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商品説明
梨園を背負う二人は「胡蝶」を舞えるのか?歌舞伎子役の愛と夢の物語。『サクリファイス』シリーズの著者、満を持してのミステリー。【「BOOK」データベースの商品解説】
梨園を背負う2人は「胡蝶」を舞えるのか? 歌舞伎の奥深さ、そしてそこに生まれる確執と妄執…。歌舞伎子役の愛と夢を描いたミステリー。『本の窓』掲載を加筆・訂正し単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】
歌舞伎子役と親同士の確執を描くミステリー
「美しい夢ならば、夢の中でも生きる価値がある」
『サクリファイス』で大藪春彦賞、第5回本屋大賞2位を獲得した、近藤史恵氏が長年温めてきた、歌舞伎の子役を主人公にしたミステリー。
市川萩太郎は、蘇芳屋を率いる歌舞伎役者。花田屋の中村竜胆の急逝に伴い、その息子、秋司の後見人になる。同学年の自分の息子・俊介よりも秋司に才能を感じた萩太郎は、ふたりの初共演「重の井子別れ」で、三吉役を秋司に、台詞の少ない調姫(しらべひめ)役を俊介にやらせることにする。しかし、初日前日に秋司のおたふく風邪が発覚。急遽、三吉は俊介にやらせる。そこから、秋司とその母親由香利との関係がこじれていく。さらに、秋司を突然の難聴が襲う。ふたりの夢である「春鏡鏡獅子」の「胡蝶」を、ふたりは舞うことが出来るのか…?
【編集担当からのおすすめ情報】
とにかく読んでみてください。
歌舞伎に詳しい方も、そうでない方も、たっぷり楽しめます。
近藤史恵氏の淡々としながら緊張感のある描写に、あっという間にひきこまれると思います。【商品解説】
著者紹介
近藤 史恵
- 略歴
- 〈近藤史恵〉1969年大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。93年「凍える島」で鮎川哲也賞を受賞しデビュー。2008年「サクリファイス」で大藪春彦賞受賞。ほかの著書に「さいごの毛布」など。
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書店員レビュー
父の葛藤物語。
MARUZEN&ジュンク堂書店札幌店さん
歌舞伎役者、中村竜胆が病死したことで、彼の一人息子の秋司の
後見人となった、女形の市川萩太郎。彼には秋司と同学年の
息子、俊介がいた。
7才ながらにして、天才的な踊りの才能のある秋司に対して、
俊介は、ご褒美がもらえるから、仕方なく練習をする程度。
萩太郎は二人に「鏡獅子」の胡蝶を踊らせようと決心するも、
天才・秋司に悲劇が襲う・・・
父親、後見人、役者、として秋司と俊介を比べてしまう
心の葛藤が、なまなましく、読み手にジリジリとした焦燥感を抱かせる。
紙の本
ストーリーはおもしろいが、設定などの要素で問題と思うところがある。
2015/09/14 09:54
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:紗螺 - この投稿者のレビュー一覧を見る
現代の梨園を舞台にした物語。最後に、秋司が歌舞伎をやめた本当の理由が判明するのである意味ミステリといえなくもないが、その要素は薄い。あくまで、後ろ盾をなくした秋司の後見人となった萩太郎の葛藤が主筋となっている。平等に扱うつもりの萩太郎は、実際我が子の俊介より先に才能が花開いている秋司を三吉役に抜擢する。俊介に来ていた話にも関わらず、だ。なまなかなことでできることではない。だが、秋司がおたふく風邪になり、急きょ俊介を代役に立てる。今までになく厳しく接することで、萩太郎には単なる父親ではなく、梨園の中に生きる父子の親としての自覚がうまれる。この辺、なかなかのストーリーテリングでおもしろかった。
だが、秋司に難聴が出て、ついには歌舞伎をやめることになって…という流れはあんまり気持ちよくない。当て込んだわけではないのかもしれないが、特定の誰かを思わせるこの設定は、実際に歌舞伎を好きな者にとっては快く感じられるものではなかった。
後味をよくさせるためか、秋司に関してはご都合主義的結末で、こんなのでうまくいくわけないよなあ…と思ったが、俊介が意外と研究肌の役者に成長しているのはユニークでよかった。天才肌ではないけれどうまい役者になるのだろう。やや消化不足気味の部分はあったが、そこそこまとまった終わり方だった。