなってしまいます。
章の終わりごとに、関係者の相関図がついてなければ殆ど不可能。
相関図がついていても、“あれ? この人は誰で、あの人は誰だっけ?”と容易には思い出せません。
でも、面白かったです、はい。
こういう発想はいったいどこから出てくるのでしょうかねえ?
悠木シュンという、この作家の脳みその中を覗いてみたくなります。
この連作の第一章である「スマートクロニクル」で2013年の小説推理新人賞を受賞。
それをさらに膨らませて、連作短編に仕上げたのがこの作品。
作風は全く違いますが、形式としては湊かなえの「告白」に似ています。
どちらも、上手く一冊の単行本に仕上げたものだなあと感心するばかりです。
これはミステリー小説なのでしょうか、ユーモア小説なのでしょうか?
いずれにせよ、風変わりで面白い小説なので、一読をお薦めします。
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決して手がかりを残さず、白昼堂々盗みを働くスマートな泥棒、略して「スマドロ」が世間の話題をさらう。スマドロに遭遇した女たちの物語が少しずつ繋がって、スマドロの正体が見えてくる。
1人の話が終わると、その人物の相関図が描かれる。次の1人が終わると、前の人物のものに加わる形で相関図が広がる。そうやって、スマドロを取り囲む人間関係が浮かび上がっていくという手法は面白かった。
将来スマドロと呼ばれることになる男に出会ったばかりにネジが数本緩んで人生が狂っていく女たち。元々ネジが緩んでいたからスマドロと関わってしまったのだろうけど。そして女たちもまた無意識に、自分に関わった者のネジを緩ませてしまう。
共感も理解もできない愚かな行動は気持ちが悪いばかりだが、軽くて読みやすく、一気読み。
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読みやすく、サクサク読めました。
どこか湊かなえさんを思わせる一人称の語りでストーリが展開していきます。
全5章の構成になっており、1章終わる毎に人物相関図が増えていって、相関図のイラストも載せてありました。
ふ~ん、なんか新鮮でおもしろいかも…なんて思っていましたが、よくよく考えてみるとよくある手法ですね。
登場人物が増えて、全く関係ないように見えた人間関係がどこかで繋がっている。
ま、でも面白かったですよ。だけどどこか消化不良な感じが拭えない…。なんでだろう…うーん、話が途中で終わってしまったような箇所が多々あるからかな?
おしい!今後の作品に期待です。