「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
紙の本
明智光秀 浪人出身の外様大名の実像 (歴史新書y)
著者 谷口 研語 (著)
叛逆者・明智光秀という結果論から、光秀の実像を描くことは不可能である。「本能寺の変」の犯人捜しを避け、江戸時代の著作物を極力参考にせず、信頼できる史料から、光秀の心に秘め...
明智光秀 浪人出身の外様大名の実像 (歴史新書y)
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
叛逆者・明智光秀という結果論から、光秀の実像を描くことは不可能である。「本能寺の変」の犯人捜しを避け、江戸時代の著作物を極力参考にせず、信頼できる史料から、光秀の心に秘めた「叛意」に迫る。【「TRC MARC」の商品解説】
関連キーワード
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
光秀の実像と信長の油断
2014/05/24 09:42
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、伝説や陰謀史観を一切排除し、光秀の生きた時代の信頼できる史料のみに基づき、その実像に迫ってみようという意欲作でした。
本書は小説ではありませんので、どうしても退屈な箇所があります。そうした箇所は斜め読みしてでも、通読することを勧めます。すると光秀の実像が見えてきます。
若干内容に触れます。
明智光秀が土岐明智氏のどの流れになるのかは不明(30ページ)ですが、土岐氏の縁者であることは事実のようです。また比叡山の焼き討ちでは、最も功績があった(73ページ)というのは意外でした(ドラマでは嫌々ながら焼き討ちをする演出が多いですよね)。さらに、比叡山の焼き討ちの頃までは、信長・義昭両家に仕えていたとは驚きです(84ページ)。この時代は、二君に仕えることもアリだったんですね。光秀は努力家ですが、よくドラマで描かれるような、単なる保守的なインテリではありません。野望もある戦国武将です。しかも信長と光秀は、似た者同士だったようです(227ページ)。
元々外様武将である光秀は、信長の単なる「駒」という認識はなく、両者の利害が対立し始めた時、衝突すべくして衝突したということが良くわかりました(182ページ)。また、似た者同士ゆえの油断が信長にあったのかもしれません。
そろそろ、歴史小説や歴史番組(特にNHKの歴史ドキュメント)等の設定において、つまらない陰謀史観から卒業しても良いのではないでしょうか。史実どおりでも、十分面白い光秀像が描けると思いました。