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金正恩の正体 北朝鮮権力をめぐる死闘 (平凡社新書)
著者 近藤 大介 (著)
北朝鮮を率いる世界最年少の国家元首、金正恩。彼につけられる“形容詞”は多岐にわたるが、その正体はいったい何なのか。いま、北朝鮮の権力内部では何が起きているか。豊富な取材網...
金正恩の正体 北朝鮮権力をめぐる死闘 (平凡社新書)
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商品説明
北朝鮮を率いる世界最年少の国家元首、金正恩。彼につけられる“形容詞”は多岐にわたるが、その正体はいったい何なのか。いま、北朝鮮の権力内部では何が起きているか。豊富な取材網を駆使して、権力の最深部を描く。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
近藤 大介
- 略歴
- 〈近藤大介〉1965年埼玉県出身。東京大学教育学部卒業。講談社入社。『週刊現代』編集次長。東アジア問題の研究をライフワークとする。著書に「東アジアノート」「北朝鮮を継ぐ男」など。
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独裁者になれない独裁者の苛立ち
2014/12/03 20:53
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:愚犬転助 - この投稿者のレビュー一覧を見る
同じ著者の「習近平は金正恩を殺す」とダブる部分もあるが、北朝鮮・金王朝の内実に肉薄している。煎じ詰めれば、金正恩も彼のオヤジの金正日も、またジーサンの金日成もまた、真の独裁者にはなりえなかったのである。独裁者のふりをしているだけで、権力基盤は万全ではない。若い金正恩なら、なおさらだ。彼らの権力を脅かしつづけているのは軍だが、軍とても一枚岩でなく、その統制は危うい。
金正日も金正恩も強盛大国を実現させるために、経済をなんとかしたかった。手っ取り早いのは外資導入だが、これに反対するのがきまって軍部である。よって、北朝鮮の経済改革は中途半端以下にしかならず、貧しいままである。経済改革失敗の責任は誰かに押しつけられ、首領様は知らぬ顔だ。軍を制御できないで、何が「独裁者」だろう。軍が睨みをきかしているかぎり、独裁者のやりたいことは女遊びくらいしかない。その軍も、金正恩の権威あっての正統性であり、脆弱なのだが。
金正日も金正恩も軍を味方にするため、番長ぶる。核開発実験、弾道ミサイル実験、韓国相手のケンカを命じることで、軍の士気は上がり、独裁者もいい気分になれる。金正恩は、こうしたケンカごっこで、権力者の味を知ったという。だが、その番長ごっこも、ここにきて限界を迎えてしまった。金正恩が、中国相手にケンカしすぎてしまったからだ。長く中国は北朝鮮を甘やかし、番犬としても使ってきたが、世界の注視する大国になりすぎてしまった。北朝鮮を制御できなければ、大国の名が泣く。習近平の権力者としてメンツが立たない。金正恩は軍の指示を得たいがばかりに、中国と敵対、孤立化を深めたということになる。
いったい中国もそうだが、北朝鮮の軍あっての独裁者と国家というあり方は、どこがモデルになっているのだろう。共産国家の特徴とも言い切れず、モデルは1930年代の大日本帝国かもしれない。そういえば、かつての中国共産党には日本の旧軍にハマっていた人もいた。ただ、帝国日本の軍部は、勝利をつづけてきた実績もとに発言してきた。まともな勝利のない中国人民解放軍や北朝鮮軍とはそこが決定的に違う。ならば、この2つの国のモデルはどこか、わからなくなってくる。