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やどかりおんな
2015/09/18 13:26
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投稿者:おばー - この投稿者のレビュー一覧を見る
面白かったです!!
でももっとドロドロの展開でも良かったかなと思いました!
最後はやどかりおんなの意外な正体に驚きました。
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とことん悪い小説をお書きになる作家さん、という印象を持つ櫛木さん。小説すばる新人賞を受賞した赤と白で、驚愕し、避雷針の夏でうわーとなって、今作のオカルト臭むんむんな作風にぞわーとなり。この先どうなるのか、ほんと。
面白さで言えば星5つなんだけど、読みづらい。人称が一定してない。一人称で描かれてる(はず)のだがいろんな登場人物の一人称なので、いま誰目線で語られてるの? と何度も混乱した。これは駄目でしょ。いっそのこと三人称で固定してほしい。
網中いづるさんの装画がすごいあっていて、あの女・葉月の寄生。そして葉月の正体意外だった。この作者の描くものに勝手ながらもわたしはとことん負を求めているので、どん底のバッドエンドに仕上げて欲しかったかなー。ちょっと綺麗にまとめられてしまった感が残念。サスペンスとしては面白かったけれども。
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こわいよう、この女、怖い。
ここまで人をたらしこむ「鈴を振るような声」があったら本当に怖い。
だれか「そんな声現実にあるわけねーだろ」と言ってください・・・・。
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尼崎や北九州の事件を題材にしたような話。
同情を誘ってある家庭に入り込み、信頼を得て、やがてその家族を精神的、暴力的に支配していくヤドカリオンナ。
丁寧に書かれている分、読むのが辛かった。
見も知らぬ他人を家に入れてはいけないと、つくづく思う。
(図書館)
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気になっていた作家・櫛木理宇 さんの作品「寄居虫女」
ブクログさんからのプレゼントに当選して拝読。
嬉しいプレゼント、わくわくしながら本を開きました。
寄居虫女は、家に住み着くというストーリーですが、実のところ、誰にもある心の闇に住み着くと捉えました。
人の持つ、醜い嫉妬心や弱さ。
その部分だけが大きくなると、周りがわからなくなり、不思議な存在である人間までも受け入れてしまう。
読んでいるうちに、非現実ではあるけれど、現実のような感覚になっていきました。
途中から一気読み。
気になるとラストまで読まずにいられなくなり、シャカシャカと読みました。
事件の真相がわかると、親子愛、兄弟愛、の大切さ、そこを育てる家庭の場がいかに大切であるかを感じ、胸が痛くなりました。
醜い心は誰もが持っている。
けれど、それを口にしたことで、なにかがゆがむのかもしれない。
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櫛木理宇さん、私にとってこちらの作家さんの作品は初めてになります
口コミでドロドロした作品であることは理解していましたが、期待通り私好みのドロドロ感でした
タイトルにもなっていますがヤドカリに例えられているように、住む場所をチョイチョイ変えていく女性の物語です
それだけであればストーリーとしてあまり面白くないのですが、住む場所を変えるだけではなく、その場所を「元の住人ごと壊して移住していく」というところがこのヤドカリ女の特徴になり、その「壊していく」過程についての表現がこちらの作者さんの真骨頂になるようです
精神的に追い詰めていく過程は読み応え十分ですが、ただ、私自身としては想像できないところがありますね
自分自身も同じように追い詰められることで、そういう精神状態に陥ってしまうことがあり得るのだろうか?
そもそも、この方法で追い詰められてしまうことがあり得るのだろうか?
実際の事件のドキュメンタリを引用しているため、そのあたりの手法を十分に取り入れているんでしょう
ワイドショーで実際の事件を聞くに「そんな事があるのか?」と思う事もあるので、効く人には効く手法だったりするんでしょうね
力が弱い人間しかおらず、精神的にも追い詰めやすい一家を狙ったという事なので、私のような者では想像できないのも当たり前か。。。
家自体を変えながら生きていくところが、最終的にはヤドカリ女自身も変わっていたというオチは微妙
しかしながら全体的に私好みの作風で、正月休み中だったとは言え実質2晩程度で読み終えてしまったところから、彼女の他の作品もぜひ読んでみたいですね
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北九州事件をベースにした作品。ズタボロになる主人公に胸が痛むが最後にはサプライズが待ち受け、読了後も恐怖を引きずるありがちなホラー作品ではない。物語テンポがもう少し良くハラハラ度UPしたら極上ホラー。
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「赤と白」、「避雷針の夏」につづく、同作者の少女物第三弾。
この作者の描く少女はつねに孤独で、無理解な親や、閉鎖的な社会を相手に一人戦う運命である。
今回の作品の主人公の少女は、一見明るい。しかし実は孤独で、家庭の中で一人だけ浮いている。友達は多いが親に愛されないことがコンプレックスであり、それが性格の根っ子を形成している。
