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商品説明
近代初のジェノサイドとして語られる「アルメニア人虐殺」の真相を、当時の農業生産の構造変化や農地の所有権をめぐる争い、大国の思惑、帝国主義と伝統国家の抵抗などの複合的な絡みあいのなかで明らかにする。【「TRC MARC」の商品解説】
目次
- 序章 オスマン帝国とアルメニア人問題
- 第一章 アダナ事件を巡る陰謀論の系譜
- 第二章 一九世紀のアダナ州
- 第三章 青年トルコ人革命とアダナ州
- 第四章 隠された対立軸
- 第五章 アダナ市内の騒擾
- 第六章 地方で発生した暴動と虐殺
- 終章 アダナ事件とアルメニア人問題
著者紹介
佐原 徹哉
- 略歴
- 〈佐原徹哉〉1963年東京生まれ。文学博士(2002年、東京大学)。明治大学政治経済学部教授。著書に「近代バルカン都市社会史」「ボスニア内戦」など。
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紙の本
陰謀論からの脱却
2021/09/01 16:11
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投稿者:mt - この投稿者のレビュー一覧を見る
オスマン帝国末期におけるアルメニア人問題の内、1909年に起きたアダナ事件に注目し、虐殺に至る複合的な要因を明らかにした一冊。ナショナリズムの勃興、宗教対立に留まらず、急速に構造転換を迎えた当地の経済状況や、行政の不適切な対応が重なったことによりコミュニティ間での対立が激化したことを事件の背景として指摘。「虐殺」を計画的なものと見る陰謀論を強く批判し、トルコ・アルメニア間の歴史戦にも厳しい目を向けている。「虐殺」という強い言葉に囚われず、フラットな視点で事件の本質に迫ろうとする著者の筆致には迫力がある。