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紙の本
本居宣長『古事記伝』を読む 4 (講談社選書メチエ)
著者 神野志 隆光 (著)
本居宣長は「古事記」というテキストとどのように格闘し、何を読みとろうとしたのか。全44巻の大著「古事記伝」を精密に読み解く。4は、三十二之巻〜四十四之巻を取り上げる。「「...
本居宣長『古事記伝』を読む 4 (講談社選書メチエ)
本居宣長『古事記伝』を読む IV
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商品説明
本居宣長は「古事記」というテキストとどのように格闘し、何を読みとろうとしたのか。全44巻の大著「古事記伝」を精密に読み解く。4は、三十二之巻〜四十四之巻を取り上げる。「「直毘霊」について」も収録。【「TRC MARC」の商品解説】
日本史上に名を残す名高い著作でありながら、あまりに厖大で誰も読み通せない本居宣長の『古事記伝』。その全44巻を細部まで詳細に、丁寧にわかりやすく、解説し尽くした未曾有のシリーズ、ついに完結! 第4巻は、「聖帝」仁徳天皇と大后石之日売命の嫉妬、軽太子・軽大郎女の禁じられた恋など、歌物語を中心に展開する。宣長が読み、現しだした古事記の世界とは。
応神天皇の三人の御子の皇位継承争い。継承した大雀命(仁徳天皇)が寵愛する八田若郎女と大后石之日売命の嫉妬。軽太子・軽大郎女の恋。――第4巻は、応神天皇から推古天皇までをあつかうが、その中心は、歌物語による、嫉妬や争いのうずまく古代世界です。そこで宣長が示す読みとは?
本居宣長の主著『古事記伝』は、『古事記』を日本最古の書物として再評価し、日本史のありかたに決定的な影響を与えた、歴史的な名著です。しかしながら、全44巻あり、しかもその内容は厖大多岐にわたり、とても読み通せるものではありません。本当に全巻読み通した人は数えるほどしかいないのではないでしょうか。
ところが、よく読むと、じつは非常に面白いのです。まずは、なんでも実証しようとする態度。『古事記』本文のひとつひとつの言葉に注釈を与えようとするのですが、その解釈は、かならず 証拠を持ち出して行おうとします。そのためには、『日本書紀』だろうと『万葉集』だろうと、ありとあらゆる文献、資料を持ち出してくる。あくまで解釈であって、現代によくあるようなたんなる学者の感想ではありません。
ただ、たまには、いろいろな解釈の可能性と証拠をしめしたあとで、いきなり「まさりてきこゆる」(理由はないが、こっちがいいような気がする)と、おちゃめな結論を出したりもする。
宣長といえば、「漢意(からごころ)批判」です。『日本書紀』には、中国的なものが入っており、それを「漢意」として排す。『古事記』にこそ、本来の日本の古代が書かれている、と主張しました。それは、右翼的な、日本至上主義にも結びつきやすい一面をもっていました。
しかし、『古事記伝』の著者の本質は、そのようなたんなるイデオローグではないのです。とにかく、徹底的に解釈しきる。その先に、日本の古代のすがたが見えてくるはずだと考えたのでした。
本シリーズは、煩雑・厖大であるがゆえに、誰もが名のみ知り、ふれることのすくない『古事記伝』の世界を、全44巻すべて、読み、解説する、という画期的なシリーズです。
第4巻で、ついに完結。最後の推古天皇までたどりつきました。
『古事記』はイザナギ・イザナミ神話だけではありません。『古事記伝』があらわしだす『古事記』の世界を、最後まで楽しんでください。【商品解説】
目次
- 『古事記伝』三十二之巻・明宮上巻―宇遅能和紀郎子をめぐって
- 『古事記伝』三十三之巻・明宮中巻―宇遅能和紀郎子と大雀命の天下の譲り合い
- 『古事記伝』三十四之巻・明宮下巻―天の日矛と、秋山の下氷壮夫・春山の霞壮夫
- 『古事記伝』三十五之巻・高津宮上巻―「聖帝」仁徳天皇
- 『古事記伝』三十六之巻・高津宮中巻―石之日売の物語
- 『古事記伝』三十七之巻・高津宮下巻―歌物語をならべる
- 『古事記伝』三十八之巻・若桜宮巻、多治比宮巻―墨江中王の反逆
- 『古事記伝』三十九之巻・遠飛鳥宮巻―軽太子の物語
- 『古事記伝』四十之巻・穴穂宮巻―不名誉な天皇
- 『古事記伝』四十一之巻・朝倉宮上巻―歌物語のなかの雄略天皇
著者紹介
神野志 隆光
- 略歴
- 〈神野志隆光〉1946年生まれ。和歌山県出身。明治大学大学院特任教授。東京大学博士(文学)。専攻は日本古代文学。著書に「古事記の達成」「古事記と日本書紀」「「日本」とは何か」など多数。
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