家庭に侵入してきた侵略者のヤドカリ女・葉月と対決するのは彼女の役目である。今回も少女は大人を頼れず、孤独に戦うしかない。
前二作と違うのは、「幕間」という章で出てくる男の存在だ。
男は家の外から葉月を追い詰める役目で、いずれ少女の味方になることが匂わされながら進んでいく。
前二作にはこういった希望になる存在がいなかった。また今回は主人公の少女に想いを寄せる男子生徒も登場し、話のあちこちに希望や救いの伏線が敷かれているので、前ほど閉塞感がない。
北九州事件や尼崎事件といった実際の事件をモチーフにしている重い作品ながら、この幕間が多少息抜き(?)になっている。
幕間で語られる内容もかなり陰惨なのだが、外部から葉月を追い詰める存在がいることで心強さのようなものが生まれる。
結末も、ただ破滅的だった「赤と白」や、破壊のカタルシスをもって終わった「避雷針の夏」とは違い、ハッピーエンドである。100%のハッピーエンドではないが、安心できる終わり方だ。
前二作の暗さが好きな人には物足りないかもしれないが、どんでん返しの仕掛けもあり綺麗にまとまって終わっている。読後感は悪くない。
また少女間の微妙な色気というか、レズっぽい(?)ような不思議な空気も健在。この作者、よっぽど少女が好きなんだろう。
新境地と言うより、いままでの作風をやや一般受けする方向に行かせた作品だと感じた。
今後も気になる作家の一人である。
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一気に読んでしまった。尼崎の事件でなぜ身内同士傷つけ合うのかわからなかったが、このようなマインドコントロールがされていたんだと、怖くなった。
葉月が入れ替わっていたというのが、少々納得がいかなかった。結末には多少救いがある。
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気が付いたら入り込まれている、あの女。肘まである長い手袋に、レースの日傘、白いぞろっとしたワンピース。そして地肌も見えないほど真っ白に塗りたくられた顔。誰もがぎょっとする風貌だが、声だけは鈴のように美しく、取り込まれてしまうほど甘く優しい。気が付いたら家の中に入り込み、家族を壊して去っていく。
皆川家は、幼稚園児の長男を事故で喪ってから暗く沈んでいた。家を顧みない父、弟だけを溺愛しその死から立ち直れずにいる母、誰に対しても無関心な大学生の長女、祖母に甘やかされ我儘放題の中学生の三女、そして家庭の中で空気のように扱われる高校生の次女。ある日、薄汚れて栄養失調状態でふらふらしている幼い男の子を母が保護したことから、皆川家の崩壊は始まった。
家に入り込んだ女が家族をコントロールして争わせて崩壊させていく話。コントロールされていくさまが怖いわー。もう次女の美海ちゃんがかわいそうでかわいそうで。教師たちはちゃんと反省したんだろうか。なかなかスリリングでよかった。
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白塗り女、家庭に入り込む寄居虫(ヤドカリ)女山口葉月。こわーい。最後の結末は面白い。人間は本当に弱い。
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初著作でしたが、他の作品もこんな感じなのか。気になる。
最悪の結末でなくてホッとした。やっぱり小説がいい…。
参考文献も合わせて読みたい。
「なぜ家族は殺し合ったのか」佐木隆三
「消された一家」豊田正義
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現実にも起こったあの事件を彷彿とさせるようなサイコサスペンス。
どこにでもありそうな、平凡で平和な家庭。そこに入り込む、異様な風体の女・山口葉月。異様であるはずなのになぜか一家に溶け込み、懐柔し、いつしか家族を支配し崩壊させる。その過程がなんともいえず恐ろしくて異常です。
とにかく怖い。嫌。気持ち悪い。でも続きが気になって読む手が止まらない、圧倒的な迫力に満ちた一冊。しかも終盤にはとある逆転劇があったりもして、終始気を抜けない展開でした。嫌な物語だけれど、まるで希望がないわけでもないのが救いかな。
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こんな事が実際起こるなんて理解できないと思っていたが、かって世間をにぎわしていた事件を知っているだけに、現実味がある。最後まで読まないと止められない怖さがあって、いっき読みした。家族ってこんなに簡単に壊れるのかと思うと、心底ぞっとした。
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10.18読了家族の隙間に身体をねじ込むように入ってくる宿居虫女(ヤドカリオンナ)幼い息子を失った留実子は、迷い込んできた、朋己と名乗る痩せ細った男の子に夢中になる。そして、間もなくその母親と称する女、葉月とその弟圭介が家に入り込んでくる。留美子には三人の娘がいたが、夫の親戚のお気に入りだった長女琴美、姑の秘蔵っ子だった三女の亜由美は早々に葉月と圭介には籠絡されてしまう。留実子の夫は不倫相手の家に入り浸りで帰ってこない。だれからも愛されなかった次女の美海だけは家の危機的状況に苦しむのだが…。家族を支配し、果ては殺し合いをさせるという事件が、最近あったばかりなので、信じ難い状況ももしかしたらありうるのかもしれないと、妙な現実感を持って読みました。葉月についてもっと知りたかったので、結末はちょっと不満かな。こんな事件がなぜ起こるのか、もっとしりたいと思いました。