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サッカーと人種差別(文春新書)
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  • カテゴリ:一般
  • 発売日:2014/07/18
  • 出版社: 文藝春秋
  • レーベル: 文春新書
  • サイズ:18cm/228p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-16-660987-1
  • 国内送料無料
新書

紙の本

サッカーと人種差別 (文春新書)

著者 陣野 俊史 (著)

1990年代以降の20年間、サッカーの本場ヨーロッパでは、どのような人種差別事件が起きてきたのか。差別を受けた選手の足跡、差別と闘う団体の活動などを追いかけ、差別をなくす...

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サッカーと人種差別 (文春新書)

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サッカーと人種差別

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サッカーと人種差別

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商品説明

1990年代以降の20年間、サッカーの本場ヨーロッパでは、どのような人種差別事件が起きてきたのか。差別を受けた選手の足跡、差別と闘う団体の活動などを追いかけ、差別をなくすためにはどうすればいいのかを考える。【「TRC MARC」の商品解説】

2014年3月8日、埼玉スタジアムで開催された浦和レッズ対サガン鳥栖戦において、浦和サポーターによって「JAPANESE ONLY」という差別的横断幕が掲げられた。Jリーグはこれに対して厳しく臨み、Jリーグ初の無観客試合という制裁を下した。
人種差別的かつ外国人嫌悪(ゼノフォビア)に基づくメッセージがスタジアムにも現れたことを受けて、サッカーをこよなく愛する文芸評論家・陣野俊史氏が緊急に書き下ろしたのが本書です。
内容は二つの柱からなっています。
一つ目は、スタジアムでこれまでどのような人種差別事件があったのか。
二つ目は、選手、クラブ、観客などサッカー界は差別とどのように闘ってきたのか。
本書は、この二つの内容を時間的には世界的な選手の移動を加速した1995年のボスマン裁定以後の20年、空間的にはサッカーの本場・ヨーロッパにしぼって詳述しています。
そこから浮かび上がるのは、アフリカ、アジアなどからの移民を受け入れてきたヨーロッパでは、今もなお、人種差別的な事件が起こり、それとの闘いも粘り強く続けられていることです。
多くの事件とその背景が選手の肉声などによって、具体的に明かされていきます。
人種差別的な言動を受けた選手たちのいたたまれない思い、尊厳を毀損された痛み、反撃できないもどかしさなども、身に迫ってくるはずです。
スタジアムで起きることは社会でも起きている、と著者は繰り返し書きます。
日本でも排外主義的な空気が高まるなか、差別を自分たちの問題として考えるための必読のテキストです。【商品解説】

著者紹介

陣野 俊史

略歴
〈陣野俊史〉1961年長崎県生まれ。文芸評論家。フランス文学、日本文学、サッカー、音楽など、批評の対象は広大。著書に「フットボール都市論」「フランス暴動」「戦争へ、文学へ」など。

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みんなのレビュー9件

みんなの評価3.9

評価内訳

  • 星 5 (2件)
  • 星 4 (1件)
  • 星 3 (0件)
  • 星 2 (2件)
  • 星 1 (0件)

2014/08/11 10:22

投稿元:ブクログ

欧州では歴史的にも人種差別が根強い。サッカーでバナナが投げ入れられるなんてのはよくあること。
日本でも浦和スタジアムで、JAPANESE ONLYなんて垂れ幕をファンが掲げたことがあったとは、そっちの方がびっくり。むしろ、日本でもそういうのが起きているということを解明してほしい。最近、そういう危ない思想が多い。

2015/04/12 19:02

投稿元:ブクログ

曾野綾子が2月に産経新聞に書いたコラム※のこともあり、図書館に所蔵のあるなかで「人種差別」とタイトルに入ってる本のうち、一番新しいのを借りて読んでみた。

私はサッカーをはじめスポーツにはとんと詳しくないが、それでも昨年、浦和レッズの一部サポーターが「JAPANESE ONLY」の横断幕を掲げ、その制裁として無観客試合があった、というくらいは知っていた。この本も「Jリーグ初の無観客試合」のことから始まっている。

▼残念なことに、サッカーのスタジアムには様々な差別の歴史が刻まれている。…(略)…
 この本では、この20年くらいの時間の中で起きた代表的な(という言い方も奇妙だが)差別に関わる事件について、できるだけ平明に述べ、そうした差別と戦う人々を紹介したい。そのうえで、もう一度、私たちのサッカーの環境へと戻ってくることにしたいと考えている。(pp.13-14)

