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紙の本
靖国神社 (幻冬舎新書)
著者 島田 裕巳 (著)
靖国神社は、日本人にとってどんな存在か。A級戦犯ほか祭神を「合祀する」とはどういうことか。様々に変遷した145年の歴史を辿った上で靖国問題を整理する。靖国神社の本質が理解...
靖国神社 (幻冬舎新書)
靖国神社
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商品説明
靖国神社は、日本人にとってどんな存在か。A級戦犯ほか祭神を「合祀する」とはどういうことか。様々に変遷した145年の歴史を辿った上で靖国問題を整理する。靖国神社の本質が理解できる一冊。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
島田 裕巳
- 略歴
- 〈島田裕巳〉1953年東京都生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。宗教学者、作家。著書に「日本の10大新宗教」「平成宗教20年史」「葬式は、要らない」など。
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紙の本
A級戦犯者の合祀と政教分離について
2022/09/19 21:16
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:岩波文庫愛好家 - この投稿者のレビュー一覧を見る
靖国神社に関する本は色々出ているようですが、兎に角私は公平な立場からの本をチョイスしたい一心で本書に辿り着きました。そういった意味では本書は非常に良かったです。
先ずは本書の中盤から後半に至る迄紙面を割いた靖国神社の歴史についてかなり勉強になりました。こういった歴史はそもそもベースとして最低限知っておく必要があると自負しているので、有意義でした。
本書で最も良かったのは『おわりに』の章でした。集団的自衛権が行使され、自衛隊員が戦闘行為を行い戦死した場合、靖国神社に合祀されるのか等に言及されており、大変興味深かったです。
私自身は、A級戦犯者が合祀されている社(やしろ)を内閣総理大臣が公式に(=政治家という立場で)慰霊として参拝するという行為は、指導者階級にある戦犯者の戦争行為を肯定し、彼らの行為は然るべきものであり、そういった彼らの御霊を慰霊する事は内閣総理大臣として正しい行いだとしているように捉えます。つまりA級戦犯者の戦争行為は正しいものであり、内閣総理大臣である私はそれを認めていますよ、という事だと思います。一方で私的に参拝する場合は、A級戦犯者も一人間であり、他の一般の人間と同様、単なる死者への慰霊の為に、内閣総理大臣という立場ではなく私人間として参拝したというのであれば、それは構わないと思います。
紙の本
ためになった
2016/08/15 21:59
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:上総介 - この投稿者のレビュー一覧を見る
靖国に関わる問題については、とかく冷静さを欠く議論になりがちだが、本書では神社の経緯、取り巻く状況が客観的に書かれていて
よく知るためには適した著書と感じたし、勉強になった。
紙の本
歴史から見た考察~靖国神社の入門書
2014/09/10 21:22
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
今まで何となく避けてきた靖国神社。そこで、今夏出版された3冊の新書を読むことにしました。
まずは、「中立的な立場で書かれたものは少ない(7ページ)」とし、特定の立場に偏らず、「問題を分かりやすい形で整理し、議論の前提となる事柄を共有できるようにすることを目的(10ページ)」として書かれた本書を読みました。靖国神社の創建から今に至る歴史事実の説明が中心で、多くの知らない事実がありました。例えば、以下のとおりです。
・ 人を神として祀ることについて、柳田國男に相談していた(63ページ)
・ 靖国神社は、内戦の戦没者を祀る施設から、維新殉難者を合わせて祀ることで変容し、さらに、対外戦争の戦没者を祀ることで次なる変容を遂げた。そして、戦死した後に靖国神社に祀られることを目的とするような施設に変容し、日本の軍国主義体制を支える上で重要な役割を果たすこととなった(100ページ)。
・ 英霊という言葉が使われるようになったのは、日清戦争から日露戦争にかけての時期(85ページ)。
・ 日中戦争から太平洋戦争へと進んでいくなかで、「死んだら靖国で会おう」ということが、合言葉になっていく(95ページ)。
・ 靖国神社が廃止にならないように米国を騙した(111ページ)。
・ A級戦犯合祀の事実が広く知れわたり、それが問題になることを恐れ、秘密裏にことを進めていった(147ページ)。
・ 当初問題になったのは、合祀ではなく祭祀費用の国家負担(149ページ)。
・ 中曽根や橋本が、抗議さえすれば参拝を中止するという悪しき前例を作った(189ページ)。
・ A級戦犯の合祀が、天皇が参拝をやめた止めた原因(第六章)。
明治2年の創建以来、政治情勢の変化に合わせ、政府に都合の良いように変容していった靖国神社。太平洋戦争後は、戦争犠牲者を祀るために米軍を騙したり、国民に知られないようにコソコソとA級戦犯を祀ったり、天皇の意向を無視したりと、靖国神社のやり口は姑息です。
そして、複雑に絡み合った靖国問題は、平和だからこそ起きる問題であり、戦争になれば消滅するだろうという悲しい結論でした(215ページ)。
本書は、読みやすい構成で、余計な先入観を植え付けるような政治思想の主張はありません。靖国神社を知るための入門書としては最適だと思います。