様々な種類の差別は絶え間なくずっと続いているが、そのなかで「この20年くらい」をとりあげるのは、この間にサッカーをめぐる環境が大きく変わった、1990年代半ばあたりでその変化が始まったのではないかと著者が考えているからである。

サッカーに疎い私には、この本に書かれている「○○選手を覚えているだろうか」「××の試合が云々」といった話がまるで分からないのだが、選手の写真があったり、前後の事情をそれなりに説明してくれているので、なんとか読めた。サッカーをめぐる状況を通じて、「差別」というものを考える本である。

黒人選手に向かってバナナを投げ、猿の鳴き真似をするという人種差別的な行為は繰り返されてきた。そうした行為は長らく放置されていて、侮蔑を向けられた選手はただ耐えてプレーしていたのだが、一人また一人と立ち上がる選手があらわれる。

著者は、3章「差別と闘う人びと」で、現役時代から必要とあれば政治的な発言を行ってきたというリリアン・テュラムの言葉を引いている(pp.176-177)。

▼大きかろうが小さかろうが、人間は自分がこうなりたいと願う星を必要とする。人が自分に対して押し付けてくる偏見をぶち壊し、自立し、自分の価値を打ち立て、人が想像するものを変えるためにはモデルが必要だ。
 子どもの頃、私にはたくさん星があった。…(略)… だが、黒い星たちについては、誰も私に語ってくれなかった。階級の壁は白く、歴史書のページも白かった。私自身の祖先のことを私はまったく知らなかった。奴隷制だけが人々の口にのぼった。こんなふうに取り上げられる黒人の歴史は、武器と涙の谷でしかなかった。
 …(略)… この本はあなたのためにある。なぜなら、人種差別や非寛容と戦う最上の方法は、あなたの認識と想像力を豊かにすることだからだ。(『私の黒い星たち』裏表紙/Lilian Thuram,Mes étoiles noires:De Lucy a Barack Obama,Philippe Rey,2010)

このあとのフランスの大統領であったサルコジのヘイトスピーチについて書かれた箇所を読んでいると、日本はこの状況を追いかけてしまっている…と思えた。サルコジのひどい演説内容は、非難され、多くの人々の嘲笑と怒りを買ったという。だが、日本でもそうであるように、それを荒唐無稽とは思わず、そんなことがあるのかと思う人たちがいる。

▼サルコジ前大統領の言葉こそまさに無茶苦茶で、彼の言葉や誤った歴史認識を、嗤うことができる間はまだよかった。問題は、サルコジの言葉を却下するのではなく、一定の説得力を持って受け取る層が明らかに存在することだ。(p.185)

4章「コスモポリタンへのレッスン」で書かれている"本質主義 対 反・本質主義"の話は、バナナを投げるとか猿の鳴き真似をするような分かりやすい差別的な言動に対して、見えにくく分かりにくい差別的な言動(例:黒人といえば"身体能力が高い"とか"リズム感がいい"などと、あたかもそれが黒人の本質であるかのように結びつけようとする)を示そうとしているのだと思った。

本質主義は、差別じゃなくて区別だというような話とするりと結びつきやすい。とりわけ性別に関するあれこれでは、私にも実感がある。

※曾野綾子のコラムに関して、亀井伸孝さんが書いたもの(synodos)
「文化が違うから分ければよい」のか――アパルトヘイトと差異の承認の政治
http://synodos.jp/society/13008

(3/16了)

2015/04/16 19:44

投稿元:ブクログ

フットボールと人種差別とが、現在どういう関わりを持っているのかを知るには良いかもしれない。しかし、現在の出来事を纏めているだけで、どうして人種差別が起きるのか、今一歩踏み込めていない。ただ、何も問題意識を持たずに漫然としているよりはまし。

2014/08/30 14:59

投稿元:ブクログ

最近日本でも、サッカーにおける人種差別的な行為がニュースになっている。人種差別を問題視して声を上げる人が増えれば増えるほど、馬鹿げた行動も増えている気がしてならない。スポーツの力を無邪気に肯定することは難しいけれど、それでも行動は無駄にはならないと信じたい。無知から生まれる差別を防ぐためにも、まずは知ることが必要だと感じました。

2014/10/10 20:10

投稿元:ブクログ

クールな文に、熱い気持ちが入ってます。
所属するけど、違う視点を持つこと。コスモポリタンっていいとおもいます。あと、寛容と余裕とジョークかな。

2014/09/07 22:20

投稿元:ブクログ

ざっくりサッカー関連の差別事件の概要と、ふらんすの本の引用でできてる。コスモポリタンのレッスンあたりを突っ込んであるとよかったのに。物足りなさが残るけど、浦和事件の後を受けてささっと書かれたのだろうから、多くは望めないか。

2014/07/30 07:54

投稿元:ブクログ

ヨーロッパサッカーの人種差別的行動のうち、日本で報されるのは、本当にごく一部であることがよくわかった。サッカーを知らない私にとっては、新しい情報だらけで、とても興味深い内容だった。

2014/09/09 18:03

投稿元:ブクログ

【これは私たちの問題だ】スタジアムで起こった人種差別事件を検証し、サッカーは差別といかに闘ってきたのかを探る。差別的横断幕事件を受けた緊急出版。

2016/10/22 09:04

投稿元:ブクログ

2014年3月8日の浦和−鳥栖戦で埼玉スタジアムに「JAPANESE ONLY」の横断幕が掲げられたことは記憶に新しい。この問題の処分としてJリーグ初の無観客試合が行われた。著者はこの本で、ここ20年くらいの間に起きたサッカーにまつわる差別と差別に対する闘いを紹介している。なぜ20年かと言えば、1995年の「ボスマン裁定」以後、今まで「外国人」とされていた「ヨーロッパ人」の選手たちがEU内のチームを自由に移動できるようになり、その結果空いた「外国人」枠に非ヨーロッパ圏の選手たちが移籍するようになったからである。
非ヨーロッパ系の出自を持つ選手たちは、サルの鳴きまね、バナナの投げ込み、横断幕などで差別を受けて来た。そして選手たちはその差別に対してどのように闘ってきたか。
2005年の10月末から11月にかけてフランス主要都市の郊外で、若者たちが暴走し、数万台の車を焼いたことがあった。「フランス暴動」と呼ばれた緊急事態に対して、元フランス代表ディフェンダーのリリアン・テュラムはテレビ番組で発言している。「私も郊外で育った。もし誰かがゴロツキを一掃しなければならないと言ったとしたら、私はそれを私に向けられた発言と捉えるだろう。」「かつて私も、お前はゴロツキだと言われたことがある。でも、私はゴロツキではない。私が望んでいたのは、働くことだった。サルコジ内相[当時]は、この微妙さが判っていない。デリケートな問題なんだ。人はいま困難な時代を生きている。はっきりとした不安を感じている。安全に生活したくない人間などいるだろうか?(中略)彼らには仕事が必要なんだ。いちばん扱いにくい連中は、そのことを攻撃的に表現しているだけなんだ。」
差別はどこから生まれてくるのだろうか。「人はレイシスト(人種差別主義者)に生まれるのではない。人はレイシストになるのだ。」テュラムは続けて言う。「レイシズムは、何よりも知的な構築物だから。われわれは、世代から世代へと受け継がれていく歴史において、人を黒人や白人、マグレブ人あるいはアジア人として見るよう条件づけられてきたことに、注意を向けなかればならない。」
ジャマイカ出身でのちにイングランド代表となったジョン・バーンズは彼の自伝の中で教育の重要性を強調する。それは特に未来のために必要なのだ。「40歳のレイシストが考えを変えるのは遅すぎるが、彼の息子には遅すぎることはない。白人は自分の祖先を奴隷にしたから大嫌いだと考える40歳の黒人の考えを変えることは遅きに失しているが、彼の息子には遅すぎるということはない。」
さらにジョーンズは白人にも黒人にも正しい認識を持つことを訴えている。「白人たちは、人種差別が奴隷制から始まったことを理解していない。奴隷制そのものは、偏見の問題ではなくて、経済の問題である。もっとも安い労働力が黒人だった。奴隷制は、強欲に由来しているのであって、敵意から生まれたものではない。だが、結果的に、黒人たちは第二級の市民となった。黒人たちはまた、奴隷制に対して別の視点を持つ必要がある。自分たちの父祖は同じ黒人によって奴隷として売られたことを正しく認識しなければならない。黒人のほとんどは、すべての奴隷は白人によって捕らえられた���考えているが、95パーセントは黒人によって売られたのだ。西アフリカの海岸線には黒い王国が点在しているが、英国やポルトガル、スペインの貿易業者たちは、許可なく上陸することはできなかった。奴隷を買うためには、銃や金を代価として支払わなければならなかった。」
サッカーにおける人種差別は、FIFAが反人種差別キャンペーンを行い制裁を科しても、未だに撲滅することはできていない。しかしテュラムやバーンズが訴えるように、歴史的事実を知り、差別の根源にあるものを知ることが必要であろう。次の世代のために。

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